運を強化し、願いを叶えるキーポイントPART.67 ~エンジェルセラピスト友紀が語る~ 天使との対話 マドンナリリー 『SUPER GIRL(スーパーガール)』

主人公黒二子(こにこ)の実家は祖父母の代から続く地元で有名な商店。しかし、地元に大型スーパーができてしまい、商店街の皆が経営の不安に……。そんな中黒二子に舞い降りた天使からのメッセージとは!?

☆~エンジェルセラピスト友紀が語る~ 天使との対話 マドンナリリー☆

🌹 SUPER GIRL(スーパーガール)
~釜戸の女神ヴェスタとの対話 「肝っ玉母ちゃん、私たちはスーパーガール」~

黒二子(こにこ)35歳は、JR奥羽本線に揺られ、リンゴの名産で有名な弘前市内の街へ買い出しに出かけた。久しぶりの電車での外出、帰りにアンジェリックのアップルパイを買って帰ろう🍎奥羽本線の窓から見える景色は、うっすらと雪化粧し、黒二子の肌に負けないくらい白くキラキラと輝き、太陽に照らされ、まるで雪が微笑んでいるようだった。

 

黒二子は青森県弘前市からJR本線で20分ほどの温泉街にほど近い町で生まれ育った。

両親は岩木山商店といって、祖父母の代から続く、肉や魚や野菜、お菓子なども扱う地元ではちょっとした有名な商店を営んでいた。岩木山商店の由来は、祖父が青森県の津軽富士とも呼ばれ、農業・漁業・五穀豊穣を祀る岩木山神社からとったそうだ。おかげで毎年、我が家の初詣はこの一年間の商売繁盛と家族の健康を祈願しに岩木山神社へ家族で御参りに行くのが年明けの行事となっていた。

黒二子は地元の高校を卒業し、弘前市内のミッション系短大に進んだが、卒業後は東京へは行かず、地元の信用金庫に就職し、26歳で寿退職するまでずっと自宅から通勤した。

結婚後は自宅近くに新居を構え、家業を手伝いながら、二人の子育てに追われ、忙しい日々を送っていた。60代の両親の代わりに、配達など力仕事は黒二子が進んで行った。

黒二子の住むこの街も、数年前に比べたら、24時間営業のストアや大型スーパーなどは数を増やしていたが、若い人は仙台、札幌、東京など、それぞれの場所へ就職や進学などで出て行ってしまい、人口は年々減る一方だった。酒屋さんたちの話しでは、都心から来た業者に24時間営業のストアにしないか? と誘いを度々持ちかけられるが、実際はかなりのリベートを取られてしまい、経営は大変だという話があちらこちらで出回っていた。岩木山商店も声をかけられたが直ぐに低調にお断りした。そして5年前、2キロ先の場所にスーパーが出来たことから、お客様たちの足はそちらへ流れてしまい、岩木山商店はかなりの打撃を受けていた。それでも祖父母時代からのお客様は細々と来てくれていた。

 

3年前のある日、大ニュースが飛び込んで来た。

なんと岩木山商店の真向かいに大型スーパーが1年計画で出来るという話だった。翌朝、父が市場へ行くと、スーパーの話題でもちきりだった。父は高校を卒業して以来ずっとこの47年間、雨の日も、風の日も、雪の日も変わらずに毎朝5時に起きて軽トラックで市場へ買い出しに行く。市場での一番の楽しみは顔なじみの店で頂く一杯のお茶だ。天気の話題や商売の話題など話は尽きない。顔なじみの個人商店の店主たちはスーパー建設について、皆、先行きが不安だと言った。大型スーパーへ行けば、なんでも揃っている。肉や魚、野菜、薬、衣料品、電化製品。わざわざ、たった1つの商品を買う為だけに、個人商店へ出向くことなんてしなくていいのだ。

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みんなの不安をよそに、着々と建設は進み、1年後、華々しく大型スーパーは開店された。

チラシやケーブルTVなど宣伝・広告のなせる技は凄かった。そして、案の定、岩木山商店のお客様はどっと減ってしまった。時折、「母ちゃんの顔見るとホッとするよ」と母に言い、細々と来てくれる昔からの常連客もいた。東京で雇用先が決まらなく、プラプラしていた同級生も、大型スーパーに採用され、地元で腰を据えてがんばると生活をシフトさせている者もいた。

さて我が家はこれからどうしよう? 両親は子供たちも独立しているし、年金で細々とやっていけばいいから、もうお店を閉めようと私に提案して来た。私は何日も考えた。考えて、考えて、考えたが、閉めるという結論には至らなかった。何かできるはず! 祖父から譲り受けたこのお店を閉めるわけにはいかない。