令和3年5月メッセージ — 底なしのコロナ禍に狼狽える私たちは、空を泳ぐ鯉のぼりにそれでも“慈愛”の心を重ねる

5月

3度目の緊急事態宣言下で — 二黒土星5月は、更なるコロナの猛威と対峙しながら、慈愛の心を持って生き抜く時

5月を迎えました。
コロナウイルス禍はその猛威をとどめることなく、日本中を不安のどん底に陥れています。特に世間では今、イギリス型やインド型の変異株が、若年層の発症の増加に繋がっていると懸念されています。先月のまん延防止措置では感染拡大を抑えることはできず、日本の主要都市では、三たびの緊急事態宣言が発令されました。出口が見えない状況に、まさに打つ手なしといった状況です。今コロナ禍による経済停滞は、業種を問わず、多くの人々を路頭に迷わせています。風の時代に入り数ヶ月が経ちましたが、まさに今、パラダイム転換に伴う、大きな社会構造の変革の最中です。その副産物である大きな混迷を、皆で乗り切りたいものです。

立夏を迎える5月5日、月運が三碧木星から二黒土星に移ります。
二黒には“地球、大地、慈愛、貞節、母性愛、迷い”といった象意があります。
“土”の星ですので、今月は、目先の困難に果敢に立ち向かい、大切なものを護るために、粘り強く目標を成し遂げようと奮闘する暗示です。

5月の月運の干支は“癸巳”。
夏を迎えたばかりの頃に降る、恵みの雨のイメージです。

今月は真面目、ひたむき、情熱といったキーワードが浮かんできます。

厳しい状況を打開すべく、ダブルワークや効果的な副業などで収入を確保するなど、奮闘する人が多くなる暗示です。頑張っておられる方には何かしら、良い情報がもたらされるかもしれません。経済的な苦境による鬱屈からの深酒や、周囲との不意の衝突には注意したいところです。“巳”の月ですので、弁財天を祀る神社にお詣りなどすると、心に安寧を得られ、神様の助力を得られるでしょう。なお、方位は北東、南西が大凶となりますので、この方位に旅行等は控えましょう。

 

ルノルマン&タロットによる個人面/社会面の月間リーディング — “手紙”“花束”、そして“塔(正)”“審判(逆)”のカードが暗示する2021年5月の暗示は

5月の月間リーディングを、個人の生活面はルノルマンカード3枚引きで、社会情勢はタロットカードを使用し、スリーカードスプレッドで占いました。

5月

ルノルマンリーディングで出たのは、『クロス』『花束』『手紙』のカード。
『クロス』は“運命的なこと、使命、天命”を、
『花束』は“祝福、感動、喜び、贈り物”を、
『手紙』は“便り、メール、郵便物”を表します。

今月の個人面は、運命的な絆で結ばれた人、意中の人から待ちわびた連絡が届いたり、或いは自分から誰かに、意を決して連絡を取る場面がありそうです。それは、今後の人生を大きく左右する、心温まるサプライズの時となるでしょう。4月に進学や就職などで新しい環境に身を置いた人にとっては、そこで出逢ったばかりの異性と、早くも交際がスタートするかもしれません。今回の交際は、大変喜ばしい結果となりそうです。

社会情勢を占ったタロットカードで出たのは『塔(正位置)』『力(逆位置)』『審判(逆位置)』。アドヴァイスカードは『愚者(正位置)』。

“塔(正位置)”は、突発的な出来事、破壊、崩壊を意味します。“力(逆位置)”は、停止、衰弱、権力の濫用、考えの甘さ、自制心がない状態といった意味を、“審判(逆位置)”は、新しいステージに向かう扉を開けることができない、意図した方向に向かうことができない状態。計画の再開には、時間がかかるさまを表します。そしてアドヴァイスカードの“愚者(正位置)”は愚かさ、転職、展望のない独立などを意味します。

総合すると、この5月は、厳しい言葉になりますが、全国でコロナパンデミックが拡大し、社会が大混乱に陥る暗示が出ています。度重なる緊急事態宣言に国民の緊張感が弛緩し、特に若者は抑圧への反発から深夜の徘徊や騒擾といった行動に出る可能性があります。百貨店への休業要請、大規模な消灯等もあまり効果を出せず、また経済が回復する見込みはありません。全く展望が開けない状況に、国民の不満は更に高まるようです。休業を余儀なくされた個人商店などの小規模ビジネスなどは行き詰まり、不本意な形での清算、転職を余儀なくされる人が続出するでしょう。人々は、更に厳しい状況へと追い込まれまれそうですが、“善人には善果あるべし、悪人には悪果あるべし”という言葉があります。どうか犯罪等には手を染めず、歯を食いしばって生き抜いて“徳”を積むことを心掛けたいものです。

5月

 

青空を泳ぐ鯉のぼりが教えてくれること — 仲間と決して争わず、健(したた)かに生き抜く生命力を持て

西洋占星術の観点で言えば、先月は23日に火星が蟹座に入り、28日には冥王星が逆行を始めました。今月は自分らしい生き方を模索しながら、情熱的、衝動的な勇気ある行動によって運命に導かれる場面がありそうです。5月は4日の4時50分に水瓶座で下弦の月、水星は双子座へ。9日の金星双子座入りを経て、12日4時0分には、牡牛座で新月。運命の出逢いが用意されていたり、深い絆で結ばれた真実のパートナーとは誰かを想う時です。14日には、幸運と拡大の吉星・木星が水瓶座から一時、魚座に入ります(~7/28)。個人の恋愛から、スケールの大きい人間愛、慈愛へと気持ちが向かう時。ボランティア活動を始める人も増えるかもしれません。20日4時13分の乙女座での上弦の月を経て、22日は太陽が双子座入りし、翌23日には土星が水瓶座で逆行を開始(~10/12)。そして、26日20時15分の射手座での満月(フラワームーン)は、皆既月食となります。この頃には、報われなかった執着や思い込みを完全に手放し、改めて誰と深いパートナーシップを築いてゆくかを、前向きに考えていることでしょう。“闇”を拭い去った30日には、双子座の水星が逆行を開始します。懐かしい友達から思いがけず連絡が来るなど、過去からのプレゼントが、もたらされるかもしれません。

今月は、“こどもの日”がある月です。
電車に乗っていると、鮮やかな鯉のぼりが風に泳いでいるのを、車窓からよく見かけます。

私が好きな絵師である、片岡鶴太郎さんの作品に、『虹鯉』という名画があります。
色とりどりの恰幅の良い鯉が、大きく口を空けながら、その生命力の強さを観る者に提示する、味わい深い一作です。
今月は、その『虹鯉』を発表した際の、鶴太郎さんの言葉を引きましょう。

 

二百三十年以上生きた鯉がいた。

緋鯉の花子。鯉は長寿である。

それに肖(あやか)り、男子が生まれると鯉のぼりを上げ、

元気で逞(たくま)しくあることを願った。

鯉は歯を持たない。

仲間たちと争うことを嫌った。

どんな状況下でも、その環境に順応し、

健(したた)かに生き抜く生命力を持っている。

しかし、一旦俎板(まないた)に載せ、目を塞ぐと決心をする。

その潔さ、その生き方に私は敬服致しているのである。

幾多の生き物たちが、

挑んでもなしえなかった登竜門への滝を、

この鯉だけが登りきった。

鯉とはそれ程に気高く、

崇高な魂を持ったお方様なのである。

 

今月のテーマである“慈愛”とも響き合う、味わい深い言葉です。

日本人は元来、“和”の精神で、争いを極力避け、互いを理解し合い、助け合ってきた民族です。

長引くコロナ禍の影響で心が荒み、悪の誘いに惹かれてしまう状況の方もいらっしゃるでしょう。

しかし、“歯をもたないという強さ”を選んだ者には、必ず、生命の滝を登り切る崇高な魂が、備わっているのです。

絶望ではなく、“希望を選ぶ鯉”と、なってください。

どうか、皆様が慈愛の心で生命を繋ぐ5月となりますよう、祈念しております。

 

(了)

 

姓名学者・八田運命総合鑑定所主宰/八田靖彦

 

《八田靖彦(はったやすひこ) さんの記事一覧はコチラ》
https://www.el-aura.com/writer/hatta/?c=138853