どうせ私がぜーんぶ悪いんでしょ? ~ 強制的自己責任論のキケンな罠 ~

コトダマと習慣

私たち人間は習慣の生き物です。
習慣というのは、つまり癖のことです。

毎日、意識しているわけではないけれど、知らず知らずに繰り返している。
これが習慣です。

コトバにはコトダマと言って大きなパワーを秘めています。
だから自己実現の王道を聞かれるとアファーメーションだという人が多いのです。
アファーメーションとは肯定的な自己暗示のことです。

想いをイメージして言語化することでそれはどんどん明確になって行きます。
自分の中に具体的に落とし込んでいくことで、行動に移しやすくなります。
周囲にも想いが伝わるので理解や共感されやすくなります。
そうやって自分を動かし、他者に影響力を与えていくうちに、どんどん自己実現していくのです。

コミュニケーションでも、きちんと挨拶できる人は礼儀正しいと思って貰えます。
ちょっとした会話も、相手の気持ちを考えて気のきいたレスポンスをさらっと言えるようになると好かれます。
だから逆にいえば話を聞かない人は尊敬されないし好かれないのです。

それほどまでに大きなコトバ。それを私たちは無意識のうちに習慣化されたコトバを繰り返し、繰り返し、生活しているのです。

私たちは無意識のうちに、習慣的にコトダマの力を発揮してしまっているのです。
つまり、それらが積み重なって私という存在ができあがってしまい、人生の方向性が固まってしまっているということです。
コトバの使い方で、人生の質(QOL)は大きく変わっていくのです。

人生でもっとも大切なことのひとつなので、この話はぜひ覚えて下さいね。

 

「何がいけなかったと思う?」という悪魔の呪文

親でも学校の先生でも会社の上司でも同じことです。
良かれと思っても、間違ったコトバを使ってしまうと、人は育たなくなってしまいます。

何か問題が発生すると、誰かしらが知らず知らずに悪魔の呪文を唱えてしまっていることがあります。

この呪文をうっかり使ってしまっている方々は決して悪い人というわけではありません。
むしろ、良かれと思っているので善良な人たちがほとんどです。

だからこそ気をつけた方が良いのです。
コトダマや習慣のパワーを知らずに、無意識にその呪文を繰り返し使ってしまっていたら、本当に危険です。
最悪、相手の人格を否定し、崩壊させてしまう危険性すらあります。

でも、大丈夫です。
今、ここで悪魔の呪文を覚えて口に出さないようにすれば、知らず知らずに加害者になってしまうことはなくなりますからね。

では、その悪魔の呪文を教えます。
それは「何がいけなかったと思う?」あるいは「何が悪かったと思う?」「何が問題だったと思う?」です。

 

悪魔の呪文の解説

これの何が悪いパワーになってしまうのかを説明します。
まず、これって「悪いのはあなたよ!」という裏メッセージが込められていることです。

「私はあなたの人格を否定したんじゃないのよ。問題点を把握して改善につなげて欲しかっただけなのよ!」と反論したくなるかもしれませんが、もし本当にそう思っているなら、次回から、違う言い方を工夫してみて下さい。

言われた側は悪く解釈すれば「私が悪いみたいに決めつけた言い方をしないで!」と怒るかもしれません。
良く解釈したら「私は何が悪かったのだろう?」と考え始めます。

おそらく言っている側は自分の頭を使って問題を客観的に把握し、分析し、改善案を考え、トラブルが生じても二度と繰り返さずすむように成長して欲しいと願いを込めているのだと思います。

しかし、先ほども言いましたが裏メッセージが「あなた=間違っている」という意味合いが込められているので、逆に客観性を失ってしまうのです。

これはカウンセラーやセラピストでも勘違いしている人が多いので本当に気をつけて欲しいのですが「すべては自己責任」とは限らないのです。

確かに問題の半分くらいは自己責任かもしれません。
思い込みや、間違った認識、うっかりミスなど、心当たりがあることもたくさんあると思います。
自分に非があることをまったく思わず、トラブルの原因を誰かのせいだと決めつけるのもとても危険です。
でも、どちらにしても両極端すぎます。
他の可能性だってあるのです。