分断されようとしているレイライン皆の力で貴重な文化遺産を守ろう

磐座とは、神様が降りてくる「とても神聖なもの」であり、不用意に触ると「祟り」があるとされてきました。

大地のエネルギーが流れているといわれている「レイライン」。

以前にも紹介したことがありますが、レイラインが発見されたきっかけともなった、神社やお寺などが並ぶ「神聖なライン」が今壊されようとしています。

兵庫県西宮市甑岩町に「越木岩神社」という神社があります。

こちらは、「甑岩」という高さ10m、周囲約40mという大きさをした、お酒に使うお米を蒸すときに使われる「甑」という道具に似ている「巨石」をご神体としています。

ご祭神は「女性を守護し、美しさを与えてくれたり、縁を結んでくれる」という「市寸島比売命」なのですが、ご神体である甑岩が女性の陰部に似ていることから、「安産や子授けの力」もあるとして古くから信仰されてきました。

日本には、このように神が降りる場所である「巨石=磐座」を祀っている神社が多くありますが、越木岩神社はご神体である甑岩から、ほぼ直線上に、中座、北座といった巨石があり、さらには境内だけでなく、後ろにある山にいたるまで、直線内に多くの巨石が存在しており、これらも磐座と呼ばれているのです。

これは、磐座を利用したレイラインのまさに「典型的なパターン」ですが、その中に含まれている3つの磐座が、「今壊されよう」としているのです。

この3つは、それぞれ「東翼の磐座」「北の磐座1」「北の磐座2」といったように、便宜上の名称がついていますが、50年ほど前までは、中座や北座と同じように、越木岩神社境内にあったものです。

しかしながら、近隣に大学が建設されることになり、学問のためならばと境内の一部が譲渡されました。
その時には、大学側が磐座にきちんと配慮して、その周辺は手つかずのままで、校舎が建てられたのですが、大学が経営難で閉校となり、敷地がマンション業者に転売されてしまいました。

マンション業者は大学のように磐座に配慮する気はないようで、このままでいくと磐座は破壊されてしまい、レイラインも寸断されてしまうことになります。

磐座とは、神様が降りてくる「とても神聖なもの」であり、不用意に触ると「祟り」があるとされてきました。
実際に、ご神体である甑岩を壊そうとしたところ、岩の裂け目から白い煙が噴き上がり、それが5色の煙へとかわり、壊そうとした職人たちをつつみこむと、彼らは「苦しみもだえ息絶えた」という伝説が伝わっているほどです。

信仰の対象であり、なおかつ「貴重な文化遺産」が理解を得られないまま壊されてしまうことにたいして、多くの反対の声があがっており、「越木岩神社の社叢林と開発地に残る磐座の保護・保全を求めます。」というネット上のキャンペーンに「2800人以上」の賛同者が集まっていたり、封書による嘆願書も「700名」近い人が賛同しているとのことです。

触れてはいけないものに触れてしまうことの愚かしさは、日本に古来から伝わる文化を少しでも知っていればわかるはずですが、経済にだけ目を向けてしまうと、そういった古来からの智慧は見失われがちになってしまうのでしょう。

現在も、活動は続いているものの、法律的には神社側がかなり不利な状態であり、果たして磐座が存続できるかどうかはかなり危うい状況のようですので、お近くの方や、署名をしたいという方は、越木岩神社のBLOGをご覧になってみてください。

越木岩神社ブログ
http://ameblo.jp/koshikiiwa-negi

Important cultural heritage is broken.
“Leyline” to be broken by the condominium construction.