Trinity WEBピックアップ映画レビュー「ナイト ミュージアム/エジプト王の秘密」

人気シリーズ第三弾は舞台を大英博物館へと移し、パワーアップ!

本シリーズの魅力は何より
「物が意識を持つ」というロマンスにあり!

 

ナイトミュージアムと言えば、博物館の展示物が夜中に動き出すという、歴史好きなら一度ならず夢見るファンタジーで、これはその第3弾。

古代エジプト文明は多くのミステリーを生み出してきましたが、この物語も古代エジプトの秘密の石板(タブレット)を中心に動いていきます。

生命を吹き込む魔法の力を持つ石板の力が弱まり、展示物の生命の危機!から始まる「エジプト王の秘密」は、ニューヨークの自然史博物館から、石板を作った父王(ファラオ)のいる大英博物館へと舞台が移ります。

実際の大英博物館は、ナポレオンがエジプトから持ち帰ったロゼッタストーンをはじめとするエジプト関連の展示物で有名で、ここもエジプト史の宝庫。

前作のネアンデルタール人やローマ皇帝オクタヴィウ、ルーズベルト大統領に続いて、中国神話の九つの頭を持った竜や、インド神話のガルーダ、そしてご当地、アーサー王伝説の騎士、ランスロットが登場。
情熱の騎士ランスロット、ここではちょっと間抜けなイケメン熱血漢として描かれていますが、アーサー王伝説のアヴァロンは精神世界ではレムリアやムー、アトランティスと並び、イギリスに存在したとされる古代文明でスピリチュアル的に見ると、必然な流れを感じます。

NIGHT AT THE MUSEUM 3

もう一つ、特筆すべきことは、これがロビン・ウィリアムズ遺作であること。
この最後の作品では、優しいけれども寂しげな独特の笑顔を見ることは出来るものの、演技に生気がないと感じてしまうのは、彼が亡くなったという先入観でしょうか。

スクリーンを通じて、役柄を超えて醸し出される無力感とか、焦燥感などから、高い理想と現実の世界とのギャップを埋めることに疲れてしまったのかな、などとしみじみ考えてしまいました。
「パッチ・アダムス」をはじめとして、博愛的な温かい波動を多くの作品を通して伝えてくれたロビンに感謝しつつ、話を物語に戻すと……。

コンテンツとして気になる場所やキャラクターが含まれているものの、「エジプト王の秘密」というタイトルほどには謎を深く追求していくわけではありません。
でも、進路に悩む親子の絆とか、退屈な現実に幻滅している女性警備員とネアンデルタール人のやりとりとか、恐竜との現実離れしたアクションなど、ちょっとホロリとしたり、笑わせてくれたりする場面が組み合わさって気軽に楽しめます。

それにこのシリーズの魅力は何よりも「物が意識を持つ」というロマンスにあると思います。
エネルギーは意図的に完了させない限り継続していくというニューエイジ的な考え方に基づくと、色んな波動が混じり合っているので居心地よくはないにしても、博物館は生命の物語が積み込まれた宝石箱のような場所。

ミイラはもちろんのこと、遺品や芸術作品には本人や、それを作った人の意識が強く残っていることも多くて、つながれば果てしないストーリーへと導かれることになります。

NIGHT AT THE MUSEUM 3

そう言えば、初めてエジプトに行き、ツタンカーメンの黄金のマスクの前に立った時のこと。
エジプト人ガイドが「目を見ることで、彼が語りかけてきますよ」と説明してくれましたが、本当、マスクの目を見ていると意識がどこかに飛んでいき、少年王が感じていた悔しさのようなものや、マスクを作っていた人の複雑な気持ちが伝わってきました。

この映画は、歴史的なキーワードが自分の過去とつなげてくれることを意図して見ると面白いインスピレーションを与えてくれるかもしれません。

近々、再度エジプト博物館に行くことになっていますが、ミイラや彫像とつながって楽しい物語を聞いてきます。
重たい念ではなく、前向きで平和な展望とつながることを意図して……。

■『ナイト ミュージアム/エジプト王の秘密』

■3月20日(金) TOHOシネマズ 日劇他全国ロードショー

■20世紀フォックス映画 配給

■(c) 2014 Twentieth Century Fox Film Corporation

■公式サイト【「ナイト ミュージアム3」】で検索
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