ちょっと珍しい御神輿を使った厄払いで幸運をつかみませんか?

御神輿には神霊、すなわち神様が乗っているので、上から見るのは不敬にあたるので、下をくぐることで、出来るだけ近くでその神威を受け取るわけです。

【神霊の乗り物である御神輿】

「御神輿」といえば、日本人にとってはなじみ深いものです。ある程度の規模があるお祭りでは、まさに「メインイベント」として、御神輿が登場し一気にテンションを上げてくれます。御神輿は、本来は身分の高い人が乗っていた乗り物でしたが、いつしか「神霊が乗るためのもの」とされました。

なぜ神霊が御神輿に乗るようになったのかには諸説あります。東大寺の大仏、いわゆる奈良の大仏を建立する際に、それを助けるために「八幡神が屋根に金色の鳳凰が輝く乗り物にのって奈良へと来た」ことから、その乗り物が御神輿になったという説や、狩猟時代には定住することがなかったために、お祭りのたびに「移動式の祭壇」を用意していたものが、定住がはじまった時に、神霊の乗り物になったという説などが有力です。

確かに御神輿には屋根に鳳凰がついているものが多いですし、神社をコンパクトにしたようなその姿から、移動式の祭壇といわれれば、それも納得できますので、歴史の中で両者がうまい具合に融合した結果誕生したのかもしれません。

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【激しく動くことで神霊の力をアップさせる】

お祭りで神霊を運ぶ御神輿ですが、中には御神輿を「激しく動かす」ことで、「神様の力をより強く」し、豊作などをもたらして貰うというものもあります。後者の場合は、動きが派手である方がいいということで、「暴れ神輿」などとも呼ばれ、御神輿同士をぶつけ合う「喧嘩神輿」なども存在しています。

 

【御神輿の下をくぐると幸運が訪れる】

そんな中で、神輿自体は動かないにもかかわらず、「厄を落としてくれる」という、ちょっと変わった活用方法があります。もともと、「御神輿の下をくぐると幸運になる」という言い伝えが存在しています。
御神輿には神霊、すなわち神様が乗っているので、上から見るのは不敬にあたるので、下をくぐることで、出来るだけ近くでその神威を受け取るわけです。

 

【春節だけのスペシャルイベント】

しかし、今回紹介するのは神社ではなく、「横濱媽祖廟」という中国のお寺。すなわち「道院で行われているもの」です。こちらで祀られている「媽祖」というのは、道教の女神であり、「航海や漁業の守護神」として信仰を集めている存在です。
もっとも高い位を持つ神様の一柱とされていることから、いつしか、何事にも御利益を授けてくれる万能な存在となり、世界各地の道院で信仰されているわけです。

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横濱媽祖廟(出典:wikipedia)

横濱媽祖廟で行われる御神輿を使った行事は、そのものずばり「厄落としの神輿くぐり」と呼ばれています。こちらは、「春節」、つまり「旧正月」にしか行われない特別なもので、横祖廟の神霊が乗った御神輿の下をくぐることで、「厄を落とすだけでなく、福を授かることも出来る」という、とてもお得なものとなっています。さらに、御神輿をくぐる際に、行事に参加することが出来なかった人が「身につけていた服」を持ってきて、一緒にくぐることが出来れば、その人も御利益が得られるのです。

 

【道院ならではの作法を楽しむ】

この行事では、きちんと作法が決まっています。それは、お線香に火をつけて、その後、御神輿の前の銅鑼を叩き、そのあとで御神輿をくぐり、さらに用意されている香炉に1番から5番まで順番にお線香をたむけ、最後に本殿内部の祭壇に金紙を供えて燃やすというもの。ちなみに、金紙やお線香は専用のものを購入することが出来るようになっています。

御神輿自体も中国らしく「赤と金で日本のものよりも派手」ですが、作法も儀式っぽいものとなっており、日本とは違った「春節を体験することのできる」なかなかない機会といえます。
こちらは「2月20日までの限定開催」となっていますので、興味のある方は横濱媽祖廟を訪れてみてください。そうして、御神輿をくぐって、女神の力でしっかりと、厄を落として福を得ましょう!

It is a vehicle of God “portable shrine”.
Good luck portable shrine brings.

 

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