《方位に関する言葉の解釈》こんな視点はいかがでしょう?  MIKAKUの易占アドバイス(5月第1週)

しんどい時は、休むのが一番! 「ああ、こんなにダラダラしてしまった……」と自分を責めるよりは、「ダラダラした分、身体は快調!」と考えて行く方が、たぶん良い方向に転がります。

大衍筮法による易占、4096の卦から得られる、先哲の英知。
取り入れてみると、ちょっと素敵な一週間になるかも?
易者MIKAKU(未畫齋)がお伝えします。

 

新芽の季節

新芽の季節というには、少し遅くなってしまったかも知れませんが……。
それでも、桜が若葉になり、あちこちで田植えが始まる時期でもあります。
そんなシーズンに相応しい卦にまつわる、コラム(?)であります。

今回ご紹介するのは、「升(地風升)」の卦です。

「升」は「のぼる」と訓読みします。運気上昇の気配です。
地面の下から木が生えてくる、のぼってくる、そういうかたちです。

五行思想という考え方、ご存知の方もたくさんいらっしゃるかと存じます。
物体や事象を、「木・火・土・金・水」の5つの元素(エレメント)に分類するという考え方です。そのエレメントの移り変わりや相克といった関係性を切り口に、世界を分析しようとする思想です。
易にも、この五行思想は強い影響を与えています。
この「升」の卦も、その一例と言うことができます。

「升」は、「地」の下に「風」があるというかたちです。
「地」は、「土行」(いわゆる「土属性」)です。「それはまあ、そうかな」ですよね。
一方、「風」は、「木行」に分類されます。

そこから、昔の人は、「地面の下に木(植物)がある」かたちとして、「升」を捉えたというわけです。「それはつまり、芽生えである」と。

「芽生え」ですので、この「升」は、大吉とされる卦の一つです。
特に、恋愛・結婚運に良しと言われます。
お仕事運でも大吉です。「生えて来た植物には、水をやる人がいる」ように、「上からの引きがある」的な運勢であると言われます。

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ラッキー方位は、南。

「升」の卦には、「南征吉。」という占いの言葉が付されています。
「南にゆけば、吉。」と読みます。

今回のテーマは、この言葉の解釈についてです。

もちろん、シンプルに、「ラッキー方位は、南です。」という意味にもなります。
時あたかもゴールデンウィーク。南方へのご旅行を計画されている時に得られると、気持ちよく遊びに行けますね!

しかし「南征吉(南にゆけば、吉)」という言葉には、その他にもいくつか解釈がありまして。
方位以外の占いでも、意味を持つことがあります。

ひとつは、それでも方位とやや関係があるかもしれません。
「暖かくすると良いでしょう/冷えには注意」的な意味です。

 

ゴールデンウィーク、おうちでゆっくりされる方にも。

もう一つの解釈は、少し毛色が違います。
「南征吉(南にゆけば、吉)」という言葉は、「大きな問題と小さな問題を両方抱えている場合には、小さな方から片付けましょう。」という意味を持ちます。

この解釈、中国の地理と関係していると言われています。
黄河のあたりに住んでいる人にとって、北は山がちですが、南には平原が広がっています。
そのため、「北は険しい道。南は穏やかな道。」というイメージがあり、「南が吉」とは、「簡単な方に行こう」という意味になる、というわけです。

問題の対処法にも、いろいろありますよね。
「まずは大問題を全力で片付ければ、小さな問題は消えて行く」というケースもあります。
しかし、「南征吉」が得られた場合には、そういう状況ではなさそうだ、と考えます。
「少し、エネルギー不足。あるいは、問題が大き過ぎる。まずは簡単なものを解決して、万全な態勢を整えてから、大問題に向き合おう。」というケースだということです。

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新生活、新年度からちょうどひと月。
疲れが溜まっていることもあります。
たとえばお掃除お片づけなどで、軽く身体を動かしながらリフレッシュ。「気になることは、その後から取り組んでいく」という発想も、あると思います。

さらに言ってしまいますと、「簡単なほうを選びましょう」ですので、まずはおうちでゆっくり、体調回復からという解釈も、成り立ちます。
しんどい時は、休むのが一番!
「ああ、こんなにダラダラしてしまった……」と自分を責めるよりは、「ダラダラした分、身体は快調!」と考えて行く方が、たぶん良い方向に転がります。

「升」は、盛運。
自分の「状態の良さ」を信じてあげることも、時には悪くないと思います!

 

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