一口に人形といえど〜幸運を呼ぶ人形のせいで警察や飛行機会社までが大騒ぎ

福の神といっても、外見は「帽子をかぶった普通のおじさん」であり、お金や洋服、家電製品のミニチュアなどを体中に巻き付けた姿はユーモラスであり、さらにタバコをくわえさせるという点も非常に現実的ですが、もともとは「インカ帝国で信仰されていた神様」だったといわれています。

【人形には魂が宿りやすい】

「幸運を呼ぶ人形」というものをご存じでしょうか? 人形というのは、そもそも人の姿を模したものですので、古来から「魂が宿りやすい」といわれてきました。そのために、日本ではどちらかというと、髪の毛が伸びる人形のように、いわゆる「呪いの人形」のほうが一般的かも知れません。

 

【呪いの人形】

もちろん、海外にも日本と同じような「呪いの人形」が存在しています。
アメリカでは「アナベル」という名前のついた「ラガディ・アン人形」が呪いの人形として有名であり、人の首を絞めたり、文字を書いたりとなかなか派手な行動をしたことで知られています。
メキシコには、「ソチミルコ島」という人形で溢れた島があります。この島は、一人の男が「少女の霊を供養するために人形を集め始めた」といわれています。こちらは、現在では無人島となっており、古びた人形だけが放置されているために、「不気味な観光スポット」として一部の人に人気があるようです。

 

【幸運を運ぶ人形】

このように「不気味なエピソードの方が有名になりがち」ですが、「幸運を運んでくれる人形」というのも存在しています。6年ほど前にテレビで紹介されたことがきっかけで、一躍人気になったのが南米で作られている「エケコ人形」。
こちらは、「福の神を象ったもの」であり、自分が手に入れたいものを持たせて、タバコをくわえさせることで、目的のものを運んできてくれるといわれています。

Equeko

 

【ユーモラスなエケコ人形】

福の神といっても、外見は「帽子をかぶった普通のおじさん」であり、お金や洋服、家電製品のミニチュアなどを体中に巻き付けた姿はユーモラスであり、さらにタバコをくわえさせるという点も非常に現実的ですが、もともとは「インカ帝国で信仰されていた神様」だったといわれています。
古代にも「タバコの煙を使って願いを届ける」という儀式が行われていたものが簡略化されて、現在のような姿になったのです。お金だけでなく、「恋愛にも効果的」ということでテレビで紹介されて、一躍大人気となりましたが、最近ではブームも過ぎ去ったのか、エケコ人形を日本で見かけることは少なくなってきました。

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【タイで大人気の子供の天使人形】

最近、別の幸運の人形が話題となっています。それは「Luk Thep(ルクテープ)」と呼ばれるもの。
こちらは、日本ではなく、タイで非常に人気になっており、「社会現象」にまでなっているのです。日本語に直すと、「子供の天使」と呼ばれるこの人形は、その名の通り、赤ちゃんサイズの比較的大きなもので、安いものは5000円程度、高い物は10万円以上するというのですが、幸運を運んでくれるとして、「本物の人間のように世話する」人が増えているのだそうです。

そのために、航空会社が「人形にたいして子供料金を適用し、さらに軽食などを提供するサービス」を開始しました。
その一方で、警察はこの人形を使った密輸に目を光らせています。

ある程度のサイズがあるために、麻薬などを隠しやすく、実際に摘発されているのです。こういった状況があるにも関わらず、ルクテープは一部から新興宗教と呼ばれるほど人気になっています。

そもそも、タイには迷信深い人が多く、10年ほど前には「ブドゥ人形」という、小型の編みぐるみのような人形が幸運をもたらすとして話題となり、こちらは日本にも輸入されていました。

 

【人形の扱いには要注意】

冒頭でも紹介したように、そもそも人形はスピリチュアルな目的に使いやすいものですので、「神様が宿ったり、精霊が宿る」こともあると思いますが、「性質の悪い霊が宿る可能性」もありますので、人形を扱うときは注意が必要となります。

くれぐれも、性質の悪いものが入った人形を手に入れないように気をつけた方がいいでしょう。

Doll brings good luck and the curse.
Handling of the doll should be done carefully.
トップ及び文中画像:
ウィキペディアより(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A8%E3%82%B1%E3%82%B3#/media/File:Equeko.jpg)

 

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