最終回 <キバリオン・総括>

ザ・キバリオン「引き寄せの法則」の原典. 最終回

これだけ科学が発達しても、ダークマター、ブラックホールなど、この宇宙に関しては解明されていないことが数多くあります。
4000年以上も前に見出された宇宙の法則が、今日の文明社会を生きる私たちにも新鮮な気づきをもたらしてくれるのは、この法則が真実である事を裏付けています。
まぎれもなく、私たちは宇宙の中で存在し、人生を過ごしています。
その私たち人間にとって、ヘルメスの伝えた7つの法則を理解することは、宇宙と自分の関係性を理解する重要なカギなのです。

これを読まれている読者の皆様にぜひ試していただきたいことがあります。それは、皆さんの周りにいらっしゃる成功者に、以下の項目を確認していただきたいのです。

*自分の思考が現実化した経験はあるか?
*自分の意識が変化したことで、世界が違って見えたことはないか?
*自分が望んでいたものが、人生で引き寄せられた経験はないか?
*失敗やネガティヴなことが、成功やポジティブなことへと繋がった経験はないか?
*リズムに乗れた時、スムーズに達成が起きた経験はないか?
*原因作りを変化させることで、望ましい結果を作り出した経験はないか?
*与え、受け取ることで、物質的や精神的な豊かさを得た経験はないか?

これらを確認していただければ、いかにキバリオンで伝えている宇宙の7つの法則が、パワフルかつ現実的であるかを実際に理解いただけると思います。

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“True Hermetic Transmutation is a Mental Art.”-The Kybalion.

真の錬金的変容とは、思考術なのだ。

“The wise ones serve on the higher, but rule on the lower. They obey the laws coming from above them, but in their own plane, and those below them, they rule and give orders. And, yet, in so doing, they form a part of the Principle, instead of opposing it. The wise man falls in with the Law, and by understanding its movements he operates it instead of being its blind slave. Just as does the skilled swimmer turn this way and that way, going and coming as he will, instead of being as the log which is carried here and there-so is the wise man as compared to the ordinary man-and yet both swimmer and log; wise man and fool, are subject to Law. He who understands this is well on the road to Mastery.”-The Kybalion.

賢者は高きに仕え、低きを支配する。上階の方には服従しても、己の界と下界においては支配し指令する。それでも、法則に逆らわず、法則の一部となる。賢者は法則と一体になる。法の働きを理解することにより、盲目の奴隷とならず、法則を動かす。それは水泳の達人が流されるだけの丸太にならず、自在に泳げるのと変わりない。しかし、泳者も丸太も、賢者も愚者も、法則に従っている。これを理解するものは統制への道を進んでいる。

“The possession of Knowledge, unless accompanied by a manifestation and expression in Action, is like the hoarding of precious metals-a vain and foolish thing. Knowledge, like Wealth, is intended for Use. The Law of Use is Universal, and he who violates it suffers by reason of his conflict with natural forces.”

知識を所有しても、行動に移さなければ、貴金属をただ集めるのと変わらない。虚しく愚かなことである。活用の法則は普遍的である。それを侵すものは自然力との戦いに苦しむ。

“THE ALL is MIND; The Universe is Mental.”-The Kybalion.

THE ALL は思考である、そして宇宙は心である。

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キバリオンで伝えている7つの法則をおさらいして行きましょう。

1. 思考の法則(精神性の原理)
ヘルメスの錬金術は「人の持つ精神の力を変容させることで、望む人生を創造出来る。」ことを示しています。第一の法則<思考の法則>はその中核です。
キバリオンで伝えている宇宙とは「精神的なもの」で、それは哲学の用語で言えば<唯心論>です。この世界は決して「もの」で構成されているのではなく、「精神」によって作られているのです。
自ら「思考する」こと、「決断する」ことで私たちの振動数は変化し、それは実際に形になって人生にもたらされるのです。

2. 投影の法則(対応の原理)
「この世界は自分のマインドを映し出す、巨大スクリーンである」ということで、この世界が「何も切り離れている存在はいない」ことを教えてくれています。この世界に知覚していることに責任を持ち、自らの意識を変化させることで、スクリーンに投影されている側に変化をもたらせることができるのです。
また、「フラクタル」や「フィボナッチ数列」「黄金比」「テューリング・パターン」など、自然界にも法則は沢山あります。宇宙の「細部を見れ(理解できれ)ば全体が分かり、全体を見れ(理解できれ)ば細部が分かる。」これが<投影の法則>のもう1つの側面です。

3. 引き寄せの法則(振動の原理)
木でも、岩でも、花でも、私たちの目には止まって見えるものも、すべては原子などが激しく<振動>を起こして形を成しているものであり、この世界に静止しているものは1つもありません。
成功者の1つの共通項に「自らエネルギー(振動)を創れる人」があります。成功者は何か特別な方法を知っていたり、形あるものを作っているように見られがちですが、実は自らがつくり出しているのはエネルギー(振動)なのです。ここに第三の引き寄せの法則の秘密が隠されています。
私たちは自由に<振動数>を変化させることができ、そのことで放たれた<振動>は周囲に影響を与え、さまざまな情報がフィードバックされます。そのフィードバックを学習することで振動を調整し、あらゆるものを引き寄せることができるのです。

4. 極性の法則(極性の原理)
「光と闇」「善と悪」「正と誤」「陰と陽」など、状況の正反対を表す言葉がたくさんあります。これら2つは分離された別々のもののように感じるかもしれません。しかし、キバリオンで伝えているのは、これら「決して分離しておらず」互いはつながっていて、それは「程度が違うだけ」であるとともに、これらは「対」であり、片方のみでは成立しないことを伝えています。
私たちの多くは「豊かさ」「愛」「幸せ」といった、一方の極を求めがちですが、それだけでは真の答えには至らないのです。対の体験が1つにつながった時、そこに極は成立し、真実がもたらされます。

5. リズムの法則(リズムの原理)
人間以外にも、あらゆる地球上の生き物は、宇宙のリズムの中で生きています。宇宙はリズムを刻みながら、あらゆる調和とバランスをこの世界にもたらしています。
占い、占星術、風水などが「当る」理由は、天体の動きをベースにした宇宙のリズムを膨大なデータベース化することで、導き出されているからです。
宇宙は常に動いているので、私たち自身も「行動」することで、そのリズムに乗りやすくなるのです。また、極性の法則との関連性もポイントで、うまく行った(行かなかった)時のピークの見極めと、反対の極に振れる際の準備をしておくことで、リズムを効果的に活用することができます。

6. 原因と結果の法則(原因と結果の原理)
「結果がもたらされているならば、そこに必ず原因がある。」この法則はいたってシンプルであり、「偶然はない。」ことを教えてくれています。
どんな選択の結果が出来事に影響を与えたのか 関連性を見出す事が重要で、原因作りを変化させれば、必ず結果も変化します。
すでに人生に好ましい結果をもたらしている人が、どんな原因作りをしているのかが分かれば、それをコピーすることで自分の人生にも違いをもたらせることを教えてくれています。

7. 両性の法則(性の原理)
ヘルメス錬金術の総括として最後に語られている法則で、あらゆるものを創造したり、答えをもたらす力が「男性性エネルギー(与える力)と、女性性エネルギー(受け取る力)」なのです。
男性と女性がつながることで新しい命が生まれるように、この2つのエネルギーが活性化されることで、人間の無限の可能性が開かれて行きます。
原則は、何かを「実現」「達成」して行くためには「男性性エネルギー」が。「今ここ、あるがまま」を感じられ、味わえるようになるには「女性性エネルギー」がカギを握っています。
ヘルメス錬金術の極意は、こうした自らの意識やエネルギーの<振動数>を変えることで、あらゆるものを人生に引き寄せたり、現実化出来ることを説いたものなのです。

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“That which is the Fundamental Truth -The Substantial Reality- is beyond true naming, but the Wise Men call it THE ALL.”
根本真理―本質的実在とは、真に名付けることは適わないが、
賢者はそれを THE ALL と呼ぶ。

“In its Essence, THE ALL is unknowable.”
その本質において、THE ALL は不可知である。

“The Universe is Mental–held in the Mind of THE ALL.”
宇宙とは心である…THE ALL のマインドで繰り広げられる心なのだ。

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ザ・シークレット、ザ・メタ・シークレットと、その源泉と言われるキバリオンとの大きな違いは、その前提の「THE ALL」にあります。「THE ALL」を前提として法則を理解して行くか、前提とはせずに法則を理解しようとするかでは、その規模も奥深さも全く違ったレベルになります。その分、それを理解して行くにも、それなりの覚悟が求められます。ヘルメス派の人たちが、この法則を一定レベル以上の知識と理性を兼ね備えた人たちにしか伝えなかった理由の1つも「THE ALL」の存在にあります。
当たり前のように存在する、私たち人間が作り出した解釈やルールも、「THE ALL」の働きから見れば小さなことであり、この世界には、まだ無数の解釈が存在します。
「THE ALL」の存在を感じ、理解を深めるごとに、私たちは宇宙の真理へと導かれて行くでしょうが、キバリオンにも記されている通り、「THE ALL」は不可知で、その働きや存在理由を人間が完全に理解することは出来ません。
しかし、キバリオンに習えば、私たち1人1人の存在もまた「THE ALL」から成り立っています。ならば、頑張って法則を覚えたり、無理やり使えるようにコントロールしなくとも、私たちが宇宙の性質を理解し、その働きに沿って生きたなら、必要な時に法則は私たちをサポートしてくれるのではないでしょうか。

眼に映るもの、形あるものに躍起になっている物質中心の社会にも、多くの人たちが疑問を持ち始めています。時代はアセンションの時に入り、あらゆる分野でごまかしが効かなくなり、真実が現れ始めています。そんな時に、このヘルメスが伝えた宇宙の7つの法則は、私たち人間の存在やこの世界の本質を見つめ直す大切なきっかけになるのではないでしょうか。

さいごに
この連載を書く流れに導いてくれた宇宙と、企画を採用して下さったエルアウラさん、最後までお付き合い下さった読者の皆様に心から感謝いたします。

皆様の人生に恩恵と、宇宙の法則が働きますように。

メタ・シークレット・ユニバーシティー
よしだ ひろちか