ココロセラピストが語る!『人間関係の誤解』とは? ~みんなちがって、みんないい~

みんなが仲良く。 これは良い事です。 ただ、それはみんなが同一ということではないのが前提です。

たとえば、仕事についての価値観を見てみましょう。

「仕事とは、お金を稼ぐ事だ」
「仕事とは、生活を守るための手段だ」
「仕事とは、人生そのものだ」
「仕事とは、権力のピラミッドだ」
「仕事とはチームワークだ」
「仕事とは、楽して稼ぐものだ」
「仕事とは、苦労して当たり前だ」
「仕事とは、しなくてすむならしたくない」
「仕事とは、自分がしたい事をすべきだ」
「仕事とは、正社員になれば条件や職種は妥協すべきだ」
「仕事とは何を、よりも誰と、が大事だ」
「仕事とは効率化だ」
「仕事とは賃金が発生する事だ」
「仕事とはサービス残業を含むものだ」
「仕事とは出世してこそナンボだ」
「仕事は短時間で多額の利益を生むべきものだ」
「仕事とは安定だ」
「仕事とは家族をバラバラにする存在だ」
「仕事とは運だ」
「仕事とは実力だ」
etc…。

たった「仕事」という二文字の解釈も、人によっては価値基準がまったく違います。

なので、たとえば、Aさんがサービス残業を当たり前と思っている人で、Bさんが定時に帰ろうとしているのを見て「ちょっと! 帰る前に、何かお手伝いする事はありませんかと聞くのが常識でしょう?」と言ったら、どうでしょうか。

Bさんは「そんなこと聞いたら、手伝いを頼まれたら自発的に手伝う羽目になるじゃないか!」と思うかもしれません。
Aさんの気持ちもわからなくもありませんが、BさんにはBさんの予定や都合があると思いますし、そもそも何故、時間外に無償労働をしなければならないのかも疑問です。

時間内に仕事が終わらない人が問題なのかもしれませんし、時間内に終わらないような仕事をさせている人が問題なのかもしれません。

「これだから、ゆとりは……」で片づけられるほど簡単な問題では無いのです。
本来なら、そういう問題が生じた時点で、それこそ、そういうことをテーマに議題に挙げた方が良いと思うのですが、何故かそういう重要な問題はスルーしてしまうのです。

だったら最初から求人の段階で「うちの会社はこういう考え方で……」と詳細に説明しておけば入社後に揉める事も減ると思うのですが、何故か世間一般の求人票には「給与は当社規定による。車通勤可」程度の曖昧な事しか書かれていない場合も多く、入ってビックリ「聞いてないよ!」というような事もたくさん出て来るわけです。

学校もそうですよね。
入ってビックリ、変な校則だらけだったとか。
「知っていたら他の学校に行っていたのに!」と思っても手遅れです。

話し合いの余地や改善の余地があれば良いのですが、「これは決まりだから……とか「これは昔からの事だから……」と一方的な決まりがあると本当に困ってしまいます。

そこに属したら、100%その色に染まらなければならない、あるいは疑問を持つことそのものがおかしいと思っているのか。
それに価値観は時代と共に変わる可能性もあるという点も見落としてはいけません。

仕事や学校だけではなく、恋愛もそうですよね。
恋愛観も人それぞれ違います。

違う恋愛観の人が間違って付き合ってしまうと破局してしまいます。
外見重視な人もいれば、お金重視の人もいます。
血統を重んじる人もいれば、相性を重視する人もいます。

喫煙も重要な問題です。
喫煙者は煙草が好きなのです。

吸っていると精神的に安心するのでしょうし、良い匂いだと思っているかもしれません。
しかし煙草が苦手な人は、悪臭にしか感じないのです。

これは香水にも言える事ですが、臭いの個人差は大きいです。
そして、案外知られていないので敢えて強調しますが煙草の匂いで頭が痛くなったり、具合が悪くなったりする人もいるのです。
煙草が好きな人にとっては薬でも、苦手な人には毒なのです。

これを知らないと煙草の匂いで、渋い顔をしている人を見ると「大袈裟な人だ!」「私をモラルの無い人みたいな目で見て!」と思ってしまうかもしれません。

でも、それは演技でもなければモラルの話をしているのでもなく純粋に苦しんでいるだけなのです。
それを知っていれば、無用なトラブルは避けられるかもしれません。

21世紀にもなって、こんな小さな問題さえも、未だに解決していないのです。
これは善悪や正誤の問題では無いのです。
価値観の違いがあるだけなのです。

 

違う存在同士が世界を共有している

これらの殆どは自分の思い込みや先入観などがもたらした結果だと言えるでしょう。

物事に対して「自分は●●だけど、××と思う人もいても不思議じゃないよね」という認識を持てるようになると、お互いの距離感が徐々にわかってくるのではないかと思うのです。

交渉の余地が出て来るかもしれませんし、どうしてもぶつかりそうなら、敢えて距離を置く事でバランスを取ることができるかもしれません。

みんなが仲良く。
これは良い事です。
ただ、それはみんなが同一ということではないのが前提です。

程良い距離感というものを掴んでバランス良く保つ。
近づければ近づけば良いし、近づけなければ、衝突しない程度に距離をおけば良い。
話し合って第三の選択肢が出て来るなら、それもよし。
それで良いと思うのです。

同じ会社だから同じ価値観、同じ家族だから同じ価値観とは限らないのです。
お互いが尊重し合い、不要なぶつかり合いをしなくて済むように配慮する。仲良しになれなくても、敵になる必要なんてないのです。

僕たちは小さな世界に住んでいます。
だからこそ、お互いがお互いを尊重する必要性があるのです。
大切なのは相手を思い遣る気持ちです。

 

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