人間の守護者であり、予言の力を持った偉大なる存在プロメテウス

なぜ、これだけプロメテウスが人間に肩入れするのかという理由ははっきりとわかっていません。巨大な神の一族でありながら、取るに足りない人間を常に守護したことから、そもそも「人間を創造したのはプロメテウスではないか」という説もあるほどです。

このことで怒ったゼウスは「人類から火を取り上げて」しまいました。火を取り上げられた人類は滅亡の危機に瀕したのですが、またプロメテウスは一計を案じて「天界の火を盗み出して、人類に与えます」。それによって、人類は火を取り戻し文明を発達させることが出来るようになったのです。

この火の逸話は、「プロメテウスの神話でもっとも有名なもの」であり、一説によるとこの火というのは、比喩であり実際には「神々と並ぶ叡智」だったのではないかともいわれています。「叡智を得たことで人類は文明を発達させた」ということです。

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プロメテウスを特別扱いしていたゼウスもさすがに、火を盗み出したことに激怒して、プロメテウスに罰を与えます。それは「岩山にくくりつけ、毎日巨大な鷲に肝臓を食べられる」というもの。プロメテウスは不死であるために、死ぬことはなく、激痛を味わうだけでなく、肝臓は夜になると復活するために、毎日その苦痛を味わうという、罰というよりも「拷問のような目にあった」のです。

 

【プロメテウスだけが知っていた「秘密」とは?】

実際、これは罰というよりも拷問だったのではないかという説もあります。プロメテウスがゼウスから優遇されていたのは、彼だけが知っている「秘密」があったためです。それは、「ゼウスを凌駕する子供を産む母親の正体をしっている」というもの。元々ゼウスは、自分の父親を倒して主神の地位についたために、自らも同じ運命をたどるという予言をされていました。しかしながら、ゼウスは好色で各地に子供があったために、どれが運命の子供かはわからなかったわけです。
しかし、先見の力をもつプロメテウスだけは、その子供を産む母親を知っていたために、ゼウスはなんとしてもその情報をほしかったのです。そのために、この罰も秘密を話したら終了することになっていましたが、結局、プロメテウスは秘密を話すことなく、英雄ヘラクレスによって解放されるまで、この苦行は続きました。ちなみに解放後にはゼウスに秘密を伝えたために、再度罰を受けることはなかったといわれています。

どうせ、秘密を伝えるならば、罰を受けた時にさっさと話してしまえば苦労しなかったのに、と思うかも知れませんが、長い期間をプロメテウスが耐えたことで、人間への迫害がなくなり、充分に文化を成熟させることができたともいえます。

 

【人間を創造したのはプロメテウスだった?】

なぜ、これだけプロメテウスが人間に肩入れするのかという理由ははっきりとわかっていません。巨大な神の一族でありながら、取るに足りない人間を常に守護したことから、そもそも「人間を創造したのはプロメテウスではないか」という説もあるほどです。大虐殺を繰り広げた聖書の神や、痴話喧嘩で数千人を殺害することを誓った伊邪那美命のように、自分が創造した存在を軽く思う神々が多い中で、プロメテウスはとても「深い愛情に満ちた存在」といえるでしょう。だからこそ、今でも変わらずに様々なモチーフにされて語り継がれているのかもしれません。

Human guardian Prometheus.
Why Prometheus love human beings?

 

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