日本の粋とおもてなし 海外からの旅行者が蕎麦アレルギーをチェックできるアイテムが登場!

これは確率的にはとても低いものですが、0ではないために、このアレルギー・チェッカーを使ったイベントでは、万が一のため専門医の管理下でチェックが行われました。つまり、いつでも手軽にチェックすることは難しいということになります。

【縄文時代から食べられていた蕎麦】

蕎麦といえば、日本食の代表格の一つといえるでしょう。しかしながら、寿司や天ぷらのような華やかさに欠けるためか、シンプルな味わいのためか、いまいち海外ではメジャーになりきれない食べ物でもあります。

私たち日本人にとっては、年越し蕎麦や、引っ越し蕎麦など、「蕎麦を食べる機会」は多く、とても身近な食べ物といえますが、どれぐらい前から食べられていたのかということは意外と知られていません。現在イメージされる蕎麦と形は異なっていますが、植物の蕎麦自体はなんと「9000年以上前、縄文時代から食べられていた」とされています。

 

【蕎麦が主食にならなかった理由】

これは米の伝来よりも遙か昔です。蕎麦は比較的成長が早いことから、きちんとした農作技術が成立する前でも収穫が可能だったために、食物として古くから使われていたのでしょう。しかしながら、お米のように「主食の地位を獲得するところまではいきません」でした。それは、精米するのが手軽なお米に比べると、「蕎麦を製粉するのには技術が必要だった」ためなのです。

その証拠に、本格的に蕎麦が食べられるようになったのは、「石臼での製粉技術が伝来してから」です。つまり、縄文時代から数千年近く手軽に食べることが出来なかったわけです。製粉技術が得られたことによって、現在のような形の蕎麦が作られるようになり、「江戸時代にはすっかり庶民の食べ物として定着」しました。

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【ダイエットに向いている蕎麦】

最近では、蕎麦は炭水化物でありながら、お米やうどん、パスタなどとは違って「低GI食品」であることから、「ダイエットに向いた主食」として注目を集めています。蕎麦には「ビタミンB群や食物繊維」などが含まれているだけでなく、「ルチン」と呼ばれる血管を強くする成分も含まれているので、とても「健康的な食べ物」なのです。

このように、日本では常に食べられてきた蕎麦ですが、日本のように麺として、蕎麦を食べる国はほとんどありません。前述したように蕎麦は成長が早いために世界各地で食べられていますが、どちらかというと「小麦の代用品」という形で使われているのです。あくまでも小麦が主食のケースが多いために、蕎麦を口に入れたことがないという人も多いために、最近海外からやってくる人たちのために、非常に興味深いものが開発されました。

 

【蕎麦アレルギーをチェックするアイテム】

2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催にむけて、様々な場所で海外からの旅行者への対応が進んでいます。そんな中「230そば街道推進委員会」が開発したのは「タトゥー風そばアレルギー・チェッカー」。この委員会は北海道札幌市の国道230号線沿いの蕎麦店が集まって作ったものですが、こちらは、蕎麦アレルギーをチェックすることが可能となっているだけでなく、浮世絵を取り入れて外国人が積極的に使いたくなるようなデザインとなっています。

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【命に関わる蕎麦アレルギー】

蕎麦アレルギーは日本人にとっては常識であり、身近にアレルギーを持っている人や、自分が蕎麦アレルギーであるという人もいると思います。蕎麦アレルギーは蕎麦を摂取することで、すぐにアレルギー反応がでる「即時型アレルギー」であるだけでなく、症状が悪化すると死の危険性もある「劇症型アレルギー」でもあります。このことから、厚生労働省は蕎麦を「アレルギーの原因物質」として指定しており、蕎麦を扱うお店では表示義務が設けられています。これは蕎麦をゆでた汁だけでも発症する可能性があることから必須の注意事項といえますが、海外ではあまり麺状の蕎麦が知られていないために、「気づかずに食べてしまう危険性がある」わけです。

今回開発されたアレルギー・チェッカーはフェイクタトゥ風の浮世絵ステッカーにそば湯を塗って、皮膚の表面に目に見えないほど小さな傷をつけてからはることで、もし蕎麦アレルギーを持っていると「浮世絵の一部が赤く変化する」というものです。たんに、色が変わるだけではなく、デザイン的に意味がある部分が赤く見えるところが、「芸術性が高くユニークである」として話題になっています。

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【海外へ日本の良さを伝えるためには?】

命の危険性がある蕎麦アレルギーについて、海外の人に啓蒙するだけでなく、「日本のお土産としても持ち帰ることが可能」となっているあたり、「タトゥー風そばアレルギー・チェッカー」はとても良く出来ているものです。とはいっても、まだまだ課題は存在しています。こちらは、皮膚の表面に微細な傷をつける「プリックテスト」をベースとしているために、テストでも強いアレルギーショックを発生する可能性があります。これは確率的にはとても低いものですが、0ではないために、このアレルギー・チェッカーを使ったイベントでは、万が一のため専門医の管理下でチェックが行われました。つまり、いつでも手軽にチェックすることは難しいということになります。

このような課題があることは、開発した230そば街道推進委員会ではすでに把握されており、今後はより安全で楽しく、さらには手軽に行えるものを開発していく方向性のようです。これから、どんどんと旅行者が増えてくることを考えると、このケースのように、日本の文化を一方的に伝えるだけでなく、楽しさも提供出来るように一工夫するというのが、より重要なポイントとなってくることでしょう。

【参考サイト】
230そば街道推進委員会(Facebook)
https://www.facebook.com/230soba/

Relationship between the Japanese and buckwheat.
Japan seems to items that you want to check the buckwheat allergy.

 

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