ピリリと辛くて美味しい! 七味唐辛子のヒミツ

七味唐辛子には売り口上があって専門分野(大道芸)として成り立っているという噂も聞いたことがあります。『ガマの油売り』なら聞いたことがありますが、七味唐辛子の売り口上もなかなか興味深いです。

夏祭りの不思議

夏と言えば夏休み! そして、夏祭りです!
日本中、何処かしらで太鼓や盆踊りの音が聞こえてくる季節です。

暑くてダルい季節。もう、率先してひきこもりたくなるような季節です。エアコンのない空間なんて耐えられません。そう考えると、夏祭りというのはひきこもり予防にも貢献しているのかもしれません。家族や友達と出かけるもよし。ここぞとばかりに浴衣でキメてカップルで行くもよし。誰にも邪魔されず一人で風情を楽しむのもまた粋だと思います。

夏祭りと言えば、屋台。ゲームや食べ物、オモチャなどなど、いろいろなお店が立ち並んでいます。私は言うまでもなく、食べ物の匂いにつられてフラフラと吸い寄せられてしまうタイプです。

ところで、そんな屋台の中に、不思議なモノがあることに気がついた事はありますか。
それは『七味唐辛子』のお店。

ゲームでもなければ、おもちゃでもない。食べ物ではあるけれど、その場で食べられるモノでもありません。でも、お祭りには定番屋台とでも言って良いほど、七味唐辛子のお店があるのです。

気がつかなければ、何とも思わないかもしれません。でも、気付いてしまうと不思議な感覚が湧き上がって来ませんか!?

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七味唐辛子の歴史

では、さっそく七味唐辛子の歴史を辿って行きましょう。

七味唐辛子は1625年(江戸時代初期)、漢方を食に利用できないかとからし屋徳右衛門という人が薬研堀(やげんぼり)という所で店を開いたのが始まりだそうです。確かに予備知識なしでも、七味唐辛子って、単なる調味料というよりは何か不思議な力を持っていそうな気がしますものね。

現在の両国橋近くが、当時の薬研堀町だったそうです。医者や薬問屋が多く集まっていたので、別名「医者町」で通っていたと言われています。

薬研堀という地名は、この辺りの堀(土地を掘って作った水路)の形が薬研(当時の漢方薬を粉末にする器具)に似ていたので、そう名付けたそうです。

七味唐辛子は、当時、江戸の人々に親しまれていた蕎麦と相性が良いということから、どんどん人気になり、関西にも広まっていったそうです。京都の清水寺の参道や長野の善光寺の参道などでも独自の配合で売り出すお店などが現れました。

お寺の参道に出来た理由として、身体の不調が良くなるようにお参りした帰り道に薬効成分のある物七味唐辛子を買って帰るということがあったそうです。