総選挙での与党大敗、政局流動化という大動乱の渦中で — 五黄土星11月は、パラダイムの転換期に“慈悲の心”を持ちつつ細心の注意を払って行動する時
11月を迎えました。政治面では先月、27日に衆議院総選挙が行われましたが、自民・公明の連立与党が過半数を大きく割り込む惨敗を喫し、発足したばかりの石破政権は、早くもその先行きに暗雲が立ち込めました。野党は全体で大きく議席を伸ばしましたが、これまで長く続いた高齢者重視の政策とは対極の、20~30代の若年層に手取り収入の増加を訴える政党がネットを中心に支持を集め、勝利を収めました。
後述しますが、今月は冥王星が水瓶座へと完全に移動し、“風の時代”が本格的にスタートします。風のようにインターネットで訴えた政策が、多くの有権者の心をとらえ、現実の世界を動かしてゆく時代が、本格的に到来したと言えるでしょう。社会情勢は緊迫と混沌の度を増す一方ですが、どうか日本の未来が明るいものとなるよう、祈りたいものです。
立冬を迎える11月7日、月運が六白金星から五黄土星に移ります。五黄の“黄”は黄金、黄帝という言葉がある通り、気高く尊い、崇敬、崇拝といった象意があります。九星で最も、周囲に多大な影響を与える星です。
人に例えれば支配者、王、首相といった世の中心人物、一方で犯罪組織の首領、盗人、浮浪者といった象意があります。また、強欲、戦争、崩壊、破産、自然災害(地震、台風、暴風雨)といった意味もあります。また、交通標識では、黄色は“危険”を知らせる色として知られています。
今月は、特別国会での新首相の選出、新しい政権の枠組みを巡って、与野党と共に大きな混乱へと発展する可能性が高いでしょう。 “風の時代”入りの影響もあり、ここが日本の統治機構、パラダイムの大きな転換点と言えます。この時期は、市井での大規模な強盗殺人、詐欺、傷害犯罪の発生や企業倒産の増大、自然災害の発生等の可能性がある点にも、注意したいところです。
11月の月運の干支は、“乙亥(きのとい)”。冬を迎えた草花のイメージです。今月はこれまでコツコツと取り組んできたことが発展し、大きな成果を挙げることができるでしょう。どんな困難にも立ち向かう強さで、周囲の評価も高まるでしょう。ただ、目標の達成に向けて情熱を傾けるあまり、言葉がキツくなってしまう場面もありそうなので、注意しましょう。新しいことを始めるのにも、向いている月です。
二十八宿は“壁宿”。今月は、人を敬い、人助けの慈悲の精神で行動する場面が増えるようです。芸術的なセンスも高まる時なので、文芸や音楽、絵画など創作活動を行っている方は、会心の一作ができるかもしれません。この時期はお人好しな面が強調されるので、優しい心を利用されたり、詐欺に遭ったりする危険性もあるので注意しましょう。
重要な契約や勝負事に関しては、大安の2日、8日、14日、20日、26日、百事吉の11日、一粒万倍日の2日、5日、17日、18日、29日、30日に設定すると良いでしょう。デートや告白、プロポーズを考えている方は、上記の日を選びましょう。なお、今月の暗剣殺はありません。25日からは、天一天上となります。部屋の掃除さえしっかりしておけば。方位に障りはありません。
冥王星水瓶座入りで世の価値観が転回を始める11月 — 風の時代は、“生きづらさ”が解消され自己の生命を輝かせる時代
西洋占星術の観点で言えば、引き続き海王星は年末まで、魚座で最後の逆行中です。先月も宮崎では土砂崩れで死亡者が出ましたが、今月も地震や土砂災害には、今月も地震や土砂災害には、細心の注意を払いましょう。1日21時46分には、蠍座で新月を迎えます。大きな自己変容、社会構造の転換の流れの中で、過去の失敗、悲恋などの挫折や後悔の念をキッパリと断ち、真のパートナーシップの統合へと進む時です。誰もが色気を放つ雰囲気もあるので、化粧や香水、小物など、おしゃれに気を遣ってみると良いでしょう。深い魂のつながりを感じる存在と、急速に関係が発展する時でもあります。
3日には、水星が射手座に移動します(26日より逆行)。今月は、皆が情熱的になり、これまで飲み込んでいた言葉を、堰を切ったように外に出して表現してゆく時です。熱いコミュニケーションが交わされる中で、その思いに共振した仲間との友情が深まり、その中から新たな恋愛が始まることもあるでしょう。
4日には、火星が獅子座に入ります。今月から年末にかけては、誰もが仕事や夢の実現に邁進し、闘志を燃やす時です。性的なパワーも強まる時なので、心よりも体から始まる恋愛があるかもしれません。また、この時期はエネルギーが誤った方向に爆発すると、テロや強盗傷害、性的暴行といったケースが増える可能性があるので、身を護るために細心の注意を払いましょう。
12日には、金星が山羊座に移ります。この晩秋は現実的なムードになり、将来の結婚、安定した生活を見据えた、堅実な相手を選ぶ時です。非正規やバイト暮らしなど、不安定な生活を送る男性と交際をしている女性は、将来が見えない相手との関係を清算し、公務員や会社員など、継続安定収入を得ている男性に乗り換える時期です。
15日には、魚座の土星が5ヶ月ぶりに順行へ転じます。この時期は、いわゆる“境界”が溶解してゆく流れの中で、日本では多文化共生への試練の場面が訪れそうです。また、国民の信を失った政権が弱体化し、来年の5月まで首相の交代を含めた混乱が、政界を覆うでしょう。個人面ではこの時期、手弁当で親身になって支えてくれるような、熱い友情で結ばれた存在と絆が深まりそうです。生活に困窮したり、精神面で傷を負っている弱者層への救済、セーフティーネットのシステムづくり等が活発化する流れも出てくるしょう。
16日6時28分の牡牛座満月(ビーバームーン)は、過去のネガティブな感情を完全に手放し、来年に向けスムーズな人間関係が整えられる流れです。コミュニケーションが円滑になり同僚や友人と過ごす時間を楽しめる一方で、クリスマスまで1ヶ月を切るこの時期、イブの前後は誰と一緒に過ごしたいかを思い浮かべながら行動しましょう。運命のパートナーが登場する暗示もあります。自分の人生に、別のタイムラインが屹立する時です。
そして20日には、破壊と再生の象徴・冥王星が、水瓶座に移動します(本格的な“風の時代”入り)。200年単位での、大きなパラダイムの転換の時です。先の総選挙でも強固な組織を有する与党が惨敗を喫しましたが、いわゆる “地の時代”に繁栄を謳歌した芸能界、大学、宗教団体、大政党など各界の権威、権力ある組織の“闇”が露見し、今後は各界の頂点に君臨してきた指導者の相次ぐ退陣/引退、大規模な粛清等が進むでしょう。
個人レベルに於いては不健全な人間関係の清算が強まるので、仮面夫婦の離婚や長く交際したカップルの別離、上辺だけの友人関係の解消などが促進されるでしょう。また、これまで沈黙していた“無告の民”がprotest(抗議)の声を上げ始め、そのマグマの如く溜まった不平不満は、火山の噴火や大規模な地震といった天災の形で表出する可能性も、あるかもしれません。
“カリスマ”が表舞台から消えると同時に、国家や会社、組織の縛りが溶解してゆき、個人はネットを媒介として国籍、門地を超えた緩やかなfederationを形成し、各々の得意分野を活かしフラットに協力し合う流れが社会に大きな影響を及ぼしてゆく時代となるでしょう。物質や財産ではなく、ヨコの繋がり、助け合いが重視される、これまで“生きづらさ”を感じていた人には、命を輝かせる時代の到来と言えます。これからが“人生の本番”と信じ、希望を失わずに、生きてゆきましょう。
季節外れの高温が続きましたが、いよいよ、冬の足音が聞こえてくる季節となりました。最後に、今月は“詩聖”と謳われた中国最大の詩人・杜甫 (712~770)の「衛八處士に贈る」から、有名な一節を引きましょう。
“人生不相見 人生相見ざること
動如參與商 動(やや)もすれば參と商との如し
今夕是何夕 今夕は是れ何の夕ぞ
共此燈燭光 此の燈燭の光を共にず”
《訳》あなたとなかなか会えないのは、參と商、ふたつの星のようですね。
でも幸いにもこの夕べ、あなたと蝋燭の光をと共にすることができました —
杜甫が、旧友の衛八處士と二十数年ぶりの奇跡的な再会を果たした際、その喜びを表した詩です。『參』とはオリオン座の三ツ星、『商』とは蠍座を指します。それぞれ天の両端に位置し、決して同時に現れることはありません。しかし、本当に縁のある存在とは、人生で何度でも、微笑み合う機会を持つことができるでしょう。
『參』は、必ず『商』と、めぐり逢うことができるのです。オリオン座流星群が、秋の蒼穹を彩る季節となりました。この11月は、寒さが一層厳しさを増してゆきますが、私たちの頭上を彩る冬の星座は、地上で本当にご縁のある魂同士の再会を、静かに見守ってくれることでしょう。
『TRINITY』の読者の皆様にとっては、先の見えない暗い社会環境の中にあっても、心から支え合える存在との出逢いの歓喜の中で、光に満ちた未来へと繋がる希望の蠟燭を灯し合う11月となりますよう、祈念しております。
(了)