別れたあとに彼のことが忘れられなくなるのは何故?

人間の心理とは不思議なものです。 みなさんは「ロミオとジュリエット効果」というものをご存知でしょうか?

失恋の痛手を経験したことは誰にでもあるのではないでしょうか。
彼のことは、思い出したくないと考えれば考えるほど思い出してしまいます。
あの日、二人で見た夕日。楽しかった遊園地の笑い顔。こんな思い出が次から次へと巡ってきます。
それはなぜなのでしょうか?

以前、レポートした「食べてはダメ! と言われると、食べてしまうのはなぜ?」にも掲載したことですが、「3という数字を覚えてはいけない」「ケーキを食べてはいけない」と禁止されても脳は理解できずに逆に思い出してしまいます。

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記憶は、「記銘」「貯蔵」「想起」の3つの機能から成り立っており、「記名」は物事を覚える機能でパソコンやスマホのインプットにあたります。また、「貯蔵」はそのデータを保存するCDなど媒体の機能で、「想起」はその記憶を思い出すアウトプットの機能です。

記憶は何かのきっかけで想起され、連鎖的に広がっていきます。ですから、「人の笑顔」⇒「「遊園地」⇒「彼の笑顔」⇒「別れた悲しみ」。「赤」⇒「夕日」⇒「別れた悲しみ」という具合に「別れた悲しみ」につながってしまいます。

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ロミオとジュリエット効果

人間の心理とは不思議なものです。
みなさんは「ロミオとジュリエット効果」というものをご存知でしょうか? ロミオとジュリエットは周囲から反対されることで、逆に燃え上がってしました。
日本でも、夕鶴では、「部屋をのぞくな」という願いがあったにもかかわらず、若者は部屋をそっと覗いてしまいます。「浦島太郎」でも乙姫様の禁止を破って、太郎は玉手箱を開けてしまいます。旧約聖書でもアダムとイヴは、神が禁止したにも関わらずリンゴを食べてしまいました。

 

カリギュラ効果

また、同じ心理効果に「カリギュラ効果」があります。
禁止されると、余計に禁止された行為をしてみたくなる心理のことです。ローマ帝国のカリグラをモデルにした映画が、一部地域で上映中止となったことで、世の中の話題となったことにちなみます。
「モザイク」で見えなくしたり、「ピーという効果音」で聞こえなくすることで、興味を煽る手法として使われています。

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ウェグナーの白熊実験

これらの心理を裏付けるアメリカの心理学者ウェグナーの実験をご紹介します。
被験者を3つのグループに分け、50分ほどの白熊の映像を見せたあと、各グループに次のように指示しました。

グループ1 白熊のことを覚えておく
グループ2 白熊のことを考えても考えなくても良い
グループ3 白熊のことは絶対に考えてはいけない

1年後、白熊の映像を克明に覚えていたのは、絶対に考えてはいけないと言われたグループ3の人たちでした。

人間の心理は、古今東西を問わず、「ダメだ」といわれると、それに逆らう心理が働くものなのです。
人類は、アフリカに生まれ、全世界に散らばっていきました。人類の前に、厳しい自然や食糧難が立ちはだかりましたが、様々な試練に負けずに問題を解決してきたのです。つまり、私たちのDNAには厳しい環境に逆らうという心理が埋め込まれているのです。

失恋した時に、思い出したくないと思えば思うほど、彼のことや彼女ことの思い出が頭いっぱいになってしまうのです。
この思いを頭から追い出すためには、新しいことに挑戦することが挙げられます。旅行や仕事の新企画を策定することなど脳をフルに活動させることで、彼のことを思い出す余地をなくすのです。

 

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