日常生活の中で簡単にできる「身近な開運術」をお届けしています。
連載39回目のテーマは「仏像の涙」です。
展示されていたすべての仏像が泣いていました。
私たち人間に代わって、泣いてくれているように思いました。
今回、興福寺(奈良県)の国宝館に収蔵保存されている仏像を拝見したのは、東京都や大阪府へ緊急事態宣言が発令された初日の4月25日です。
すべての仏像が泣いてる姿を見るのは、初めての経験で「地球規模で緊急事態」だと思いました。
過去、仏像が泣いているお姿を拝見したのは、2020年7月、東寺(京都府)に安置されている二体の仏像「大日如来(だいにちにょらい)」と「薬師如来(やくしにょらい)」です。
東京オリンピックは一年延期が決定されて、1回目の緊急事態宣言明けでしたが、泣いていました。その後、コロナは終息することなく今日に至ります。
Q1:
訪れるきっかけは?
A1:
夢に興福寺の阿修羅像が現れたからです。
話かけられることはありませんでしたが、じっとこちらを見て、何か訴えているような表情をしていたからです。
この夢を見てから程なくして、大阪出張が決まりました。滞在中に奈良の興福寺を訪れることができました。
興福寺国宝館は、食堂(じきどう)僧侶が食事をする建物が建てられていた場所に、昭和34年鉄筋コンクリート造りの文化財保存収蔵庫として開館しました。
館内には旧食堂本尊の千手観音菩薩像(国宝)を中心に、興福寺の歴史を伝える国宝や重要文化財の仏像などが展示されています。
※パンフレットより一部引用。
国宝館の入り口で入場料(700円)を支払い 中へ進むと、弥勒菩薩半跏像(みろくぼさつはんかぞう)が、ガラス越しで静かに出迎えてくださっていました。
目の前にして、静かな気持ちになり、手を合わせてしばらくその場に居ました。
すると、弥勒菩薩半跏像の涙袋がうるうるとしていました。
はじめは「ライトのせいかな?」と思い、角度を変えて眺めてみましたが、やはりうるうるしていました。
この時、他の見学者はおらず私だけでした。
そこで見学者が来るまで少し待ってみることにしました。
しばらくすると、若者二人がやってきて見ていましたが、特に驚くこともなく、その場を後にして次の展示場所へ移動していました。
私は心の中で「泣いているよ。なんで気がつかないの?」と不思議に思いましたが、その後にやってくる人たちも、特に驚いた様子はなく、普通に見学していました。
金剛力士立像(こんごうりきしりゅうぞう)、「阿形(あぎょう)」と「吽形(うんぎょう)」を拝見しても、うるうるとして泣いていました。
怖い表情をしているのになぜ泣いているの? と、とても不思議な感覚になりました。
千手観音菩薩立像(せんじゅかんのんぼさつりゅうぞう)に関しては、泣いている姿は圧巻でした。
高さ520.5㎝。13世紀・鎌倉時代に製作され、火災や明治時代の廃仏毀釈(はいぶつきしゃく)で壊されることなく現存するご本尊です。
※パンフレットより一部引用。
高さもさることながら、お顔を拝む時には、見上げるので、うるうるして泣いている表情はとてもリアルに伝わってきました。
千手観音の手には「ハンカチの代わりになるものは握っていないのかな」と探して見ましたが、やはり手には持っていませんでした(当たり前ですね)。
「今の世の中の状況に泣いているのか?」もしくは「ちょっと先の未来に泣いているのか?」分からないので、尚リアルに感じてきます。
Q2:
仏像が泣いている姿を見て何を思うのか?
A2:
人間の傲慢さへの嘆きと、誰も止めることができない状況に涙しているのかなと思いました。
声を出さずに顔の表情を変えずに泣いているのは、とてもリアル。
なんと言えない気持ちになりました。
Q3:
具体的にその涙が意味することは?
A3:
わかりませんでした。
私自身へのメッセージであれば、すでに夢の中で「具体的にどのように行動すればいいのか」教えてくださっていると思います。
ですので、仏像が泣いているお姿は、世の中に対してのメッセージだと受け止めております。
釈迦如来像(しゃかりょらいぞう)頭部に関しては、現存しているのは「頭の部分のみ」。
正面から拝んでいると、やはりうるうると泣いている姿は、なんとも言えない気持ちになります。
「お釈迦様は、なぜ悲しいのか? いつの時代のことを悲しみ嘆いておられるのか?……」さまざまなことが頭に浮かんでは消えてゆくを繰り返していました。
さて、阿修羅像はどうだったのか? というと、千手観音菩薩立像と向かい合わせになるような感じで安置されています。
大きさも148~155.4㎝とても小柄です。
大きさに幅があるのは、八部衆(はちぶしゅう)立像の内の一体で、阿修羅像の他に七体まとめて安置されているからです。
八部衆はインド神話に登場する神々で、仏教に帰依してその守護神になったそうです。
※パンフレットより一部引用。
興福寺の阿修羅像のお顔は三面とも、少年の優しい表情をしています。
インド神話に登場する戦闘の神様として、仏教に帰依して守護神になった阿修羅。
※パンフレットより一部引用。
お顔を拝見していると、奈良時代、権力争いなどから身を守り、平和な世の中になるように、願いを込められているように伝わってきます。
阿修羅像もやはりうるうると泣いていました。少年の表情なので、子供が泣いているように見えます。
なぜ泣いているのか? 疑問を持つ前に、子供が泣いている姿は「悲しい」の一言に尽き胸が痛みます。
今年も5月に入り、2021年の前半が過ぎようとしています。
後半は、世の中の動きがどのようになっていくのか? この日拝見をした仏像の涙が「歓喜の涙」であって欲しいと願います。
悲しい涙が現実となりませんように。
お祈りしています。
ガンバルあなたの毎日が開運しますように
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トップ画像(興福寺東金堂〈国宝)と五重塔〈国宝〉)提供/ウィキペディア