<晩夏・シアトル>
緯度の高い当地シアトルは、秋の訪れを感じるのが早いです。8月半ばに入ると、なんとなく空気に透明な涼しさを感じ、空が高くなり、雲の様子が秋めいてきます。日差しはまだ夏の名残が残るけど少し金色を帯びてきて、その中に立ち枯れつつある夏の花々の趣が好きです。
<カラダの海・流れる「お水」>
9月から新学年の始まるアメリカでは、子供たちも新しい学年になる季節。またたくさん学んで成長してほしいですね。ところで、前回に人間のカラダは海、約70%が水である……というお話をしたことに関連しますが、「透明な水が、人間の形をした水袋に入ってぼちゃぼちゃしている図」? を想像したのか、どこにそんなに入ってるの? と言ったお子さんがいました(^^♪
カラダの中に入っている水は、
●赤い色のお水(血液)、
●ごく薄い黄色のお水(リンパ液)
●透明なお水(脳脊髄液)
の3つです。それぞれの専門の管を流れたり、細胞間を行ったり来たりしてます。意識しなくても、カラダの中で、今この瞬間も起こっていること。カラダのシステムってすばらしいですね!
<静かな海のような潮流・脳脊髄液>
血液やリンパ液のことはみなさんご存知でも、脳脊髄液の働きはまだあまり知られていないようです。生命力の調整をしている大事な液体が、カラダの中心を静かに流れているのです。
頭蓋骨内の脳から仙骨まで続く膜で覆われたチューブに、脳脊髄液が循環しています。繊細で大事な脳と脊髄は、静かな海のようなゆっくりとした潮流をもつ脳脊髄液の海に浮かんでいて、その液により、衝撃などから守られているのです。
お豆腐や、柔らかなグルメチーズが、液と一緒に容器に入り販売されているのをご覧になることがあるかもしれませんが、そんなイメージでしょうか?
<クラニオセイクラル・セラピー>
脳脊髄液の循環をよくし、流れを調整することで、自然治癒力を回復し、健康を取り戻すのが、クラニオセイクラル・セラピーです。アメリカのドクターが開発した治療法で、クラニオは頭蓋骨、セイクラルは仙骨を意味します。
脳脊髄液は、満ち干きを繰り返す生命の潮流。しかしストレスや疲労、怪我、心の不調などで、流れの中にエネルギーの塊ができてしまったりすると、潮流が乱れ、堰き止められてしまい、それは心身を不調に導きます。いろいろな心身の不調が脳脊髄液の乱れが原因になっている場合も多いのです。
この手法により、脳脊髄液の流れの状態が本来の状態に戻ってくると、脳圧が調整され脳の負担が減り、脳や脊髄を通って正しい信号が体の隅々に届くようになってきます。
カラダの緊張や不快な症状は解消し、心身ともにリラックスでき、人間が元々持っている治癒力を回復させ、体を解放に導いていくことが可能です。
<「瞑想のよう」と表現されるセラピー>
羽のようなやさしいタッチが中心のセッションが終わる頃には、活力が戻り、疲れやストレスが軽減されると表現されています。深いリラクゼーション効果により、「瞑想」のようだとも言われることもあるこの療法について、これからもシリーズでお伝えしていきたいと思います。
前回の記事はこちら:
太古の叡智から学び、科学で検証するホリスティックライフ ~宇宙と海、そして私たちの心とカラダ NO.3