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鶴は千年 亀は万年ってホント? 長寿の動物No1とは?

長生きを祝ったり、とても、おめでたいことを祝うときに使う「鶴は千年亀は万年」という言葉。なぜ、この二種類の動物はそれほど、縁起が良いと考えられたのか、皆さんご存知でしょうか?

 

【仙人のような不老不死の生物】

では、人間の平均寿命が長くなった現代において、鶴や亀のような存在はいないのかというと、実は世の中には「不老不死の生物」というものも存在します。まるで、前述した仙人のようですが、その生物とは「クラゲ」。

クラゲには、多種多様な存在がいますが、その中でも不老不死とされるのは「ベニクラゲ」。こちらは、世界中の温帯から熱帯にかけての海域に分布しており、「日本近海でも目にすることができる」、さほど珍しくない生物です。しかしながら、このクラゲはある程度の年齢に達すると、「ポリプ」という幼生体に戻り、そこからまた成長を開始するのです。

これを、人間に例えるならば、「老人になった段階で、自らを若返らせて赤ちゃんに変化していき、赤ちゃんまで戻ったら、また成長を開始して、大人に戻っていく」という感じになります。要は年をとったら、若返ってまた新しい生をやり直せるわけで、人間にとっては夢のような機能をもっているといえるでしょう。

クラゲ258351122

この不老不死現象は 1991年に地中海産のベニクラゲで発見されたのが初めてであり、その後、他の場所のベニクラゲでは確認できていなかったのですが、2001年に鹿児島湾で採取されたベニクラゲでも同じ現象が確認されたことから、単なる突然変異ではなく、ベニクラゲに共通した能力であることがわかっています。とはいっても、クラゲは非常に弱い生物であるので、水族館のような外敵がいない環境出ない限り、老いる前に外敵に食べられてしまうケースが多いのだそうです。

 

【古代から続く不老不死の探求】

昔の人たちは、鶴や亀の長寿にあやかろうと、肉を食べたり、その血を飲んだりしていましたが、現代でも人間の根本はかわっていません。さすがに、そのままベニクラゲを食べるというようなことはないものの、ベニクラゲが行う若返りの機能を分析して、なんとか人間にそれを適用するための研究は進められているのです。

古来から人間が他の動物にたくしていた、「長寿の夢」。ある程度の、長寿が実現してきた現代において、次に目指すのは「不老不死」だということなのでしょう。今後科学が発展して、若返りのシステムが完成したとしたら、そのときには鶴や亀はおめでたい動物ではなくなっているのかもしれません。

 

Auspicious animal.
Cranes and turtles live longer.
Immortality of the animal.