【健康】はスピリチュアルライフの基本。スピリチュアリティーの前進に欠かせない、生体エネルギーのひとつ【ピッタ】のもたらす影響とは?

アーユルヴェーダでは、火は3つの生体エネルギーの一つであるピッタとして表わされています。

 

アーユルヴェーダを含むヴェーダの宇宙論では、この世のあらゆる物質は空(スペース)、空気(風)、火、水、土の五大元素から構成されていると考えられています。

風の元素は物質を動かす働きをしている一方、火の元素は事物を一つの形から別の形へ変換する役割を担っています。宇宙におけるあらゆる変容は火によってもたらされます。たとえば、火を使う調理は生の食品を柔らかく消化しやすい形に変え、燃えた紙は灰になり、もとの紙には戻りません。

アーユルヴェーダで消化の火を指す「アグニ」という言葉は、もともとは火という意味です。

この火とは、私達の存在の深部にある何かを熱望する炎のことでもあります。

 

アーユルヴェーダにおける、
火=3つの生体エネルギーの一つである「ピッタ」とは

ピッタは、熱い、鋭い、貫く、軽い、酸っぱい、辛い、油性といった性質を持ち、体内では消化、代謝、エネルギー生成を司ります。アグニが弱まると消化力が低下し、様々な病気の原因となります。アグニを適正な強さに整えれば、多くの病気を改善することができます。アーユルヴェーダの治療では、たとえ心の病気であってもアグニの改善を無視することはできません。心と体は切り離せないからです。

ピッタを多くもつ人は代謝が高く、体温は普通よりやや高い傾向にあります。

また、食欲とともに心のレベルでも何かを求める気持ちが強く、食べ物の消化力と同じように物事の理解も速いといった特徴があります。学び理解したいという欲求が強いのです。
ピッタには周りを明るく照らす性質があり、上昇する性質があります。ヴァータ(風)も軽く、動く性質を持っていますが、その動きはまさに風まかせで四方八方に動きます。一方、火は上に向かって動きます。

だからピッタを多くもつ人は上昇志向が強いのです。エネルギッシュなピッタは、物事をより良い方向へ変化させる性質を持っています。

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私たちの心はつねに五感を通じて知覚情報を得ています。摂取した食べ物が胃腸で消化されるように、情報も消化されます。
心の食べ物はブッティ(知性)によって消化されます。ブッティは”火”つまりピッタが優勢な機能です。

ピッタ体質の人は消化能力が強いため、多くの知識を消化することができます。しかしピッタのバランスが崩れたり弱くなったりすると、取り込んだ情報を消化しきれなくなります。そうなるとアーマ(毒素)が心にできるのです。

 

健全なスピリチュアリティーへの火の影響

古代の賢者達は、スピリチュアリティーの前進こそ人間の人生における最大の変容であると考えていました。

スピリチュアリティーとは物質への執着から自らを解き放ち、自分の本質は魂であることを知るプロセスです。

ピッタつまり火の性質を最もよく活用したプロセスと言うことができます。だからこそヴェーダは火を重視し、あらゆる儀式で火を崇拝したのです。

健康はスピリチュアルライフの基本です。
スピリチュアリティーを求める人は自分のピッタのバランスを保つことを学ばなくてはなりません。ピッタのバランスがとれた状態のときは、集中力があり物事を正しく理解することができます。

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しかしピッタが乱れると、スピリチュアリティーの向上に欠かせない集中と理解が困難になります。
さらにピッタが過剰に増大すると忍耐力がなくなり、早急な結果を求めがちになります。
これが高じて、いらつき、怒り、妬み、嫉妬という負の感情が起こります。

ピッタのバランスが崩れると独断的、反抗的になり、良好な人間関係に支障をきたしかねません。心と体が不健康であれば、スピリチュアリティーのプロセスは困難になります。

ピッタのバランスを保つことは、スピリチュアリティーの前進に欠かせない要素なのです。

 

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