クリスマスに不思議な力を持ったヤドリギを飾りませんか?

今では、カップルだけでなく、ヤドリギの下でハグをしたりすることで、ヤドリギがもつという「幸運と長寿」のパワーを得て、さらに親愛を強めることができるということで、家族や、大切な友達とハグをすることも行われているようです。

【冬に目立つヤドリギ】

「ヤドリギ」という植物をご存じでしょうか? 名前の通り、「木に寄生する植物」です。今頃の季節から春にかけて、葉を落とした木の枝先に、一見すると鳥の巣にも見える、「緑色の枝の塊」があったならば、それがヤドリギ。この植物はビャクダン科の常緑樹であり、れっきとした植物ですが、宿主となる別の木の枝から、水分などを吸収して育つという特殊な生態を持っています。通常はあまり目立ちませんが、ヤドリギは冬でも緑のままであるために、今の季節が一番目立ち、見つけやすいのです。

 

【ヤドリギは不死を象徴する】

大地に根を張らずに、冬でも緑を保っている姿に、古代の人は、神秘的な力を感じました。特に「木々を神聖視していたケルトの人々」は、ヤドリギに特別な力が宿っているとして大切にしていました。「不死」を象徴するとしていただけでなく、重要な儀式は必ず「ヤドリギに寄生されたオークの下で行われていた」とされています。

北欧神話では、不死身の神である「バルドル」を倒せる唯一の武器が、ヤドリギで作った槍でした。また、「魔除け」としての力を秘めているとされていた一方で、冬の寒さを免れるために「妖精が住んでいる」ともいわれていたり、「雷除け」の力をもっているともいわれています。

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【クリスマスとヤドリギの関係】

このように非常にスピリチュアルな要素をもったヤドリギですが、海外では「クリスマスと関係が深い木」として知られています。クリスマスの植物といえば、「もみの木」や、リースに使う「柊」などが一般的ですが、海外には「ヤドリギを玄関に吊す」という風習があります。これは、その下を通ることで、「魔除け」になる、また、ヤドリギがもっている「不死の力を得る」というような意味合いがある一方で、「愛」をもたらす力もあるのです。

 

【ヤドリギの下でキスすると……?】

アメリカやイギリスなどでは、クリスマスにヤドリギを使って球状の飾りを作ります。これを玄関にかけるのですが、この装飾品を「kissing ball」と呼んでいます。なぜ、このような名前がついたのかというと、「クリスマスにヤドリギの下にいる若い女性は、キスを拒めない、拒むと次の年に結婚のチャンスが失われてしまう」という言い伝えがあるからなのです。逆にキスをするとどうなるかというと、その「二人は永遠に結ばれる」とされています。このことから、カップルが愛を確かめ合うために、クリスマスのヤドリギが活用されるようになりました。

今では、カップルだけでなく、ヤドリギの下でハグをしたりすることで、ヤドリギがもつという「幸運と長寿」のパワーを得て、さらに親愛を強めることができるということで、家族や、大切な友達とハグをすることも行われているようです。日本では、このようなヤドリギを使った飾りというのは、あまりポピュラーではありません。そもそも、人前でキスをしたり、ハグをしたりという文化がないということもありますが、不思議と日本人はヤドリギに興味を持たなかったようなのです。

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【日本にもヤドリギの風習を取り入れてみる】

もちろん、ヤドリギは日本にもちゃんと生息しており、群馬県にある赤城山では、「冬にヤドリギを探して、愛を深めよう」という宣伝をしていたりするぐらいですが、その知名度はあまり高くありません。恋愛だけに絞ってしまうと、確かに日本人にとってはちょっと気恥ずかしいものがあるかもしれませんが、ヤドリギには「魔除け、雷除け」といった側面もあります。また、「妖精が宿ることで、幸運をもたらしてくれる」、「悪い妖精から子供を守ってくれる」という力もあるとされていますので、今年のクリスマスには、柊のリースだけでなく、ヤドリギも組み合わせた飾りを作ってみると面白いと思います。

クリスマスは、「ヤドリギが持つ神秘的な力を体験するチャンス」。もちろん、意中の相手がいるという場合は、ヤドリギの下で待ち伏せしてみるというのもありですが、そもそも男性がこの風習をしっていないと意味がありませんので、そのあたりには充分に注意して下さいね。

 

Christmas and mistletoe.
Mistletoe have the spiritual force.