あなたが生きる理由—「命の授業」〜あなたという「命」に「命」をかけてくれた人がいるという事実

あなたが今生きているということは。 あなたが産まれてきたということは。 間違いなく あなたという「命」に対して「命」をかけてくれた人がいるということです。

友人の助産師が、中学生・高校生向けに「命の授業」という講義をしています。

「性」に対して好奇心旺盛な思春期の子どもたちに、実際に重りをつけて妊婦の体験をしてもらったり、模型を使ったりしながら、妊娠と出産について学んでもらう授業です。

妊娠中10カ月間の胎児が育っていく様子や、妊婦の体の変化、不安や楽しみなどの心の変化。出産への覚悟や準備について。
赤ちゃんは狭い産道を通過しながらどうやって産まれてくるのか?
出産は母体にとってどれくらい大変なことなのか?
命を授かるということの責任の重さと幸福についてなど。

「性」は「命」に直結しているということを理解し感じてもらうための授業です。
シングルマザーである友人は、自分のリアルな体験も隠し立てなく話しているそうです。

出産とはまさに命がけの行為です。
生半可な覚悟ではとてもできません。
命を授かり母親になるということは、生きることに対する考え方や、人生の価値観を大きく変える強烈な出来事だと言えます。

あなたが今生きているということは。
あなたが産まれてきたということは。
間違いなく
あなたという「命」に対して「命」をかけてくれた人がいるということです。

もしかしたらその人は、子育てが下手だったかもしれません。
生きることに精一杯で十分に愛情を伝えられなかったかもしれません。
已むに已まれぬ事情があってあなたを手放さざるを得なかったのかもしれません。
子どもを想うあまり厳しく叱りあなたを傷つけたかもしれません。

でも
たとえ今どんなに母親を赦せなかったとしても、
あなたという「命」に「命」をかけてくれた人がいるという事実は、
あなたが生きる理由です。
あなたが生きる価値です。
だからあなたは幸せにならなければなりません。
それが最大の恩返しだからです。

 

友人はその「命の授業」のために、とある高校に行きました。

その高校は地元でもあまり評判の良くない高校でした。
茶髪にピアス。
だらしない服装。
汚れた教室。
最初はみんな冷めた目で教壇を見ていたと言います。
でも、授業が進むにつれ、その斜に構えた冷めた目に、素直な感謝の気持ちと真剣さが満ちてくるのが分かったと彼女は話してくれました。

友人の「命の授業」は最後に一人一人からアンケートを受け取って授業が終了します。
その高校でこんな一枚のアンケートがありました。

『自分は、自分の親なんてクズだと思っていました。そんなクズからうまれた自分もまたクズだと思っていました。でも、今日の授業をきいて、少しは自分のいいところも探してみようかな、と思いました。』

今日も読んでくださいましてありがとうございます。
あなたが幸せでありますように。

さくらあくり

 

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