ココロセラピストが語る！『シンデレラコンプレックス』とは？

Mr.シンデレラ

男の話は続きます。

「俺は、自分から恋愛モードに入るとかじゃなくて、あくまでも自然な流れで恋愛をしたいんだ！
偶然の出会いから始まって、ちょっと話をしているうちに相手が自分の事を知ってくれて、興味を持ってくれて、受け入れてくれて、そんな空気が俺に伝わって来た頃、恋愛モードに突入かなーなんて思っていると、俺もだんだんその気になって来て、この子、俺に気があるのかなーなんて思っちゃったりして、気がついたら付き合いはじめちゃってたりして……」

またまた謎が深まります。その一連の流れを自然というなら、不自然すぎます。そういう流れになる人もゼロでは無いと思いますが、確率としては著しく低いと思います。

僕は別に「男のくせになんて受け身なんだ！情けないにも喉がある！」と罵りたいわけではありません。受け身な男性と積極的な女性のカップル、現実にたくさんいると思いますし、それが悪いわけでもまったくありません。それは好みの問題だと思います。
ただ、このセリフから読みとると、相手が一方的に自分に好意を示してくれるのが前提条件になっています。

俗に言う『白馬に乗った王子様』を永遠に待ち続けている少女状態です。この場合だと男女が逆転しているので『白馬に乗ったお姫様』を待っているという感じでしょうか。女性なら『シンデレラコンプレックス』と言うのですが、男性版は何と言うのか残念ながら僕は知りません。

前向きに解釈すれば、いつまでも根気強く、自分の理想の相手を探し続ける強い精神力の持ち主とも言えるかもしれません。理想が極端に高い人がいても不思議ではないので、その気持ちがわからないわけでもありません。人間には欲がありますからね。理想主義を貫くのもまた人生なのかもしれません。

『ピーターパンシンドローム』という似た言葉がありますが、こちらは理想の異性を待っていると言う意味合いよりも、大人になりきれていない全般的な要因を含むニュアンスです。ちなみに真剣に夢を追いかけている人や理想を貫いている人は別に子供っぽいわけでも、大人になりきれていない訳でもありません。それは、その人の意志であり決断です。意思を持ち決断できる人は立派な大人だと僕は思います。

ただ、このケースは覚悟とは何かが違うような気がします。むしろ、自分から異性を好きになったり、積極的にアプローチを失敗して失恋してしまった時の不安や恐怖に完全に負けてしまっていると思われます。

失敗事が怖い＝行動するヤツは小賢しい？

確かに誰だって失恋は怖いです。失恋の快感がたまらないと言う人はかなりレアな存在だと思います。ただ、恋愛ではなく他の事で考えればわかりやすいと思います。高校や大学に行きたいけれど、不合格になったらイヤだから願書を出さなかったらどうなるでしょうか。

「うわぁ。君、なんかすごいオーラを感じるよ。潜在能力を秘めているに違いない！　ぜひ我が校に来てくれないか？」

という展開にはなりません。別に進学するつもりがないのなら願書を出さなくてもまったく問題ありませんが、その道を進みたいと思っているのであれば大問題です。怖くても願書くらいは出すと思います。直球で受験するのがどうしてもイヤなら推薦枠を狙うとか、他の方法を考えると思いますし、行動すると思うのです。邪道な手段を選んで裏口入学をしたとしても願書を出さなければ入学できないと思います。

受験に限らず、たとえば画家になりたかったとします。でも絵が下手と言われたくないから一枚も絵を描いた事がなかったとします。当然誰にも見せた事がありません。そしたら誰が絵を買ってくれるのでしょうか。誰が絵を依頼してくれるのでしょうか。

「うわぁ。君、『空気に描いた見えない絵』という作品を作ったんだね。なんて芸術的なんだ！」

という人は残念ながら現れないのです。これでは自己実現できないのです。

「何か行動を起こす＝小賢しい」ではなくて、それは正攻法なのです。自分自身をアピールしない事には何も始まらないのです。小賢しいと言うのは、ズルかったり、利口ぶったりする事です。自己アピールの事ではありません。