「３億円当たったら、仕事を辞めるって、そしたらやっぱり多くの人は、魂＜お金ということなのですかね？　お金のために働いていて、お金を稼ぐ必要がなくなれば、その仕事をアッサリと辞めてしまう。私は、なんだかそれが悲しいなと思ってしまったんです。人の魂はお金よりも崇高なものだと思っているんです。だから、人がお金に負けるのはとても悔しいと思ってしまうんです。」

「ユリちゃんは、何でそんなに人の魂について考えているの？　あなたみたいな若い女の子が、人の魂の方が崇高だとかそんな事誰も考えていないわよ。」

「あはは。そうなんですよね。でも私は人の魂は美しいとずっと思ってきたのです、あの日から。」

「あの日？」

●ゴッホの弟テオへ宛てた手紙より「生きる意味」

「私は、先生との巡りあわせがとても良くて、小学校・中学校・高校・大学といつも素晴らしい師との出逢いがあるんです。よっぽどの思い入れがある先生以外、普通の人は覚えていないけど、私は最高の先生ばかりだったからか、ほとんど覚えているのですよね、エピソードも。その中の一人で、小学校の時の担任の先生で図画工作にとても力を入れている先生がいたんです。夏のある日、教室にひまわりの花束がたくさん飾られていて、その真ん中に１枚の絵画が飾ってありました。私はその絵を見た途端、涙が止まらなくなり、思わず泣いてしまったのです。クラスのみんなはユリ何で泣いているんだよ？　と笑っていたけど、なぜかは分からないけどずっと泣いていたのですよね。でも、きっと私にはその絵には魂が込められているのが分かったのだと思います。その人の崇高な魂が、心のど真ん中まできっと届いてきたから、涙が流れてきたのだと思うんです。その絵画は、ゴッホのヒマワリでした。それから、私はゴッホにはまって、ありとあらゆるゴッホの本を読み、美術館に足を運び、ゴッホについて少しでも近づこうと必死でした。ゴッホの言葉と絵画は、いつも私の心のど真ん中に響きました。」

– ゴッホの弟テオへ宛てた手紙より
・何もチャレンジしないのならば人生とは何の意味があるのだ？
・何があっても、私は再び立ち上がるだろう。大きな挫折の中で私が捨ててしまった私の鉛筆を拾い、私は私の描くことを続ける。
・たとえ僕の人生が負け戦であっても、僕は最後まで戦いたいんだ。
・絵を描くことは、生きること。

「ゴッホは生涯絵が売れなくて、弟のテオに資金を援助してもらいながら、絵を描き続けていて、どんなに絵が下手だとバカにされても、全く売れなくても、それでも生涯ずっと絵を描くことは辞めなくて、死ぬ最後まで描き続けたのですよね。私は、そのゴッホのお金を超えた魂の崇高さに大きな感動と感銘を受けました。だからずっとゴッホの絵は死んだ今でもこんなに愛されているのだと思います。それって、ゴッホの魂がお金に買ったという証だと思うんですよね。きっとゴッホなら、宝くじ３億円が当たっても絵を描くことは辞めなかったと思います。人の魂は、私が思うよりもずっと崇高なものだと思うんです。ゴッホの魂は私の中で生き続けているし、多くの人の中で生き続けているけど、お金は死んだらもうそこで終わりだと思うのですよね。生きている間だけのもので、それ以上でもそれ以外でもないと思うのです。でも現代の人は自分の魂を殺して、お金の奴隷になっているのが、悲しくなります。あなたの魂はお金よりももっと崇高なものだって！　たまに大きな声で叫びたくなる時もあります。」

●嵐の時代の到来～真の二極化の世界～

ご婦人は、何も言わずにギューと抱きしめてくれました。
頭を撫でてくれて、
「えらいえらい。よく一人で考えて、よくこの世界のために、自分のために、人のために、地球のために、生きようとしている」
そう何度も頭を撫でながらささやいてくれました。

「ユリちゃん、でもこれからあなたの望んでいる世界が来るわ。きっとそれが二極化の正体でもあるのよ。お金に魂を奪われていつまでも、自分を殺して生きる人、そして、お金の奴隷を飛び越えて、ゴッホのように、己の魂を輝かせて生きる人。これからが時代の分かれ目よ。大きな大きな転機がきっと起こるわ。そして、これからは魂の時代になる。何もかも揺るがすような、人の価値観を全てぶち壊す時代の到来よ。その時、きっと魂の本質がさらけ出す。心が試される時代ね。私は何だかワクワクするわ。ずっと本当はこんな時代を待っていたかもしれない。」

フィンセント・ファン・ゴッホ（Vincent Willem van Gogh）
漁師は海の危険性、嵐の恐ろしさを知り尽くしている。しかし彼らはこれらの危険性が陸にとどまる理由になる、とは考えない。

上野ユリ

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