【釈迦は身長40メートル】
これぐらいならば、まだギリギリ遺灰として判別できそうな気がしますが、それから1000年以上の時が流れれ、仏舎利の数はインドだけでなく、中国や日本を含めて膨大な数に上りました。
一説によると、現在存在する「仏舎利の総量は2トンを越える」といわれています。前述の人間の骨の重さで計算すると、釈迦は「身長40メートル」近い巨人だったということになります。
いくら超人的な存在であった釈迦でも、巨大化はできなかったと思いますので、仏舎利のほとんどに「釈迦の骨以外のものがはいっている」ことになります。後年では遺品総てを仏舎利とするという解釈もあったようですが、それでも2トンというのは多すぎます。
このような状況になったのは、釈迦の死後、弟子たちが分裂したり、新しい仏教の流派が生まれるにあたって、自らの正統性をあらわすものとして、「仏舎利」がステータスになったためです。
現在でも、真正の仏舎利とはなにかという議論は続いており、日本でも奈良県にある「法隆寺」や、京都の「金閣寺」などの有名な寺院にも仏舎利が祀られています。
【仏舎利は実はパワーストーンだった?】
最終的には釈迦と直接関係がなくても、「経典を写経したものや、美しい宝石などもすべて仏舎利とする」ようになったようであり、ある意味なんでもありといえますが、そこで、ちょっとスピリチュアルな解釈も出てきています。
仏舎利というのは、たんなる遺骨や遺灰ではなく、「釈迦など高僧の遺体が火葬された後の灰の中にあらわれる結晶である」というのです。これは、特別なものであり、チベット仏教などでは「リンセル」と呼ばれています。
リンセルは釈迦のものに限らず、その弟子やチベットの聖者のものも含まれており、それらのリンセルを目にすることで、「安らぎを受けたり、釈迦の存在を感じたり、愛を感じたり、癒しを受ける人がいる」のだそうです。骨ではなく、宝石のようになった結晶ですので、もしかしたら特別なエネルギーがあるのかもしれません。
前述したように日本の各地に仏舎利を祀っているお寺は存在していますので、そういったところを訪れた時には、そこにある仏舎利がどのようなものなのか、そのエネルギーを感じてみるというのも面白い試みだと思います。