神さまに導かれ、4か月で人生を劇的に変える~心と身体の引き寄せの法則「神さまのお味噌汁」vol3 ~前編

「コンコン」と部屋の音が鳴り響いた。
心の中で「もう眠たいのに……」と思いながら、部屋を開けた。

「顔色が悪いから、お味噌汁とサラダを食べない??」と女将さんが聞いてきました。
このお宿は、夜ご飯はついておらず、朝ご飯のみの宿です。
でも、この日は私一人だったのと、私があまりにも瀕死な状態だったから、
女将さんがご厚意で気を使ってくれたのだと思います。

ただ、今振り返ればこの出来事は、宇宙や神さまが女将さんを使者にして
私に「神さまのお味噌汁」を飲ませてくれたのだと思います。

 

●ついに、神さまのお味噌汁を飲む

宿のホールに座ると、静寂が身を包みました。時間は夜の21時。
女将さんは、少し待っていてとキッチンで料理を作っていてくれていました。
私はその間、ぼんやりと不思議な宿だなと思っていました。
初めて来たのに、初めてな気がしなかったから。
もう随分前から、この宿に来ていた気がする、この宿を知っていた気がする。
雨の音が強くなりながら、静かに自分自身と向き合い始めました。

「何でこんな身体になったのだろう……??」
外食はほぼしない、タバコも吸わない、お酒も飲まない、料理は手作りな暮らし。
スポーツジムに通い、普通の人よりも健康には気を配っていた。

なのに、何でこんなボロボロな身体になって、爪まで剥げて。
体調が悪いこともあり、ネガティブな想いに心が支配され始めていました。
「これからどうしよう……」仕事を今までのようにしていくのか、どうしたらいいのだろう。
思えば、こんな風に自分の心と対話をしたことがずっとなかった気がする。

走って走って、走り続けて、自分の心の声と身体はいつしか置き去りになっていました。
外は大雨、宿には一人、この環境が外部の声を遮断させたからこそ、
やっと自分の心と向き合うことができたのだと思います。

そして女将さんが「お待たせ、お味噌汁とサラダしかないけど、ごめんね。」と
言い、運んできてくれました。目の前にあるのは、本当にシンプルなお味噌汁とサラダのみ。
そして、私はお味噌汁を飲みました。
飲んだ途端、涙が溢れてきました。
美味しくて、温かくて。
普通の具材しか入っていないのに、なぜここまで違うのか
分からなかった。でも、そのお味噌汁は人生で食べた中で一番おいしいお味噌汁でした。

サラダも食べてみると、塩のみの味付けなのに、すごく美味しかったです。
普段は必ずドレッシングをかけていたので、最初は塩のみ?? と思ったけれど、
野菜の味がしっかりして、美味しくてぺろりと食べることができました。

普通のお味噌汁とサラダなのに、なぜか心が温かくなり、満たされていく不思議な感覚。
つらい身体に温かいお味噌汁が染みわたって、入り込んでいくのが分かった。
夢中で食べていると、女将さんが「どう?? 美味しい??」と顔を出してきた。

私はたまらず「何なのですか? このお味噌汁とサラダ! 美味しすぎます!」
とこの宿に来て、初めて大きな声を出した。女将さんは笑いながら、よっぽどひどいもの
を食べていたのね! とケラケラしていた。
「いや、本当に美味しいです!! 一体何を使っているのですか?
あっ! 出汁とかを煮干しや昆布でしっかり取っているのでしょう!
私は、いつも粉末タイプの出汁だから、きっとそこが違うのだ!!」

と、いつのまにか小さな声しか出なかった私が、べらべらと女将さんに話し始めていました。
さっきまでの瀕死状態が嘘のように。

 

●神さまのお味噌汁の正体は……?

女将さんがケロッとした顔で「いや、このお味噌汁も粉末タイプのものよ!」
と話してきたので、驚きました。
どう考えても私が普段作っているお味噌汁とは味が違ったから。

「……嘘だ。」「……秘伝なのですね? 隠しているのですね?」
怪訝な顔で女将さんを見た。すると、女将さんはこのお味噌汁に入っている出汁の粉末と
お味噌を持ってきてくれました。
確かに普通のお味噌と出汁の粉末でした。でも、スーパーでは見たことがないものでした。

女将さんが、「さあ今日はもう疲れているだろうから寝ようか。また明日に話をするから。」
と言って、片付けをし始めました。

私の身体にはまだ細胞全てに染み込こんでいく不思議な感覚がそこにはありました。

上野ユリ

 
【この世界に凛と咲く❁MYブランドを創る12のすゝめかた】

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