素朴な疑問! 相談相手としての『友達』と『カウンセラー』はどう違うの?

友人であれば以心伝心で、難しい説明をしなくても通じる事もあるので話が早いかもしれません。持つべきものは友達です。親しければ親しいほど、本気で一緒に悩んでくれると思います。では心理カンセラーに相談すると?

悩みは抱え込まないことが大切!

人は誰しも悩みを持っているものです。もちろん悩みと言っても種類がたくさんあります。瞬時に解決できそうなもの、放置しておいても問題の無さそうなもの。緊急を要するもの。放置しないとどんどん悪化するもの。自力でなんとか出来そうなもの。誰かの力を借りないとどうにもならないもの。

とりあえず自力で何とかなりそうな悩みなら、無理に誰かの力を借りたり、相談しなくても良いかもしれません。一方で、悩みの度合いが深刻(少なくとも自分でそう思える範囲)なら、ぜひ誰かに相談してください。

誰かに話をすることで、具体的な援助は無くても、自分の事が客観視できるようになったり、冷静になって良いヒントが浮かびやすくなる可能性も高まります。話す相手は、基本的には自由です。自分が信頼できる相手であれば問題ありません。

友達って良いよね!

身近な存在で相談しやすいのは友達だと思います。家族ほど距離感が近くなく、それでいて自分のことをきちんと理解してくれている人物。

場合によっては以心伝心で、難しい説明をしなくても通じる事もあるので話が早いかもしれません。持つべきものは友達です。親しければ親しいほど、本気で一緒に悩んでくれると思います。

一緒に泣いてくれると思います。場合によっては本気で怒ってくれるかもしれません。軽い悩みや愚痴でも気軽に言い合う事が出来ます。

カウンセラーなんていらない?

では、カウンセラーという職業は無意味なのでしょうか。たまに「人の悩みに付け込んでお金を取るなんて……」と言う方もいらっしゃいますが、それはちょっと違います。

カウンセラーはカウンセリングを誰かに義務付けたりする権利は持っていません。当たり前ですが無理強い(押し売り)はしません。だから、弱みに付け込むつもりもなければ、イヤならイヤで一向に問題ありませんので安心して下さい。

例外はあるかもしれませんが、基本的にカウンセリングは本人が望んでスタートするのが原則です。

「じゃあ、友達がいない人のために存在しているのですか?」と言うと、必ずしもそうではありませんが、そういう利用方法も良いと思います。友達が相談するには役不足と言うことだって当然あるわけですから。友達だからこそ言えない悩みだってありますよね。

そういう人は友達とは言わない!

たまにカウンセラーと友達になれば無料で相談に乗ってもらえたり、無料でカウンセリングしてもらえたり、運が良ければ相手が自発的に救いの手を差し伸べてくれると勘違いしている人がいます。

カウンセラー(セラピスト)にしてみれば、非常に迷惑な話です。しかし、これがまた多いのも事実です。これは少し考えればわかることですが、パン屋さんに友達だからパンを無料でくださいと言ったら怒られるのと同じことです。

仕事とは生活を守り発展させる大事なことです。相手の不利益になることを平然と言ってくる人は、そもそも友達ではありません。

友達に相談するのとカウンセラーに相談するのはどう違うの?

友達とカウンセラーのいちばんの違いは客観性です。「カウンセラーはクライエントの鏡である」という言葉があります。どういうことかというと、カウンセラーと言うのはツールなのです。

カウンセラーは友達ではありません。実際は友達でもクライエントとして正式にカウンセリングを申し込んだなら、少なくともセッション中はそういう目では相手を見ません。逆に言うと、客観性を失ってはカウンセリングにならないので、親しい人のカウンセリング依頼は受けないというカウンセラーも少なくありません。両方、もしくはどちらかが友達関係を持ち込んだ時点で成立しないのです。

もちろん機械的にテクニックだけで対処するわけではなく、きちんと、共感や理解をしまします。信頼関係を何よりも大事にします。

ただしカウンセリングの主役はあくまでもクライエントなのです。クライエントが自分自身を冷静かつ客観的に見つめ直して、内なる声に耳を傾けクライエント自身が成長を通して問題解決するのを前提にセッションをします。

最近は流派や考え方も多様化してきたので、カウンセラーが助言や提案をする場合もありますが、あくまでも決定権はクライエントにあるという点は変わりありません。

一方、友達の場合は、友達を想うが故に、どんどん提案してくる人もいます。役立つ提案や助言をしてくれる場合は良いかもしれませんが、そうではない場合は少し問題です。

友達に相談して話がこじれてしまうパターンもゼロでは無いのです。たとえば「君は、友達の言う事が聞けないって言うのか!」「君のために言っているのに!」と聞き手が自分の意見を押し付けてきたら、困ってしまう場合が多いのが本音だと思います。

もちろん本気で心配してくれている友達もいると思います。一方で、(無意識に?)相談者を支配しようとする友達もいるのです。そうなってしまうと、本来の悩みは何処へやら。人間関係の悩みが新たに増えてしまうという可能性もあります。

では悪い面ばかりかと言うと、そういうわけでもありません。役に立つ意見を貰えるかもしれません。役に立たない意見でも自分のために考えてくれたことが嬉しくて元気を貰えるかもしれません。

自分のために怒ってくれたり、泣いてくれたりして友情が深まるかもしれません。助言だけではなく、友人が自分のリスクを顧みず、自ら問題に介入して率先して解決してくれるかもしれません。場合によっては食事やお酒を奢ってもらえるかもしれません。気軽に愚痴を言えるのも有難いと思います。

つまり、どっちもメリットもデメリットもあると言う事を覚えておいてください。どちらにしても、信頼関係があって、本人が満足できるならそれに越したことはないと思います。但し、それは心の問題の話です。悩みが具体的であれば、カウンセラーや友達ではなく、その道の信頼できる専門家に相談した方が良い場合もあります。

それから、友達として、友達だからこそ、場合によってはカウンセリングを受けることを勧めてあげることも大切だと思います。それは決して相談された問題をカウンセラーに押し付けているということではありません。きちんと見極めて勧めてあげるのも友達の立派な役割だと思います。

ところでカウンセラー自身はどうしているの?

なにげに気になると思います。カウンセラー自身は問題が起きたり悩んだりした時はどうしているのか。ミステリアスなイメージはあるかもしれませんが、どうということはありません。みなさんと同じです。

愚痴りたいだけなら友達に愚痴ります。食事を奢ってもらう事もあります。友情を感じたいときは友達に頼ります。それでスッキリするなら、それだけで良いと思います。

それはそうと、カウンセラーは自力で何でも悩みを解決できると思っている方もいらっしゃると思いますが、とんでもありません。無理です!わらうところ。

確かにセルフ・カウンセリングというテクニックもありますし実際、使います。ただし、どうしても自分だけでは客観的になりきれないところも出てくるものです。そういう時は、やはり信頼できるカウンセラーにセッションを申し込みます。それはそうですよね。カウンセラーだって人間ですから。

料理人だっていつも自分の料理ばかり食べているわけではありませんし、服屋さんだって、自分のお店の服しか着ないなんてありません。それと同じことです。

人間は、ひとりでは生きていけません。だから悩みは外に出しても良いのです。そんなことよりも、悩みは出来るだけ早いうちに小さくして、どんどん自己実現して行って下さいね。