狂気・有名な恋愛パワースポット神社の神様 — 神社巡りこぼれ話~良縁を望むなら

その神様が悪いわけではないのです。

パワースポットと言われる神社は沢山ありますが、皆様は手を合わせた時に何を願いますか?
北海道各地の神社をめぐる旅の中で出会った神様のお話をお伝えしつつ、スピリチュアルにまつわることをお伝えしている「神社巡り」シリーズ、今回は全国的にも有名な観光地にある恋愛パワースポット神社の神様のお話です。

 

欲で膨れ上がり、狂気に囚われた神様

そこは全国的にも有名な観光地で、その神社は「恋愛のパワースポット」としてTVや雑誌で何度も取り上げられているのだそうです。
今は北海道の観光シーズン真っ盛りで、きっと多くの観光客が訪れている事でしょう。

私は実はスピリチュアルにはそれ程興味なく生きて来たので、そう言った情報に疎く、その地域一帯の神社の一つとして訪れました。
良くない神がいる神社でよくある事ですが、カーナビが狂わされ、やっとたどり着いた神社は、土地自体に御神気が感じられない場所でした。
これのどこがパワースポットなのかさっぱりわからないと思いつつ、車を降りようとすると、その神社の主が大声でがなり立てているのが聞こえてきました。

「俺様を敬え~~~!! 崇め奉れ~~~~!! お賽銭を沢山よこせ!! お守りもお札も沢山買え~~~!!」

私達が社へ向かい参道を歩くと、
「お前達は何者だ!! 何しに来た!!」
と、怒鳴り出しました。

姿形は大黒天さんに似ていますが、肌の下の脂肪が醜くゴワゴワして見える程ブクブクに太り、膨れ上がっています。
白い肌が垂れ下がり、着物の間から醜くはみ出て、立派な衣がかえって醜悪さを際立たせていました。

「来るな!! 来るなら金を沢山払え!! お守りを買ってこい!!」

その神の後ろには暗闇の中に真っ黒い大ヘビがとぐろを巻いているのが見えます。
私が賽銭箱の前に立ったその時、目の前に火の神が降り、炎の浄化でも間に合わない程穢れた「かつて神だったもの」を大ヘビごと滅してしまいました。

 

神を狂気に走らせる「身の丈を超えた欲」

炎で滅せられて行く時に、その神のかつての姿が見えました。
そこは山深い田舎で、観光地として注目されるまでは穏やかなのんびりした神社でした。
その神も氏子達を気遣い、人々がお参りに来るのを楽しみにしていたごく普通の神だったようです。

けれど、その神の世界が一変します。
マスコミの力によってその神社に観光客が沢山押し寄せました。

(画像はイメージです)

その「願い」、というより、身の丈を超えた「欲」は、神にとって穢れとなり、氏子達の恐れ敬う気持ちによって浄化されるのが間に合わないほどでした。
欲がその神をブクブクと太らせ、正気を失わせて行ったようです。

より醜悪な欲を持つ者ほど汚れた気でお賽銭をはずみ、お守りやお札を買い求めます。
かつてはその土地に住む者達の神社だったのに、その神の意図とは全く別なところで有名になり、もてはやされ、沢山のお金が集まるようになったのです。
そう言う欲深い者が多く訪れる場所には魑魅魍魎(ちみもうりょう)の化身である蛇が居つくようになります。

その神が叫んでいた言葉は、お参りに来た者達の欲が溢れ出たものでした。

 

「願い」と「欲」の違い

以前「パワーストーンのためのホリスティック健康相談②―石の気持ちになる?」という記事に書いたことがありますが、幸運を願いながら、現実では全く辻褄の合わない行動を取っている人が沢山います。

良き縁に巡り合いたいなら、良き縁に見合った自分になるよう努力する必要がありますが、綺麗な良き心でより良き自分になろうとするのではなく、「良い縁に巡り合うため」という「欲」から自分磨きをする人が多いのです。
その神社に行くのも、神を畏れ敬うためではなく、身の丈を超えた良い縁を望む「欲」からです。

仮にあなたが神だとして、「ちょっとこの人はお勧めできないな」という人と誰かの縁を結べますか?
良き相手との縁がふさわしくない人に、良き縁が結ばれる訳が無いのです。

そのブヨブヨな神はきっとお人好しだったのでしょう。
欲深い人間の願いを「分不相応だ」と無視できず、全て身に受けてしまったのかもしれません。

今ではその神社には別な神が降りていらっしゃいます。
けれど今度は「欲深い者は容赦しない」神様なので、どうかお気をつけくださいね。

 

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