医学的に証明されているヨガの効果とは?〜その本質やスピリチュアルな影響〜

ヨガが肉体や精神に与える影響というのは、非常に測定しやすく、前述したもの以外にも「精神病患者への治療効果が認められる」という研究結果や、「ADHD(注意欠陥・多動性障害)の子供が親と共にヨガの瞑想を行うことで、その症状が軽減する」という研究結果も出ています。

【どんどんと健康法として知られていくヨガ】

ヨガといえば、「一般的な健康法」としてとてもメジャーなものとなっています。
その種類も無数に存在していますが、そもそもは、古代インドで発達した「スピリチュアルな技法」でした。

近年では、健康法としての面ばかりがクローズアップされているために、本来のヨガを教えている人が「宗教がかっている」とされたり、「エネルギー的なヨガがイロモノ扱いされる」という、本来のものとは「逆転した価値観が横行しつつある」といえるでしょう。

なぜ、このようなことが起こったのでしょうか? その要因のひとつとして、ヨガが肉体や精神に影響を与えていることが、「科学的に測定可能な行法」だったことがあげられます。つまり、「あまりにも効果的だったために、科学的に検証可能な面ばかりが注目されてしまった」のです。

では、どのような面が科学的、医学的に証明されているのでしょうか?

 

【科学的、医学的に証明されたヨガの効果】

454413976

まず、最も基本的といえる「ヨガによるリラックス効果」について紹介しましょう。

こちらは様々な国で実験が行われ、その効果が実証されています。2000年に発表された論文に掲載された「40名の成人男性を対象にした実験」では、ヨガの呼吸法による瞑想法と、単に横になって休む行為を、1日おきに交互に繰り返し、その2つの方法のリラクゼーション効果を比較したところ、横になるだけの休息に比べて、ヨガの瞑想法のほうが、「酸素消費量は30%低下し、呼吸量が28%増加する」ことがわかりました。つまり、ヨガの瞑想法のほうがよりリラックス出来ていることが科学的に証明されたわけです。

【参考リンク】
Oxygen consumption and respiration following two yoga relaxation techniques.(PubMed)
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/11218923

「身体に直接的にヨガが影響を与える」という研究も多くされています。1990年に発表された論文に掲載された「喘息患者18人にたいして、ヨガのプラーナヤーマ呼吸法を毎日2週間続けて貰う」という研究では、呼吸法を行わなかった人に比べて、「免疫と関連するヒスタミン反応性では有意な増加」があり、喘息のコントロールに繋がる可能性が高いとされました。また、被験者が少なかったために、統計学上の有意差はでなかったものの、「肺機能の向上と、治療薬の使用量が減る」という結果がでました。また、自己申告ですが、「喘息症状も緩和された」ということです。

【参考リンク】
Effect of yoga breathing exercises (pranayama) on airway reactivity in subjects with asthma.(PubMed)
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/1971670

それでは心理的影響はどうでしょうか? こちらも様々な研究がなされています。2016年に発表された論文によると、「妊娠中のストレスをヨガによって軽減することが可能」ということが明らかになっています。こちらは、日本の病院で健康的な「初産婦60名を対象に、ヨガのクラスを受講して貰う」という実験から得られた結果です。ヨガのクラスを受けた人は、唾液を用いた分析によって「不安や抑鬱、怒り、敵意、といった負の要因が有意に減少することがわかった」というのです。

【参考リンク】
Immediate stress reduction effects of yoga during pregnancy: One group pre-post test.(PubMed)
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27094980

このように、ヨガが肉体や精神に与える影響というのは、非常に測定しやすく、前述したもの以外にも「精神病患者への治療効果が認められる」という研究結果や、「ADHD(注意欠陥・多動性障害)の子供が親と共にヨガの瞑想を行うことで、その症状が軽減する」という研究結果も出ています。

 

【ヨガの本質はスピリチュアルな部分にある】

462875794

これだけ、多岐に及んで様々な研究がされていますので、ヨガがスピリチュアルな分野ではなく、「健康法として認知されているのも当然」といえます。しかしながら、前述したいくつかの研究を見てもわかるように、統計的に有意な差が出ているとはいえ、対照群の数が非常に少なく、厳密な意味で客観的な研究というのは、まだほとんど存在していないのが事実です。このようなことを考えると、「本当の意味で研究が進むのはまだまだこれから」といえるでしょう。

科学的医学的にヨガが解明されていき、様々な面で活用されるのは喜ばしいことですが、「チャクラやプラーナ、すなわち気という目には見えないエネルギーレベルに働きかける」という、ヨガの本質をおろそかにしてしまい、目に見える部分だけを重視してしまう方向性には注意する必要を感じています。こうしたスピリチュアルなヨガは時として、「精神的な指導者による虐待やセクハラが問題になる」こともあり、最近ではどんどんと忌避される傾向があります。もちろん、そのような指導者には罪がありますが、だからといって、「ヨガの本質であるスピリチュアルな面」が失われないようにしていくことが必要でしょう。

Science elucidated is yoga.
Yoga essence is spiritual.

 

《ベーターくん さんの記事一覧はコチラ》
https://www.el-aura.com/writer/betar/?c=78809