歩みと共に、「吸って(in)」「吐いて(out)」を意識する……
無意識のうちに我々が行っている「呼吸」に気づくことが、
ティク・ナット・ハン師の教える歩く瞑想〜Walking Meditation〜においてとても大切になってくると、今回ご紹介する動画で教えて下さっています。
そして歩くこと。歩くことは健康でいるためのとても大切なことです。歩かなければすぐに体は弱くなります。
朝起きたとき……
家事、身支度をしながらでも「歩く瞑想」はできます。
急いでいるとき……
朝の忙しい通勤時間帯でも「歩く瞑想」はできます。
全ては“呼吸することに意識をおく”ことでこの瞑想を行うことができ、
日々の精神バランスを整え、安らぎが得られるのです。それは、忙しく楽しくないと思われる、仕事の合間にもできます。お手洗いからデスクまで心を鎮める時間にすることができます。
ポイントは、“歩くときは地球を癒すように”。
ではさっそく、プラムヴィレッジから届いた貴重な映像をご覧下さい。
Walking Meditation Practice
『歩く瞑想の実践』
Walking meditation is a popular form of meditation in Plum Village.
歩く瞑想はプラムヴィレッジでよく行われる瞑想のひとつです。
It is very simple to do, and it’s very delightful to do.
簡単にできる瞑想で、それにとても楽しい瞑想です。
When we talk about walking meditation, it means that we walk and we are aware that we are walking.
歩く瞑想というのは、歩きながら、自分が歩いていることに気づいているということです。
Our mind and body are together in the here and now.
その時、私たちの心と体はともに今ここにあります。
So we can be aware of the beautiful scenery around us here.
そうすることで、身の回りに広がる美しい景観に気づくのです。
For example, we are here in Lotus Pond Monastery in Ngong Ping, Hong Kong, and I can feel the gentile breeze, and I can see the sunshine, and I can enjoy the bliss, the happiness that is around me.
今、私たちはここ香港昂坪にある蓮池寺にいますが、私はそよ風を感じ、陽光に包まれ、身の回りに広がっている至福に浸っています。
And those things are possible when our mind and body are together.
こうしたことができるのも、心と体が一体であるからです。
And we can do this too when we practice walking meditation.
歩く瞑想を行う時にもこうした至福の体験ができます。
First, when we talk about meditation, we talk about to be mindful about in-breath and out-breath.
まず、瞑想ということは気づいていることだと言いましたが、それは吸う息と吐く息に気づいているということです。
In order to establish our presence in the present moment, we need to establish ourselves with our in-breath and our out-breath.
今という時に自分を置くためには、吸う息と吐く息とともに自身をしっかりと置くことが必要です。
So, breathing in, we are aware of our in-breath, breathing out, we are aware of our out-breath: In, out; in, out; in, out.
それは、息を吸いながら自分の吸う息に気づいており、息を吐きながら自分の吐く息に気づいているということです。イン、アウト、イン、アウト、イン、アウトといったように。
When we breathe, usually we breathe with our chest, but in meditation practice, we breathe with our belly.
呼吸をする時、普通は胸で呼吸をしますが、瞑想をする時は腹で呼吸をします。
This means when we breathe in, our chest expands, and there is a muscle called the diaphragm.
息を吸った時に胸が膨らみますが、この時横隔膜という筋肉が関係します。
When our chest expands, we push our diaphragm down, and then push our belly up.
胸が膨らむと、横隔膜が下がり、腹が膨らみます。
When we breathe in, the air coming in expands the chest, and the expanded chest pushes the diaphragm down and pushes the belly up.
息を吸うと、入ってきた空気が胸を膨らませ、膨らんだ胸は横隔膜を押し下げ、腹を押し出します。
When we breathe out, our belly will deflate and the diaphragm will come up and the diaphragm will deflate.
息を吐くと、腹がしぼみ、横隔膜が上がってき、収縮します。
Breathing in, I feel my belly rising, and breathing out I feel my belly falling:
Rising, falling; in, out.
息を吸うと、私は腹が膨らむのを感じ、息を吐くと腹がしぼむのを感じます。膨らむ、しぼむ、イン、アウトといったように。
So, we need to be mindful of our breath in order to practice meditation.
瞑想を実践するためには、私たちはこのように呼吸に気づく必要があるのです。
When we move up to walking meditation, we combine our breath and our steps.
歩く瞑想の場合には、呼吸と歩行とを組み合わせることになります。
We can take one step with in-breath, and one step with out-breath: In, out; in, out; in, out; in, out; in, out.
吸う息とともに一歩、吐く息とともに一歩と踏み出します。イン、アウト、イン、アウト、イン、アウト、イン、アウト、イン、アウトといったように。
We can practice slow walking meditation like this in our office.
このようなゆっくりとした歩く瞑想はオフィスでも実践できます。
When we get up in the morning, while going from our bedroom to our bathroom, Mom can practice walking meditation when she is cooking by walking around in her small kitchen and practice her walking slowly.
朝起き上がり、寝室からバスルームに行きますが、その間お母さんはキチンで料理をしながらゆっくりと歩き、歩く瞑想の実践ができます。
When we are outside, we can practice faster walking steps, two steps with our in-breath, three steps with our out-breath: in, in, out, out, out; in, in, out, out, out.
戸外では、吸う息とともに二歩、吐く息とともに三歩と早く歩く実践ができます。イン、イン、アウト、アウト、アウト、イン、イン、アウト、アウト、アウトといったように。
If you want to walk faster, for example, when you are in a metro station, where many people are walking fast to catch a train, you don’t have to be slow in order to be mindful; you can be fast and be mindful, too.
例えば、地下鉄の駅でのように、多くの人が電車に乗り込もうと早く歩いているような時には、歩くことに気づくのにゆっくりと歩く必要はありません。早く歩きながら、気づいていることができます。
So you can take three steps with in-breath and four steps with out-breath: in, in, in, out, out, out, out; in, in, in, out, out, out, out.
早く歩く時には、吸う息とともに三歩、吐く息とともに四歩で歩きます。イン、イン、イン、アウト、アウト、アウト、アウト、イン、イン、イン、アウト、アウト、アウト、アウトといったように。
It just means that we can practice walking meditation anywhere because we walk a lot.
私たちはいつも歩いている訳ですから、歩く瞑想はどこででもできるということです。
As long as we are mindful about our in-breath and our out-breath, and we are mindful about our steps, we can practice walking meditation.
吸う息と吐く息に気づき、また足の運びに気づいているかぎり、歩く瞑想の実践ができるのです。
When our mind and our body are together, we can realize the beautiful things around us.
心と体がともにある時、私たちは身の回りの美しい世界に気づくのです。
I can hear birds chirping, I can see the sunshine, and I can feel the breeze, that’s because my mind is with my body.
私には鳥のさえずりが聞こえ、陽光が見え、そよ風を感じることができますが、それは私の心と体が一体であるからです。
When we walk with our mind together with our body, and with our steps, we can see the beautiful things around us.
心と身体、そして歩行が一体である時には、身の周りの美しいものが見えてくるのです。
So, walking meditation is a joyful practice; it’s easy to do.
ですから、歩く瞑想は楽しい実践で、簡単にできる実践なのです。
And you can do it anytime, anywhere.
しかもこの瞑想はいつでも、どこでもできるのです。
As long as you walk, you can practice walking meditation.
歩くことをしているかぎり、あなた方は歩く瞑想を実践できるのです。
Enjoy your walk.
歩くことを楽しんでください。
※この翻訳もどなたかボランティアの方が提供して下さったものです。ありがとうございます。