KUSAKA SAVIOUR 新訳~日本神話~PART 9 さよならセリナ 前編

みなさんこんにちわ! ともくんです! ついに先日から始まりました!  トリニティ連載の新しいシリーズ 古事記や日本書紀などの日本神話のさまざまな謎や真相多くの知識を得てゆけるフィクション小説 「KUSAKA SAVIOUR 新訳 ~日本神話~」第9話をお送りしたいと思います。 さまざまな古代の神話の物語が現代によみがえる…… (注※物語はフィクションです。登場する人物 場所は一部の場所を除き実在のそれとは一切関係ございません。 物語としてデフォルメし対応させてわかりやすく描いてあるので続きを期待していてね♪)

日本神話の隠された事実を学べる連載小説!

~あらすじ~

昭和東京オリンピックの日、主人公ちい子は川のほとりの神社で謎の青い瞳の少女に出会う。
ちぃこの息子テルヒコが生まれ、学生時代より謎の夢に導かれるようになってゆく。
照彦のいのちをかけた岩戸ごもりライフがスタートする。そんなおり、少女と少年は邂逅を果たす―!
すべてをすてた照彦は彼女の手をつかむ。「君の、名前は……セリナ」
少女と少年は誰も知らないふたりだけの世界で永遠に暮らすことを誓うのだった。
だが夢のような時間は、すぐに砂のように奪われてしまう……。

※原作 ともくん 小説のキャラクターデザイン※作画  トム/白ノ希望/あらら

 

KUSAKA SAVIOUR 9話 さよならセリナ

日下部の霊異

「おはよう……」
呼びかけに似つかわしくない声で、少女がテルヒコを今日も起こした。
テルヒコはよくよくかんがえたらちゃんとした形で女性と恋愛をしたことがなかった。
そもそも女性体験というのがない。テルヒコそのものが恥ずかしい話、女性とどう接していいのかわからない。
もちろん、まったくかかわりがないわけではないが、そこから先に恋愛をしたことがないのである。
なぜならば、たとえばキスしようとすると、なぜか意味不明の吐き気に襲われ、それが女子の心を害してしまう。
年上から照彦は圧倒的にかわいがられることは多かった。母親やお姉さんタイプの女性が彼をほってはおかないのである。
何とかして協力してあげようと思わせる雰囲気が、出ているからだろうか。照彦は無自覚だった。
だが彼にとってもそういう女性は最初は好意はなかったがだんだん自分の知る誰かと重ねてしまうことに気づいた。
それは誰だろうか。照彦もよくわからない。
だが、その人物と女性を比較してしまっているのだろうか。何かの意志が入り恋愛はうまくいかない。
自分は何か屈折した不思議なパワーに妨害され、女の子と添い遂げられない、触れられないようにされているのでは?
本当にそう思うくらい、面白いほどの女性とスルスルするっとところてんをつかむように照彦は関係を持てなくさせられてきた。
このスルスル感、スルスルだぜっ、まるっとスルッとスルスルスルッと
「ごめん、照彦君とはお友達でつきあいたいの」そう、スルッと照彦というあだ名まであった。
誰なんだ、スルッとさせたスルッと仙人は。察しがつくようなつかないような。そういうもやもや。
僕、呪われてるのかな? いいやたぶん照彦の持つオーラが関係していると彼には思えた。
いや何時間悩んでも、理由はわからなかった。

けして相手が嫌いなのではない。なぜだか、である。相手に申し訳なくなり謝ろうとすると破局。
車の中で仲睦まじくなると、相手がそもそもこちらとは本気ではないことが発覚しテルヒコが立腹。
とか、なんだかいい雰囲気になった女の子とは、先のように夢に蛇が現れ女の子たちは一気に失踪。
ましてあんなに連絡を取り合っていた姉ユキも、蒼い蛇が登場してから
いきなりの音信不通……蛇がテルヒコと絡むと、確実に相手にトラブルが起こっているのを見越してか
縁を切らせようとしている。また、事故にあいそうになった時も、見えない力がテルヒコを襲いロープで縛られ動かされ
助けられた。よくよく振り返ったら、テルヒコと恋愛しかけた女性のほぼ90パーセントが
なぜか真っ黒い長髪に日本人形のような似たような顔立ちの日本的な女性。
別にそういった女性が好きなわけではない。むしろ、こういう体験を繰り返すうちに女性の嫌な面を見せつけられるようになり
女はそういうものだから……とだんだんと恋愛などはしないようになっていき、次第に興味が消失していった。