KUSAKA SAVIOUR 新訳~日本神話~ PART2 東京オリンピック

この物語は、「あの世」といわれる不思議世界が、ふしぎなことではなくて 誰でも一般的に行き来することができ だれでもコンビニに行くように遊びに行けるようになった 、 ほんとうに最近の未来のお話。

日本神話の隠された事実を学べる連載小説!

みなさんこんにちわ! ともくんです! ついに先日から始まりました!
トリニティ連載の新しいシリーズ

古事記や日本書紀などの日本神話のさまざまな謎や真相多くの知識を得てゆけるフィクション小説
「KUSAKA SAVIOUR 新訳 ~日本神話~」第2話をお送りしたいと思います。
さまざまな古代の神話の物語が現代によみがえる……

※原作 ともくん 小説のキャラクターデザイン※作画  トム/白ノ希望/あらら

 

KUSAKA SAVIOUR 2話(母と子)

その日の夜急な金縛りというのに人生初なった。

これが金縛りというんだ。
本当に動きたくても動けない。

すると、急に私はうたたねをしていたようで……

そんなことを毎日夢に見るようになっていた。

のちにその土地のことを調べて分かったことだが、淀姫というのは

佐賀県を中心に祭られている謎の姫神であるという。

神功皇后の妹とか、トヨタマヒメといわれているそれが

いったいあの子だったのかどうかは、一切わからない。

そもそも、鬼とはどういうことなんだろうか? 土地に根差した鬼退治伝説も

私が子供のころは聞いたことがなかったが、土地の図書館のお姉さんの仕事をしてのちに知った。

「一体あの女の子は何だったの?」わからないけど、ご先祖様のようなものなのかな。

あの少女時代の思い出。みなさん、混乱させてしまって

ごめんなさい。

私の名前は日下部千里(くさかべちさと)といいます。ちい子ってのは私の名前。

いまでもみんなにはちいこっていわれるけれど

さっきまでのことはわたしが子供のころのお話。

最近当時のオリンピックのことが

毎日の夢で出てくるのです。

こうして電車に載っている時も

それを思い出してしまって……。

あまりにインパクトが強かったから

そのことはよく周りの人に話して言っているのだけれど

子供のころは松浦川で鉄道を止めてしまったり

川でガキ大将の足を引っ張ったり遊んでいたっけなあ。

今日は主人が生まれる息子の哺乳瓶やおむつを買いに行こうっていうのだけども。

30中半で子供が生まれるっていうのもおそすぎかな……。

そうよ、あの時のお話。あの時であった少女は、果たして本当にあの川の

精だったのか? いまも思い考えたりする。

そう考えるとロマンチックに思えてきて。

ただ、あそこにいった後で私は一度もあの子に会っていなくて

誰もあの子のことを覚えていない。私に生まれる子供のことを

大切に育てていけって、神様が教えてくれたのかしら……。

でも、そんなことを少女に言ったからってわかるわけがないじゃない。

そういいながら駅のホームを降りていくと

あの人が私を待ってくれていた。

 

我が家の太陽

「俺たちの子、名前なにがいい? 時代を先駆けるという意味で隼人とか」

照彦がいいわ。新聞欄に子供のことを我が家の太陽ちゃんとかいうじゃない。世の中を照らしてくれる、そういう人名前負けしそうな気もするけどね」

「かあちゃんがいうならば、俺は賛成だ」

「これからはかあちゃんか。本当にさみしいものね。

松浦の実家にはまた帰らないと」

籠鳩(ことば)という土地に住んできたうちの先祖は

日下部家をこの土地に根ざす開拓者として

百年位前からここでひっそりと暮らしている。

わ たしたちの実家は何の変哲もない普通の家だが

なんだかもうひとつの親戚である旧家のほうと

血縁を結ぶように実家の母と父がせかしてきて。

うちの一族の地が濃ゆくて絆があるほうがいい。

ほんとうにとてつもない田舎だわここは。

でも、きっと生まれてくれるこの子が

「テルヒコが私たち夫婦の間を明るく照らしてくれるはず」

その18年後、テルヒコは帰らぬ人となる。

俗世間で言う「社会的死」

その息子は18歳で、世間的には死んだ。

だが彼のもう一つの自我は、18歳の時から目覚めることとなるのである

「まさかこんな子供を私たち夫婦は産むことになるとは

そしていまのふつうの主婦の私が

数年後、数十年後あんないきかたをすることになるなんて……

いまだ一切想像がつかなかったのよ」

1991年のあるとき、その子は産声を上げた。

育児保育室でその子のひだり胸に北斗七星のほくろがあった

その男の子の名前は日下部照彦(くさかべてるひこ)といった。

世界の闇に抹殺され、再びよみがえった

のちに日下部千里という一人の女が発見するシステムクサカセイバーの”鍵になる少年”である。

来るべき日のために照彦の地獄はこの日 から始まったのであった。

「これはそんなわたしたちの長くて果てしないような

そういういままで誰も聞いたことのないような、そんなおとぎ話です。

ちょっと思い出話のようで、さっきまでの意識の欠片のように見えるかもしれないけれど

よければちょっとつきあってもらえないかな。そのいまも続いている思い出話に  あの子にまた逢いに……!」