手軽な無洗米〜その味は? 栄養価は? 意外と知られていないその姿

今まで無洗米だからといって、敬遠してきた方は、この機会に一度チャレンジしてみてください。その手軽さと味に驚くかもしれませんよ?

【日本人の酢食】

私たち日本人の主食といえば、「お米」。一時期に比べると、パンやパスタといった食品にシェアを奪われ、さらには炭水化物抜きダイエットなどの流行から、どんどんと消費量も減ってきていますが、やはり主食の地位は揺るぎません。

昔は「お給料の代わりだったり、税金の代わり」となったり、日本の農作物のまさに王道であったお米ですが、その食べ方というのは基本的には変わっていませんでした。そこに新しい手法が産み出されたのは「1991年」のこと。「東洋精米機製作所」によってお米を研がずに食べることができる「無洗米」が登場しました。

 

【お米を研ぐという行為から解放】

お米を食べるためには、さまざまな手順が必要です。その中で、家庭でも必須のものとしては「お米を研ぐ」という行為があります。お米を炊く前に、水で洗うことで付着している糠を落とさないと、美味しいご飯にはならなかったのです。

お米を研ぐというのは「手間であり、時間もかかってしまう」ために、以前から無洗米の研究は行われていました。しかしながら、「効率よく糠を取り除く方法」の開発は難しく、無洗米としてある程度は出来ていても「味が悪かったり、栄養価が低下する」という問題点を抱えていたために、ようやく実用に耐えたものが完成したのが、前述の「1991年」だったわけです。

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【四半世紀が過ぎ、認知度の上がった無洗米】

それから25年あまり、四半世紀がたった今では無洗米は認知度を高めており、スーパーなどでは、「お米売り場の3割程度を占める」までにいたっています。これは、無洗米が「忙しい現代人の生活にぴったり」だったということや、「手荒れを出来るだけ防ぎたいという女性の気持ちにあっていた」ためかもしれません。

 

【無洗米は栄養価が低い?】

そんな無洗米ですが、誕生からこれだけ長い時間がたっているにもかかわらず、意外と知られていないことが多いものです。例えば、「無洗米は一般的なお米に比べて栄養価が低い」という説があります。これは、糠の部分をしっかりと取り除くことで、栄養価が低下するというイメージがあるためでしょう。実際、精米したお米に比べると、玄米の方が栄養化が高いために、この言説は比較的真実味があります。

しかしながら、実際のところ、人間が手でお米を研ぐよりも無洗米を製造する過程の方が安定して糠を取り除いているために、お米の研ぎ具合にもよりますが「一般的な研ぎ方と比べると、無洗米の方が栄養価が残って」います。また、無洗米の作り方にもいくつかの方法があるのですが、水を使わずに糠を取り除く手法の場合は、「水溶性のビタミンなどが失われない」という利点もあるのです。

ただし、この栄養価の差というのは、白米と玄米に比べると誤差のようなものであり、無洗米の方が栄養価が低いということはありませんが、玄米のように食べたからといって明らかに差があるというほどではありません。要するに人間が洗ったものに比べるとばらつきが少ないというのが利点ということです。