神社カフェ発信 タロットについて 9「力」〜変容をもたらし、新しい状態を予感させる

占いの感性は、秘められたものに触れる感性であり、陰的な「明確な形を持たない感性」そのものであり、その根源力を感じることによって、少しずつ感性の開発ができていくのです。

東京新宿区 高田馬場にある「占いカフェ 神々の森神社カフェ」からの、タロットカードについての発信です。今回は「力」です。

タロットカードは、15~16世紀のイタリアに突然現れた神秘のカード。
そして「神々の心のタロット」は神々の森神社カフェが発行しているタロットで、西洋のタロットと、日本の霊性に基づいたタロットがセットになっています。

タロットは、親しみやすそうな外見と裏腹に、使いこなすのは意外に難しかったりします。
その根源的な理由として、タロットはヨーロッパ文化の影響が大変大きいことがあります。
そのため、一度、人類の神話や精神性まで深掘りし、日本や世界の、普遍的な霊性、精神性からも考察することで、初めて掴めるのです。

 

—力のイメージ— 変容をもたらし、新しい状態を予感させる

「力」とは、全てを動かす力を表します。そして、神秘学と呼ばれる、一連の魔術・呪術・儀式などで、非常に重視される考え方です。
神秘的な力が働く時に、その物は全体的に変容し、新しい状態を迎えるのです。

これを成り立たせる女神が、「力の女神」と呼ばれる存在であり、タロットにもライオンを征服する女性が描かれています。色々な文化で魔術的性質を持った神格でした。

 

古来日本では言葉の「力」で、遠い神々とのつながりを感じていた

神々の心のタロットには、トホカミヱミタメという神言が載っています。
遠い神々の恵みを賜る、と漢字では書かれることもある、日本の非常に古い言葉として伝承されてきました。

トホカミ講という名称で、この言葉を繰り返し唱え、力を発揮するような活動が明治以前の日本では大きな流れを作っていました。

神言、真言、言葉の力というものが、世界中のあらゆる精神的な道で、重視されています。
遥かに遠い神々と力において繋がっており、その根源的な力、動物的な力と私たちは常に繋がることができ、変化を起こすことができる、ということです。

【19世紀 江戸時代 宗許状(しゅうきょじょう)個人蔵。右端二行目「トホカミエミタメ」この言霊の力を正しく使えるようになった、という許可のような意味合いも含む】

また、この言葉の発生としては、トホカミ(遥かなる女性が)エミタメ(子どもを産んだ)という、日本語の古語における女性の出産力をあらわす言葉だという伝承もあります。
産出力と動物性こそが、力と変容の根源なのです。

 

世界において「力」は女性神との関わりが深かった

そして、この「言葉の力」というものそのものは、呪術的な世界では、力の根源を司る女性の形でイメージされてきました。

仏教においては、般若菩薩という女形の神は、真言の力を呼び起こす根源的な神格です。日本で最も読誦される経典である、「般若心経」の最後の段、「ガーテーガーテーパラサンガーテーボディスバーハー」は、そのまま般若菩薩の変容の力の発揮であると捉えられます。

【般若仏母像 14世紀 インド・ラダック地方】

日本の仏教・神道においては、稲荷大明神は非常に力を持ち、外の力と繋がって変化を呼び起こす、魔術的な儀礼を伴う神格です。その尊厳においては老翁の形で現れますが、不可思議な力の働きにおいては女形であらわされる神格であります。
これは、仏教のダキニ天と同体と考えられ、複合的な女性の像として描かれます。
このダキニ天は、もともと、ヒンドゥー教においてはヒンドゥスタン魔術の根源神であり、あらゆる精神による変化を引き起こすものなのです。

左 【荼吉尼天曼荼羅図 室町時代 大阪市立美術館】
右 【ダーキニーとカーリーの像 インド・ベンガル州の祭典より】

西洋魔術において、その中心に置かれるバフォメットの像が、両性具有ですが、どちらかというと女性を思わせる姿であることも想起されます。
シュメール文明での力の女神イシュタルは、戦争の女神とも言われますが、あらゆるものを変容させてしまいます。その結果として、あらゆるものの真の姿を見せる女神です。

左 【バフォメット像 ヨーロッパ 17世紀の魔術書より】
右 【イシュタル像 紀元前19世紀ごろ イラン出土】

力の女神によって、全てが成り立っている。その女神の力が働くところ、全体的な変容が起こる。そういった伝承を持つこの女神は、さまざまな変奏と共に、たくさんの文化で見られるものです。

 

Strength、力とは「根源となる感性」を感じることでこそ、その強さを増すもの

さて、こうした力というのは一体なんなのでしょうか。
結論からいいますと、それは占いによって体感することができます。

占いの感性は、秘められたものに触れる感性であり、陰的な「明確な形を持たない感性」そのものであり、その根源力を感じることによって、少しずつ感性の開発ができていくのです。
陰的な力は、そのまま全てを受けとめ、産出していく、基盤となる力です。

しかしながら現代は、明らかにそれとわかる、陽的な感性の強さが際立っている世界です。
そのため、拙速、表面的、刹那的な力の発揮が目立ち、ほんとうの意味での変容や力の発揮が難しいのではないでしょうか。

そうした中で、占いに触れることによって、本質的な変化を起こす力を体感することができ、身につけることができると思います。そしてそれこそが、時代の流れに翻弄されない、大きな流れの中での、一人ひとりに課せられた生き方を見つけるための、一つの方法と思っています。

神々の森神社カフェの「神々の心のタロットセラピスト講座」は、まさにそうした講座です。
ご自身を占い続けていくことで、力の根源と繋がった、全ての変化が始まります。

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