「ボイジャータロットと自由性」〜世界中のモチーフが幅広く描かれているカードとは〜

ボイジャータロット

こんにちは。ボイジャータロット国際認定ティーチャーのひあり奈央です。
今日は「ボイジャータロットと自由性」について書いていこうと思います。

 

ボイジャータロットは1985年に出版されました。

創始者はアメリカ人のジェームス・ワンレス氏。
4年の歳月をかけて制作されました。
今から30年以上前のことです。

今でこそありとあらゆるタイプの独創的なタロットも、日々リリースされるような世の中になりました。
しかし1985年当時のことを考えると、コラージュという手法でタロットカードを作るという斬新なこのアイデア。
それは相当に画期的で、タロットの歴史上でもかなり人々を驚かせた出来事だったのではないかと思います。

タロットカードに描かれる人物も、現代風の人々が多いのも特徴です。
それまでのカードが西洋人の貴族階級中心の人物だったのに対し、一般社会の普通の人々が多く描かれています。

ジェームスはボイジャータロットを制作する前には広く世界を旅して回っていたこともあり、世界中のモチーフが幅広く描かれていることもカードの特徴となっています。

ボイジャータロット

それは日本の剣道であったり、インドネシアのバリ島の「ケチャダンス」であったり、インドの修行僧「サドゥ」であったり、オーストラリアのアボリジニーやケニアのマサイ族の少女であったりします。

また「Player-遊ぶ子供」のカードにはディズニーランドの風景が描かれていますね。

また現代にのみ、重きを置いているカードかと思いきや、そうでもありません。

 

ボイジャータロットに登場する古代の神々や人物もまた多彩です。

「力」のカードでは古代エジプトの「空気の神」、シュウが描かれています。

また「女教皇」のカードに描かれている古代エジプトの女王「ネフェルティティ」。
ネフェルティティはBC14世紀頃の人物で、イクナートン(アメンホテプ4世)の妻です。
この二人は古代エジプトでは珍しい一夫一婦制で、アテン信仰という一神教を推進しました。

また「法王」のカードでは通常のタロットカードのキリスト教の法王ではなく、仏陀がメインに描かれています。

「皇帝」のカードではアレキサンダー大王(BC300年頃の人物)が描かれていますね。
そしてボイジャータロットでは、宇宙の風景がたくさんのカードに描かれています。

ボイジャータロット

こうしてみてみると、ボイジャータロットは地球の大地という側面から見ても、横に広がっていき、包み込むような大きさがあり、時代背景として見ても、紀元前の時代から現代までの縦としても非常に長い時代を扱っています。

ボイジャータロットと言うと、「新しい」という印象を持つ人々は多いのですが、
そこに描かれているものを細かく見ていくと、古き善きものも評価し、正当に扱っている自由なカードであることがわかります。

ボイジャータロットは、ジェームス氏がその存在全体で願っている、
「私達人間やありとあらゆる命ある存在が自由であること」への思いのエネルギーで満ち溢れています。

ボイジャータロットは、
より解放された自由度の高い、自分独自の幸福感に満ちた日々を送るように、自分自身も他者も
導くことが出来るようにデザインされた優れたツールなのです。

 

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