ココロセラピストが語る! 『怪しい心理テスト』とは?

心理テストは楽しいモノです。しかし、場合によっては危険な(嘘っぽい)モノでもあります。心理テストをする時は、楽しむことを目的として遊び感覚で行う事をお勧めします。

 

次に、そもそも心理テストに根拠など無いという点です。

これは心理学者が作ったとしても同様の事が言えると思います。「心理学的に作ってあるから……」と言われると、何となく信じてしまいますが、そもそも「心理学的に」の根拠も実は怪しかったりします。

心理学はもちろん立派な学問だと思いますが万能視し過ぎるのは危険です。どちらかといえば「可能性が高いカモね……」みたいな話を真剣に考えるのが心理学と思っても良いのではないかと僕は思っています。

たとえば色彩心理の話をすると赤は情熱的で性的アピールをしていて、狂気の色でもあります。

心理テストに「あなたは赤を選んだので狂気が強まっているかもしれません。くれぐれも犯罪をしないように気をつけて下さい」という回答があったら「え?」と思いますよね。情熱的な人は狂気に満ち溢れた人なのかと言えば違いますし、性的アピールをしていると狂人なのかというと、決してそんなことは無いわけです。「……という一面もあるカモしれないね……」程度の話なのです。

それに、もしかしたら、たまたまその時寒かったから暖色である赤のイメージが浮かんだだけかもしれません。

ちなみに僕は心理学という学問を否定しているわけではありません。とても楽しい学問だと思います。ただ、くれぐれも絶対視しないで欲しいと思っているのです。人間の心はそんなに単純ではないのです。

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ニセ心理テスト

せっかくなので、ニセ心理テストの話をして話を終わらせたいと思います。

僕は心理テストがなんだかんだで好きなので、見つけるとついついやってしまいます。お手軽、簡単、便利、興味深い。人間と言う生き物はつくづくそう言うモノに弱いなと思います。僕だけかもしれませんが……。

設問はこうでした。(※一部変更してあります)

「次の1~6の図の中に、それぞれ数字が隠されています。その中から、数字が読み取れないモノ、もしくは読みづらいモノを1つ選んでください。そこにあなたのまだ気づいていないキャラクターが隠されています!」

図の中に数字が隠されているのを読み取るという、これだけでエンターテイメント性が高く楽しそうです。ちゃんと数字が読み取れるだろうか。ちょっとドキドキしてきますよね。

僕は指示に従い、数字が読み取りづらい「5」を選びました。結果によると僕はどうやら同性に人気があって、しかも僕自身は同性愛者かもしれないそうです。

同性に人気があるのは良い事ですが、残念ながら僕は同性愛者ではありません。今後、そうなる予定もありません。どうも納得できないと思いながらも他の回答も見てみました。

ちなみに1~6の回答(心理分析?)は以下の通りです。

1. 落ち着きが無い。ADHDの疑いあり!

2. 知能に問題アリ。IQが一般人より低い!

3. 社会、家庭などに不満、不信を持っている!

4. 衝動の抑制が困難。暴力的な傾向がある!

5. 同性に人気がある。同性愛者!

6. 精神分裂症の疑いあり!

これらを見るとわかるのですが、どれも悪意が込められています。制作者は面白おかしくしたかっただけかもしれませんが、中には真に受けて信じてしまう人もいるかもしれません。

そもそも、図を1つ選んだだけで病名をつけられたり知力を疑われたりしたら、たまったものではありません。

余談ですが「6」は恐らく「統合失調症」の事を指しているのだと思います。「精神分裂症」とサーチエンジンで検索をかけると、中国語の文献しか出て来ませんでした。僕が知っている範囲では少なくとも日本語では精神分裂『症』ではなく精神分裂『病』で記憶しています。ちなみに現在では、「精神分裂~」という言葉は使われていません。

この心理テストの製作時期は不明ですが「1」で「ADHD」という言葉を使われているので比較的最近のモノだと思われます。そのように考えると制作者は医学的知識も乏しい人が作ったであろうことがわかります。

あからさまに怪しいのを前提にネタとして僕はFACEBOOKにこの心理テストをアップしました。もちろん「真に受けないように」と強調しました。

すると、コメントを下さった方がたくさんいらっしゃったのですが、僕同様「5」を選んだ方が多かったようです。しかし、僕が知る限り回答者さんたちに同性愛者(と思われる方)はいませんでした。

しばらく放置していると親切な眼科医の方が真実を教えてくれました。

「これは心理テストでは無い。ただの色覚検査表だ!」

やぱり、この心理テストはウソだったのです。

心理テストは楽しいモノです。そして場合によっては危険な(嘘っぽい)モノでもあります。心理テストをする時は、楽しむことを目的として遊び感覚で行う事をお勧めします。「確かに言われてみればそういう一面もあるかもしれないね!」と笑って済ます程度が良いでしょう。
もし、自分自身という存在を本気で詳しく知りたい場合は、安易な巷に出回っている心理テストでは無く、信頼できる専門家に相談してみて下さい。

 

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