同性愛に悩む方々からの相談と向き合って—この世に必要のない人間は一人もいない

同性愛者の方には、立派な魂を備えた方が多くおられます。 それは、「性の不一致」という、人間にとって余りにも大きな問題を抱えるという“学び”を、生まれる前に自らに課して生まれてきているからです。

占い師として多くの同性愛者の相談と向き合ってきた経験から

先週、台湾で、同性婚を認めない現行民法は「違憲」に当たるとの判断が同国の最高裁判所で示され、アジアで初めて同性婚の合法化が実現する見通しとなりました。

同国では同性愛者など性的少数者(LGBT)の活動が活発で、台北市で毎年行われるゲイパレードはアジア最大級の規模です。しかし国内の保守派からの反発は大きく、これから法整備に向けて紆余曲折が予想されます。

占い師として対面鑑定を行っていると、同性愛者の方からカウンセリングを求められることが最近は増えました。
私はヘテロセクシャル(異性愛者)なので、完全に相談者の方の苦しみをシェアできる訳ではありません。
ただ、私を信用してご相談頂いているので、できる限りその悩みに寄り添うように最大限の努力はしています。

同性愛の方にとっての最大の問題は、やはり“恋愛の成就”。
いまおつき合いしている相手と、今の生活をいつまで続けられるだろうか。
それぞれの両親に、いつカミングアウトすればいいか。
その苦悩は海よりも深いものです。

今回は、恐らく『TRINITY』の読者の皆様の中にもいらっしゃるであろう、同性愛に悩む方へ、私が占い師として伝えたいことを記したいと思います。

 

人は違いがあって当然—生まれた国の伝統とどう折り合いをつけるか

昨年、惜しくも解散したSMAPの最大のヒット曲といえば、言わずと知れた『世界に一つだけの花』です。
この歌の作者は、ホモセクシャルであることを公表された、槙原敬之さん。
「性別を超えて、ひとりの人間として僕を尊重してほしい」という彼の曇りのない心の叫びが、大衆の心を動かしたのでしょう。

人間は、違いがあって当然です。
その違いを認め合って、不幸だと感じている人を少なくさせる社会を実現させることを、“ノーマライゼーション”と呼ぶのでしょう。

スピリチュアルの観点で言えば、同性愛者の方には、『性別を超えた、立派な人格を備えている方』が多くいらっしゃるからです。
同性愛者の方は、前世までで“男”も“女”も十分に経験し、性別を超えた思想=神に近い境涯に到達している場合が多いと言えます。

あの美輪明宏さんがスピリチュアル界隈でカリスマと持て囃されるのも、この不確実な時代に、美輪さんが自身を指して言う“菩薩様”の指し示す進路が必要だと、世の人々の多くが考えているからでしょう。
そこには、「あの人はホモセクシャルだから」などという、侮蔑の感情など、存在しないはずです。

 

人は社会的存在となることでその自由が実現される—全てを抱擁する世界を

我が国には“伝統”というものが脈々と続き、私たち日本人の社会常識、感情の安定装置として機能しています。
相撲の土俵や、修験道の道場がある霊山は、現在も女人禁制です。
ジェンダーの視点でいえばこれらは差別に当たるかもしれませんが、伝統の打破を唱えるフェミニストと呼ばれる女性たちの主張は、未だ日本人の大勢とは成り得ていません。
“自分が生まれた国の伝統を受け入れる”ということは、“社会を受け入れる”ということ。
それは、成熟した大人としての当然の務めです。
大半の同性愛者の方々は、“日本社会の風土と旨くやっていきながら、静かにパートナーと暮らしていきたい”と考えているのが正直なところでしょう。