こんな視点はいかがでしょう? MIKAKUの易占アドバイス(1月第1週)

運勢とは、完成(「既済」)して終わりではありません。運勢は、常に変化していく未完成の運気、「未済」こそが、「易」そのものの象徴と言える運勢です。

大衍筮法による易占、4096の卦から得られる、先哲の英知。
取り入れてみると、ちょっと素敵な一週間になるかも?
易者MIKAKU(未畫齋)がお伝えします。

 

 変化の聖典

あけましておめでとうございます。今年が皆さまに、私たちに、良い年でありますことを!

今回は、「未済之渙」(未済、渙へゆく)の卦から得られる指針をご紹介します。
「未済」(びせい)が「渙」(かん)へと変化してゆく、という運勢を示すわけですが……。

変化前の運勢である「未済」は、訓読みすると、「いまだならず」と読めます。易には、「既済」(きせい)という卦があるのですが、「未済」はこの「既済」(運勢の完成型)の逆です。
運勢が未完成であることを象徴します。

「未済」は、「既済」(運勢の完成型)の次に置かれた卦であり、易占のテクストである『易経』の、最後に置かれている卦です。
『易経』。このテクストの内容は奥深いものですが、一番シンプルに書物のタイトルを翻訳すると、「変化の聖典」という意味になります。

運勢とは、完成(「既済」)して終わるものではないのです。私たち易者は、「運勢は、常に変化していく」という考え方を信じています。
だからこそ、これから変化していく未完成の運気、その象徴たる「未済」こそが、経文の最後に示されているのです。「未済」は、いわば、「易」そのものの象徴と言える運勢です。

未完成の運気ですので、いま現在は困難・挫折の中にあることが示唆されています。
先行きも不透明です。しかし、嘆くべきではありません。「未完成」は、そのまま「無限の可能性」という意味でもあるのです。
あせらずこつこつと、永続的な努力を続ければ(続けることさえできれば)、必ず願いはかなうと言われる運気です。
恋愛・結婚運についてもほぼ同様です。今すぐにどうこう、というものではないけれど、努力の先にご縁が見えてくる、という運気です。

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船に帆を張り、風を受け

今回は、このような「未済」が、やがて「渙」へと変化していくという運勢です。

「渙」という字は、「散る」という意味を持ちます。川が支流に分かれていくような、ホースの先を指でつまんで水をまくような、そんなイメージです。
また、「渙」の卦は、帆を張って船が水上を行くかたちとされています。
鬱屈したものが散ってゆく、外にエネルギーを発散させ、大事業に乗り出してゆく、そういう運気を示しています。

これまで苦労があった場合には、その苦労が「発散」されるが、これまでが良い運気であった場合には、注意力「散漫」になりがちであるから要注意。そのような運気を示します。

また、「大事業に乗り出す」・「身近に大きな変化が起こる」という運勢でもあります。
そのため、ことお仕事運について言えば、独立開業や転職には向いている運勢と言うことができます。あるいは引越しや結婚等の可能性も感じさせる運気です。