「タロー・デ・パリ」の特長と魅力とは? 第3回目: 深遠な世界が描かれた「タロー・デ・パリ」 56枚の小アルカナ・カード

タローデパリ

【自然界の要素で分けられた「タロー・デ・パリ」の小アルカナ・ドメイン】

フィリップ・トーマスさんが創始した、「タロー・デ・パリ」も一般的なタロットカードも、22枚の「大アルカナ・カード」(以下、大アルカナ)と56枚の小アルカナ・カード、合計78枚で構成されています。

今回は、タロー・デ・パリの小アルカナが、従来のタロットとどのように違うのかをご紹介したいと思います。

小アルカナ・カードとは、私たちの日常生活の出来事、願望、問題、思考、状況などを映し出す鏡のようなカードです。
56枚の小アルカナは、14枚で構成される4つのドメイン(スート・組み分け)に分かれます。

タロットカードの場合は、「棒もしくは杖」「硬貨もしくは金貨」「剣」「聖杯」などが4つのドメインとして使われます。

しかし「タロー・デ・パリ」では、自然界の要素である、「マター(地)」「ウォーター(水)」「ファイアー(火)」「エアー(風)」が4つのドメインとなります。
それぞれのドメインが暗示するキーワードは、以下のようになります。

1. マター(地)
現実的、肉体、三次元的、物質、土地、経済、自然、農業、所有物、保障、家族
2. ウォーター(水)
感情、感覚、信念、記憶、直観的、印象的、受容、繊細さ、循環、変化
3. ファイアー(火)
創造性、意図、情熱、野心、競争、投資、探求、リスク、イニシアチブ
4. エアー(風)
思考、意思、コミュニケーション、マインド、言語、概念、理由、真実、倫理

タローデパリ

 

【男性性の「スタリオン」と女性性の「スピリット」を含むコートカード】

これら4つのドメインはそれぞれ、エース(1)から10までの数字を持つカードと、4枚の人物カードである「コートカード」(数字は持たない)で構成されています。

フィリップ・トーマスさんによれば「タロー・デ・パリでは、数字の性質を非常に重んじています」とのことで、数字にもキャラクター性があり、その意味合いとエレメントが組み合わさることで、各カードのストーリーが見えてくるそうです。

そしてコートカードでは、普通のタロットカードの場合、「王」「女王」「騎士」「従者」で構成されるのが一般的です。

しかし「タロー・デ・パリ」では、「キング」「クイーン」、そして、男性性を表す「スタリオン」と、女性性を表す「スピリット」がコートカードとなります。

コートカードは人物カードとも呼ばれ、数字は存在しません。
その理由は、人間のもつ気まぐれ、移り気な性質が予測不可能なものだからなのだそう。

コートカードは通常、リーディングの内容に何らかの影響を及ぼす特定の人物を表します(特にキングとクイーン)そうです。
あるいは、質問者と関わりのあるグループや家族、会社や場所に関わるメッセージとして出てくることもあるため、セッション全体の脈絡の中でコートカードが何を(誰を)演じているのか明確にする必要があるそうです。

これらの小アルカナ・カードで構成される「タロー・デ・パリ」。
どのような心構えで向き合うと効果的なのでしょうか。

フィリップ・トーマスさんは自身のホームページで次のように記しています。

全てのカードには光と闇があり、表裏一体です。
気付きを得るきっかけをカードのメッセージから受け取り、新たな見地から他の可能性を探ってみましょう。

カードは自分の思考や状況をスナップ写真のように見せてくれることが多々あるので、そこに変化を入れたいと強く思うならば、まずは自分の思い込み、固定概念を見直し、新たなマインドセッティングでカードを引くと効果的です。

つまり、全ては固定されているのではなく、流動性のあるもので、今を変えていく鍵は自分が発する思い•意図というエネルギーが元にあるということをビジュアル的に再確認させてくれます。
ここでも、変化を恐れとみなすか、あらたな選択としてみなすかが問われます。

タローデパリ

とても奥が深い「タロー・デ・パリ」。
引き続き、その深淵なる世界をご紹介していきます。

ぜひ、お楽しみに!

 

「タロー・デ・パリ」創始者&アーティスト:J. フィリップ・トーマス 〈プロフィール〉

米国出身。11歳の時、体外離脱体験をしたのがきっかけで精神世界探求がはじまる。アートと音楽を携えて18歳から世界を旅し暮らしていく中で、各地の文化、思想、伝統工芸などと出会い独自のエッセンスを加えた物作り、アート制作や音楽活動を実践。その中でも’81年に南仏とパリで遭遇した衝撃的な体験から生まれたカードとシステムは彼の人生を未知の世界へと誘うライフワークとなった。’82年にバリ島で生涯のパートナーとなる美香と出会い、日本との縁が非常に濃くなる。

2002年に英語版Tarot de Parisが出版され、更に2008年にはナチュラル・スピリット社から日本語版も出版され、日本でのタロー・デ・パリ講座やセッションを数多くこなしてきた。数多くあるタロットカードの中でも、絵柄のデザインとシステム概念の両方を一人のクリエイターが制作したケースは稀である。創始者ではあるがそれに留まらず、カードとシステムから常に新たな発見と情報をダウンロードし、進化を遂げている。

現在27年間のマウイ生活をあとにして、妻・美香と共に2015年より拠点を京都に移し、日本からの情報発信と意識拡大に貢献できるようセミナー&コンサルテーションなど精力的に活動中。