七赤金星庚子・2020年のスタートにあたって——新たな令和の時代の下、人は魂の悲願の達成に向かって闘い続ける

スタート

歴史は、繰り返します。
まさに、“令和政変”の年と言えるでしょう。

姓名学者として、2020年を象徴する漢字一字を挙げるなら、“改”としたいと思います。
“古い”ものが“篩”(ふるい)にかけられ、全てが、改むる。西洋占星術の観点で言えば、仕事や報酬、社会的地位などを支配する山羊座に土星、木星、冥王星が集結するトリプル・グレート・コンジャクション期に入ります。非正規や派遣など、不安定な立場での生活を強いられてきた女性には、収入や名声を保持する男性との出逢い、結婚に恵まれるチャンスの時です。冥王星は“100かゼロか”、はっきりと厳しい結果を迫ってくる惑星ですので、これまで必死に努力してきたほど、その恩恵を受け、まさに人生の全ての景色が、改まる感覚を受けるでしょう。
東洋占術でいう庚”は激しい戦闘の年ですが、それは自分自身と向き合う、“私闘”の年とも言えます。
闘いの果てに、探し求めた安寧を手に入れることができる一年としたいものです。

 

忘却の原を横切る私たちは、生まれ変わるたびに“忘れ河”の水を呑む — 人生の喜びも悲しみも、全て自ら選んだもの

私は正月早々、引っ越しをすることになり、仕事の傍ら、年末はその作業に追われていました。
先月26日の山羊座の新月=金環日食はリセット、意識革命を促す強力なサインでしたが、その影響か、今回の引っ越しは私にとっても過去を断ち切る、新たなスタートという意味合いもあり、身の回りのものをかなり処分しました。
実家から持ってきた本も大量に整理したのですが、紐で縛る前についつい手でページをめくっていまい、作業が止まることも一度や二度ではありませんでした。
その、懐かしく読み返した本の中に、学生時代に大変感銘を受けた、小林秀雄の『考へるヒント』があります。
年頭にあたり、今回はその一節を引きましょう。

“めいめい次の運命を選んだもの共は、
「必然」の椅子に坐らせられてから、
「忘却の原」を横切るのだが、喉が渇いて、
誰も彼も、「忘れ河」の水を呑んでから、
めいめいの誕生に向つて運ばれるから、
運命は自分が選んだとは、誰ひとり考へないやうになる。”

スタート

自分の人生に起きる喜びも悲しみも、それは自分が生まれる前に、全て魂の修行と課して、必然の如く起こるものです。

気が遠くなるような輪廻転生のたびに、私たちは「忘却の原」を横切り、「忘れ河」の水を呑んで、再び新しい肉体でこの世に降り立ちます。

現在、纏っているこの肉体でしか、学べないことがあります。

いつか、次の「忘れ河」の水を呑むまでに、めいめいに選んで授かったこの生命を、有意義に燃やし切りましょう。
2020年、皆様の魂が愛と光で包まれるよう、祈念しております。

姓名学者・八田運命総合鑑定所主宰/八田靖彦

(了)

 

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