内気さの中に神秘の力を秘めた冬に咲く花 シクラメン

古代ローマの博物学者である「プリニウス」は、その著書である『博物誌』の中で、「シクラメンが咲く場所ではすべての呪いは無力になる」とし、「魔除け、呪い除けのために全ての家はシクラメンを植えるべき」だと主張していました。

冬でも美しい姿を見せてくれる花があります

冬のまっただ中、「寒い時期に美しい姿を見せてくれる花であるシクラメン」。今の時期になると、お花屋さんの店頭で、美しいピンク色を見せてくれる可憐な花です。サクラソウ科の多年草であるこの花は、赤やピンク、白などの色をもち、自己主張の少ない「うつむいたような咲き方をする」という特徴があります。

その咲き方と、うっすらとしたピンクの色合いから「内気」「はにかみ」「遠慮」などという花言葉を持っているのですが、実はこの花は、見かけによらずかなり「スピリチュアルな力を秘めている」のです。

 

偉大なる魔術師とシクラメンの関係

シクラメンの原産地は、イスラエルなのですが、偉大な魔術師である「ソロモン王」と関わりをもっています。ソロモン王とは、『旧約聖書』に登場するイスラエルの王ですが、神から叡智を授けられたとされており、その力によって「多くの天使と悪魔を使役した」といわれています。そのために、中世においては、ソロモン王の名前を仮託した魔術書が多く執筆されました。

フィクションの世界などでもたびたび取り上げられる、ソロモン王が使役したという「七十二の魔神、もしくは悪魔」というのは非常にポピュラーですし、別の魔術書では天使の呼び方を紹介したり、様々な惑星の力を操るための護符などもソロモン王が起源とされています。まさに、「魔術師の中の魔術師といえる存在」ですが、そんなソロモン王でも自由にならないことはありました。

あるとき、ソロモン王が自らの冠に花を飾ろうとして、様々な花に声をかけたのですが、「どの花にも断られてしまいました」。悪魔や天使を従わせることの出来るソロモン王が、花には反抗されてしまうというのも、なんとなくかわいらしい感じがしますが、そこで、困ってしまったソロモン王を可哀想に思ったシクラメンが、冠を飾ることを約束しました。ソロモン王は喜んでシクラメンを褒め称えたところ、その言葉にシクラメンが「恥ずかしさで赤くなり、うつむいたために、今のような姿になった」というわけです。

 

神秘の力を秘めた名前

伝説的な魔術師である王の冠を飾ったことからも、その神秘的な力が感じられますが、シクラメンは「語源もスピリチュアル」です。シクラメンの実がついた茎は、螺旋状に丸まるという性質を持っています。そのために、ギリシア語で「螺旋や円」を意味する「キクロス(kiklos)」が語源となったのだそうです。螺旋という図形がとても神秘的なものであり、「スピリチュアルなエネルギーを導いたり、増幅したりする」というのは、Trinity読者の皆様ならばすでにご承知のことと思います。

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魔を寄せ付けないシクラメンの力

このように神秘的な要素が沢山あるシクラメンは、「とても強い魔除けの力を持つ」とされていました。古代ローマの博物学者である「プリニウス」は、その著書である『博物誌』の中で、「シクラメンが咲く場所ではすべての呪いは無力になる」とし、「魔除け、呪い除けのために全ての家はシクラメンを植えるべき」だと主張していました。

可憐な姿だけでなく、非常にスピリチュアルな力を秘めたシクラメン。開花時期は10月〜3月ごろとされていますが、自宅で育て始めるならば、「気温が20度以下の季節がベスト」ということです。ちょっと育て方は難しいですが、きちんと育てることができれば、秋から冬にかけて、長い間花をさかせてくれるための、常に家族に話題を提供する「きずな」という花言葉もあるのだそうです。「家族のきずなを強め」、花が咲くことで「ネガティブなエネルギーや呪いから家を守ってくれる」シクラメン。今から育て始めて、しっかりと咲かせるように頑張ってみませんか?

Flowers bloom in winter.
Mysterious power possessed by the cyclamen.

 

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