年末年始の「腰痛増加」と「糖質」の過剰摂取の関連性

腰痛と糖質の過剰摂取には関連性があるのでは?

クリスマスやお正月が終わった今の時期、毎年私の鍼灸院には、腰痛の患者さんが増えます。それも脚の神経痛を伴うもの。なぜでしょう?

今まで寒さが主な原因だと解釈していましたが、他にも何か原因があるはずです。腰痛の人は、割と太めの人が多いようです。そうすると、腰痛と食生活には何らかの因果関係があると考えられます。

最近何かと話題になっている「糖質制限」。糖質の摂取が、体に対してどういう影響があるのか?、賛否両論のようです。私の意見ですが、日本人の食生活には糖質が多すぎると思っています。タンパク質や脂肪は、体の構成要素であり、ある種のアミノ酸や脂肪酸は体内合成出来ないため、食物から必ず摂取しなければいけません 。しかし、糖質というのは主に体のエネルギー源であり、足りなければ他の物で代用出来ます。ですから、ダイエットなどで食事制限を行う場合は、糖質を制限するのが一番理にかなっていると思われます。これは本題ではないので、これ位にしておきます。

腰痛と糖質の過剰摂取には関連性があるのでは?

年末年始は、どうしても飲みすぎ、食べ過ぎになりがちです。当然、糖質も必要以上に摂取していると思われます。糖質を過剰摂取すると、当然余分な分は体に脂肪として蓄積され、肥満や成人病の原因になります。体重が重くなると、動くのが大変になるので今までよりも運動不足になりがちです。しかし、 それ以上に糖質の過剰摂取で問題なのは、「糖化」です。

「糖化」とは?
美容に関心のある方はご存じの方も多いと思いますが、「糖化」とは糖とタンパク質が結びつくことです。これは「メイラード反応」とも呼ばれる化学反応です。タンパク質と糖を含む食べ物を加熱した時、こんがりと茶色に色づき、香ばしい香りがします。ホットケーキなどがそうですね。これと同じようなものと考えられています。糖質は人間の大事なエネルギー源ですが、過剰になるとアミノ酸と結合して、最後に「AGE」(Advanced Glycation End-products)という終末糖化産物になります。体内にあるコラーゲン、ヘモグロビン、アルブミンなど、全てのタンパク質は全て糖化をおこします。

「AGE」が
■皮膚に蓄積すると……
コラーゲンが劣化して弾力を失い、皺やシミの原因になります。
■血管に蓄積すると……
血管は硬化し、血栓が出来やすくなり、動脈硬化の原因にもなります。
■骨や筋肉に蓄積すると……
骨や筋肉が弱くなり、腰痛や肩こり、その他の不定愁訴の原因にもなります。

なぜ年末年始に特に腰痛が多いのでしょうか?糖質の過剰摂取だけでは、腰痛が特に多くなるとは思われません。やはり、姿勢や生活習慣、気候などが影響していると考えられます。忘年会や新年会などは、仕事の後に行われる事 が多いと思います。仕事では座っている時間が一番長いですね。その後の宴会でも、やはり座っている姿勢が長くなるはずです。

寒いと体に必要以上に力が入ってしまいますし、体を締め付ける肌着を身につける事も多いと思います。今まで散歩の習慣があった方でも、寒さが厳しいと「今日は寒いからまた今度・・・・」となりがちではないでしょうか?また、アルコールが入ると普段より姿勢が崩れがちになりませんか?脚を前に投げ出して、首でイスの背もたれにもたれかかったり、肘を机について頬杖をついたり。自分は楽だと思っていても、腰には負担が大きい姿勢を長時間続けていたりしがちです。

解決策としては寒い時期でも、積極的に体を動かすようにし た方が良いと思います。また糖化というのは血糖値が高い時間が長ければそれに比例して起こりやすいのです。

一番簡単なのは、糖質の摂取を減らす事ですが、日本人の食生活では難しいかもしれません。姿勢に関しては、ずっと座りっぱなしにならないで、こまめに席を立つと良いでしょう。何か運動したいのですが、何が良いでしょうか?良く聞かれるのですが、好きなことで続けられる事が良いと思います。今まで運動する習慣がなかった人は、ラジオ体操なんかが良いのでは?それから散歩。わざわざジムに通ったり、外を息を切らして走ったりする必要はありません。健康のためなら、これ位が一番良いと思います。