一日一話、心に灯をともすショートストーリー:大人の象はなぜ逃げない?~The Elephant Rope(3)~

私たちは周りの人の活躍や成功を目にすると、自分にはとても無理だと思いがちです。ときには嫉妬したり卑屈になったりすることもあります。そんなとき、私たちは細い縄で自分を縛り付けてしまっているのかもしれません。

ある日、男は象のそばを通った時に急に立ち止まりました。
象は前足を細い綱でつながれているだけで、鎖も檻(おり)もありません。

こんなに大きい図体をしているのだから、いつでも縄を引きちぎって逃げることはできはずです。
それなのに、一頭たりとも逃げようとはしません。

男はこの事態に困惑し、そばにいた調教師に尋ねます。
「どうしてこの象たちは突っ立っているだけで、逃げようとしないのですか」

すると、調教師は「今よりずっと小さい子供のころから、今と同じ太さの縄につないでいました。
その時期には、この太さの縄で充分つなぎ留めておくことが出来ました。
そうすると、彼らは大きくなっても、縄をちぎることはできないと信じ込んでしまうのです。
縄は自分たちをつなぎ留めることが出来ると信じているので、逃げようなどとはこれっぽっちも思わないのです」と答えました。

 

男はそれを聞いて衝撃を受けました。

この象たちは自由になれるにもかかわらず、自由になれないと信じ込んでいるため、この場所に自分を閉じ込めしまっているのです。

私たちの中にも、1回失敗したくらいで私にはこれはできない、と信じ込んでしまい、その思い込みから抜け出せずにいる人がどれだけいるでしょうか。

失敗は学びに組み込まれています。
私たちは人生の課題をあきらめてはならないのです。

出典:https://www.livin3.com/5-motivational-and-inspiring-short-stories