セルフヒーリングとインナーチャイルドの癒やし〜傷ついた状態を再認識するには

きちんと、インナーチャイルドにアプローチすることができれば、人生の生きづらさが軽減されるだけでなく、「めいっぱい楽しんで生きていた」子供時代の感覚も取り戻すことができることでしょう。

【意外と新しいインナーチャイルドの概念】

Trinity読者の方ならば、「インナーチャイルド」という言葉を聞いたことがあるという方は多いと思います。
そのものずばり「内なる子供」などと訳されることのある概念です。

スピリチュアルな世界では、インナーチャイルドの癒やしはとても重要視されていますが、どうして、ここまでインナーチャイルドが注目されるようになったのでしょうか?

そもそも、「インナーチャイルドという概念は比較的近年になって生まれたもの」です。
インナーチャイルドの癒やしを積極的に取り入れていったのがヒプノセラピスト、いわゆる催眠療法士だったために、「心理学用語」だと思われることもありますが、「科学的に認められた心理学の分野にはインナーチャイルドという言葉はありません」。

Amazonでインナーチャイルド関連の書籍を検索すると、最も古いものは1993年に日本放送出版協会から出版された『インナーチャイルド—本当のあなたを取り戻す方法』でした。
こちらの著者は「ジョン・ブラッドショー」という人物であり、アメリカでカウンセラーとして活躍していました。
彼は様々な著作を残しており、そのうちのいくつかはベストセラーとなるほどでした。

 

【インナーチャイルドという概念を広めたジョン・ブラッドショー】

そんな影響力をもったジョン・ブラッドショーがインナーチャイルドという言葉を使ったことから、どんどんとインナーチャイルドという用語が一般的になってきたと考えられますが、彼は心理学を学んだり、カウンセリングを行ってはいたものの、「専門の研究者ではありません」でした。

しかし、カウンセリングにおいて豊富な経験を積んでいたこともあり、ジョン・ブラッドショーによるインナーチャイルドへのアプローチは、かなり「心理学よりなもの」であり、一種のグリーフワークという側面も持っていたようです。
自分自身と向き合い、自分の心の中にある傷ついた子供を見つけて、その部分にアプローチすることで過去のトラウマを解消するという作業は、なかなか「勇気と気力を必要とする」ものだったことでしょう。

 

【催眠療法によるインナーチャイルドへのアプローチ】

そのような勇気と気力がなくても、比較的手軽にインナーチャイルドに出会うことができる技法として、「催眠療法」があります。
そもそも、年齢を遡ることのできる「退行催眠」という技法があったわけですので、その一環として最も癒やしが必要な年代の自分に出会い癒やすというのはとても容易に行うことができました。