感情美人への道Vol.15未来の「自分の気持ち」予測は当てにならない〜

記憶と感情については色々な調査がされていて、「こういう事が起こったら、自分はどれだけ幸せか・不幸か」を予測してもらい、実際との乖離を調べたものもあります。

People often overestimate the intensity and duration
of their emotional reactions to future events

先日、久しぶりに私の講座を受講頂いた方とメールしていたら「先日メルマガにあった『色々と上手くいかない事が重なった日』、私もちょうど似たような事があったんですよ〜」というメッセージを頂きました。

「そんな事書いたかな?」と思い返してみると、確かにひと月ほど前に「アンラッキーな事が1日に3回も立て続けに起こった!」という事を書いていました。

コレです↓
http://goo.gl/q6rN4e

この中でも、「このブルーな気持ちがいつまで続くか冷静に考えると、絶対長続きしませんから、その気持ちに引きずられない様にしましょう」と書いていたのですが、感情どころかその”出来事自体”、私の記憶ではかなりの部分が消えかけていた事にとてもびっくりしました。

記憶と感情については色々な調査がされていて、「こういう事が起こったら、自分はどれだけ幸せか・不幸か」を予測してもらい、実際との乖離を調べたものもあります。

例えば、「自分の大学のフットボールチームが負けたら数日後はどんな気持ちがするか?」という調査では、勝敗が自分の感情に与える影響を過大に見積もっていたり(つまり勝っても自分が思うほどハッピーでもないし、負けても自分が思うほど数日後の自分は落ち込んでいなかった)

「選挙で熱烈に指示していた候補が負けたら(勝ったら)」という感情予測でも
勝った方も負けた方も、実際の3倍くらい自分の将来感じるであろう感情を過大評価していました。

(参照『明日の幸せを科学する』ダニエル・ギルバート 早川書房)

このような傾向はインパクト・バイアス(impact bias)と呼ばれるもので、健康を損ねた場合や恋人と別れた場合も、私たちは間違った将来予測に基づく間違った感情予測をしてしまうケースがほとんどだそうです。

参照サイト:
http://reflectd.co/2013/12/01/the-impact-bias-this-is-why-we-overestimate-the-emotional-impact-of-future-events/

何か面白くない事が起きて、その時は「これはいつになっても忘れられない! 」と思っても、意外とその感情は薄れていくものです。

私の場合は両親と別れた事などが最大の悲しみですが、その痛みは「今」を充実させる事でいい意味で薄れています。

私たちは、自分が思うよりずっと新たな環境に適応していく力が強いのです。