マスク依存症とは?
『マスク依存症』という言葉を最近よく聞くようになりました。マスク依存症とは、言葉通りでマスクに依存している人たちの事だそうです。
一般的にマスクと言うのは、風邪をひいた時、周囲にくしゃみやウィルスを撒き散らさないように配慮でつけるものです。もしくは花粉症などの人が花粉を吸い込まなくて済むように予防の意味合いでつけます。
通常と違ってマスク依存症の人たちは、とにかくずっとマスクを着用しているとホッとしたりする。安心考えられる。マスクを外さないと落ち着かない……といった症状(?)を指すそうです。
ただ、僕が知っている限りでは正確な定義ではなさそうです。「言われてみれば、マスクをつけている人多いよね……」という感じで、そのような呼称が定着したのでしょう。
マスク依存症の心理とは?
マスク依存症という言葉からわかるように、これは良い意味で使われているわけではなさそうです。だとするとネガティヴなイメージがあると思うのですが、その辺りについて一緒に見て行きましょう。
そういえば昔『MASK』という映画がありました。ジム・キャリーが主演で、キャメロン・ディアスがヒロインのコメディタッチのヒーローものです。かなり面白いのでお勧めです。
冴えない主人公が木の仮面を拾って身につけると、なんとビックリスーパー・パワーを手に入れることが出来るのです。普通のヒーローものと違うのは、このマスクを使うと性格がガラリと変わってしまう事です。気の弱い主人公が、超がつくほど大胆かつアクティヴに変身するのです。
どうやら、この仮面をかぶると[別の自分]になってしまうようです。主人公はその[別の自分]に魅力を感じてどんどん仮面を使い始めてしまいます。
この映画のマスクは花粉症のマスクではなく、仮面(かぶると緑の覆面になる)です。しかし、マスク依存症との共通点もあります。
つまり自分をさらけ出す事を怖れ、顔を覆って自分らしさを隠してしまいたいという心理です。マスクを着用したら別の自分に変身できると言うわけではありませんが、自分の素顔や表情を隠せるので身を守れるような気分になるのです。
できることなら今の自分ではない別の自分として外の世界でふるまいたいという気持ちもチラホラ見え隠れしています。
映画『MASK』との大きな違いは、身につけてもパワーアップしないことです。大胆にもなりません。違う自分として好きな事をやれるというわけでもありません。しかし重要なのは自分という存在を隠して活動できると言う事です。
自分自身を隠していたいと言う事は、良い方を変えれば、必ずではありませんがコミュニケーションを避けたいと言う願望が隠れているとも言えます。
子供の頃、クラスメイトを街で見かけたことがあります。その時、彼はそんなに寒くもなかったと記憶しているのですが、マフラーをぐるぐる巻きにしていました。ウォークマンを聞いているのか、イヤホンを身につけていました。
後日学校で彼に会ったときに「そういえば、この前、街で見かけたよ。ところで君は何の音楽を聞いていたの?」と話しかけました。もちろん深い意味はなく、純粋に自分以外の人がどんな音楽を聞いているのか興味があっただけです。