元気が出ない時に飲む魔法の紅茶~シャリマティとある紅茶専門店の物語~

元気が出ない時に飲む魔法の紅茶~シャリマティとある紅茶専門店の物語~

元気が出ないとき、そんな時が人生には必ずありますよね。
そんな時には、ぜひこのお話を読みながら、温かい紅茶を飲んでほしいです。

今回は、魔法のシャリマティーとある喫茶店のお話です。

 

●ある不思議な紅茶専門店との出逢い

夏の暑い日に、ふらっと奥の道に不思議な喫茶店がありました。
何だか不思議な感じの喫茶店だなと思い、ドキドキしながら扉を開きました。
そこは紅茶専門店で、2人の美女ママが紅茶を淹れていて、常連さんが何人かいました。

この不思議な感覚がする喫茶店のことがとても好きになりました。

初めて来たのに、どこか懐かしい気持ちになりました。
また、大好きなアンティークの空間は居心地がよくて、不思議な気分になりました。
世界の紅茶を量り売りしていることにもグッっときました。
行くたびに、その世界の紅茶を一つ一つ揃えていこうと決めました。

その日はとても元気が出ない日で、でもこの紅茶専門店と出逢えたことが幸せな出来事となりました。
これからは元気がでないときは、この紅茶専門店で世界の紅茶を一つ一つ揃えていこうと決めました。
それから何回もいくうちに仲良くなって、ママさんや常連さんたちが私と愛犬のことを家族のように、よくしてくれるようになりました。

愛犬は、このお店の不思議な雰囲気をとても気に入り、居心地がよいクラッシックの音楽が流れるたびに眠るようになりました。
常連さんのお婆さまと「なぜだかこのお店に来た時、初めての気持ちがしなくて不思議な感覚となったのです」と話すと、お婆さまがにっこりと微笑ながら、「きっと私たちは前世イギリスにいたのよ。そしてこうして、紅茶を飲むお友だちだったのよ」と話してくれて、だからこんなにここは居心地が良いのかと思いました。

 

●魔法の紅茶「シャリマティー」

紅茶は小さな頃から大好きでした。
でも「シャリマティー」は飲んだことがありませんでした。
その頃、私は「人なんてもう誰も信じない」という心を閉ざしていた時期で、でもこの紅茶専門店に通い、ママがいつもいれてくれる魔法のシャリマティーを飲むたびに、閉じた心が少しずつ開いていっていたのです。

シャリマティーとはオレンジ紅茶のことで、紅茶のオレンジがのっています。
最初にこのお店に入った時の私の顔に、元気がなかったから、ママが「魔法の紅茶をどうぞ」と言ってくれたのが始まりでした。

それからはいつも魔法の紅茶シャリマティーを飲むようになりました。

それから、1年ずっと仲良くしていて、私のことを心から応援してくれていました。
いつもここは暖かく、優しい時間が流れていました。
ここは。おひさまのような場所だと、私の閉じた心はいつの間にか暖かなもので満たされるようになりました。

泣きそう日も、嫌なこと言われた日も、魔法の紅茶シャリマティーをママが淹れてくれたら、笑顔になれました。
ママが笑いました。「だから言ったでしょう? シャリマティーは元気が出る魔法の紅茶なのよ」
でも半年前のある日、お店が閉まっていて、それからはいつ行っても閉まっていました。
いつもそこに行けばあったから、連絡先も交換していませんでした。

 

●突然の閉店。大好きな場所がなくなる。

いつお店に電話かけても、誰もでませんでした。
お店はclose。

気がつけばSNSで閉店したとの事を誰かが書いてあるのを見つけて、泣きそうになりました。
魔法のシャリマティーを飲めなくなり、お婆さまやママ達の笑顔もなくなりました。
それはこれまでの日々がまるで幻だったかのような感覚に陥りました。