Special Story ダライ・ラマ法王御講話 in DeLhi Part.1 「私は非常に幸福……」

His Holiness Dalai Lama in Delhi〜 Part.1 「仏陀とは、否定的な考えや強い感情、破壊的な感情を排除した状態だと思います」

インド取材中に幸いにも旅中でダライ・ラマ法王の御法話に、
参加する事ができたTRINITY取材班(2007年)。

今なお、いや、更に貴重で幸福感のあるご法話をほぼ修正無しのままお届けします。

 〜His Holiness  Dalai Lama  ダライ・ラマ法王御講話 in Delhi〜 Part.1 
私の話は10時15分から始まる予定でしたが、まもなく10時50分になろうとしています。約30分遅れてしまいました。教えというものはもっと短くあるべきですね。
私は非常に幸福を感じています。仏陀の生誕から2,550年を経た21世紀の現代における、科学技術の測り知れないほどの発展に感動しております。一方、今の世の中には多くの暴力も見受けられ、破壊的な感情も高まっています。
この仏陀ジャヤンティ講演の釈迦牟尼像の師の前に、異なる国々の異なる言語を話す人々が集まっています。話す言葉は違っても、仏陀の釈迦牟尼の弟子たちが皆、一同に会したのです。祈るだけでなく、仏陀を心に留めておいてください。最も大切なのは仏陀の教えですが、自分が仏陀の教えを真摯かつ真剣に考えているかどうかを確認するのは、さらに大切なことです。とても大切なことなのです。大切に受け止めなければ、単にスートラ(経)を暗唱したり唱えたりするだけになり、その日その日の事柄と宗教が無関係になってしまうでしょう。さらには宗教が流行のようなものになり、伝統を嫌ったりほかの宗教を好んだりするようになります。一度でも宗教を受け入れたのであれば、真剣かつ真摯に向き合い、実行し修行するべきです。そうすることで、時を重ねるごとに素晴らしい経験を積むことができるようになります。このことは、今日の困難な環境を生き抜くのに、非常に有用なことなのです。まず私が皆さんにお願いしたいのは、仏教徒として誠実な気持ちで修行し、自分の精神状態をいつも気にかけて欲しいということです。常に忘れずに修行を積むことは、非常に重要なことなのです。

それでは仏陀に関する考え、説法を始めます。
さて、仏陀とは何でしょう?仏陀とは、否定的な考えや強い感情、破壊的な感情を排除した状態だと思います。否定的な考えを完全に排除した結果、望ましい考えや可能性が無限大に広がります。私は、仏陀の意味は、そこにあるのだと考えています。否定的なことを全て排除して修行を積むことで、個々の内面が仏陀になるのです。つまり全ての仏陀は、ちょうど我々のように、否定的な感情や破壊的な感情を持った普通の人々から生まれたと言えます。そうした人々が修行を積み努力を重ね、さらには開眼し、否定的な感情をすべて排除し、望ましい可能性が無限にある状態が仏陀なのです。我々が否定的な感情を多く持った人間であると考えると、そこに改善や開眼さえも生まれる可能性があると言えます。何故なら、仏陀の釈迦牟尼自信も、そもそも仏陀として生きていたわけではないからです。普通の人間として生き、そして仏陀になりました。TathagatagawaSugadh Sandehaと呼ばれる仏陀と同じように、我々にも仏陀の精神や秘密が理解できるのです。
私は主に、心を非常に鋭敏な状態に置いた上で、何も考えない状態をつくるという仏陀の精神について語ってきました。仏陀の精神では、全ての否定的感情の原因は間違った概念に基づいており、間違った概念の分だけ正しい概念も常に存在しているということになります。またそこに留まらず、正当だと証明できる正しさや、根拠の確かな概念も存在します。根拠の確かな概念と違った概念は、矛盾した存在です。直接的でありながら、互いに相対しています。正しい概念や根拠の確かな概念がある限り、反対の存在である否定的な概念も、やはり常に存在するのです。仏陀精神の基本においては、全ての否定的感情を排除することが可能とされています。
仏陀の概念は、因果関係の法則、相互依存性を生む効力から生まれているのです。

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祈りの議には、観光やベトナム、タイ、モンゴル、ネパール、そして日本と、異なる国の僧侶が参加

TRINITY21号より

■ダライ・ラマ法王
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ダライ・ラマ日本来日決定!!