「昼は作業効率アップ、夜は安らかな睡眠をもたらすアミノ酸」 〜アミノ酸を学ぶ その2 脳に働きかけるテアニン〜

テアニンは「月経前症候群や更年期障害」といったホルモンバランスの乱れによる症状を改善する力があるといわれています。どちらも精神的に不安定になったりするものですので、テアニンによるリラックス効果が役に立つのです。

【お茶に含まれる注目のアミノ酸】

テアニンとは、「お茶や椿などといった一部の植物にのみ存在するアミノ酸」。特にお茶には豊富に含まれていることから、「お茶に含まれる旨み成分」として紹介されることが多いものです。お茶の木の根で作られたテアニンは、葉に移動し、そこで日光を浴びることで、今度はお茶の渋み成分である「カテキン」に変化します。カテキンにも、「殺菌作用や人体に有用な効果」がありますが、テアニンは特に「脳に働きかける作用を持っている」ことから、各所から注目を集めています。

 

【お茶でリラックスできるのはテアニンのおかげ】

基本的に、テアニンは「茶」と名前のつくものならば、含有量は変わりますが含まれています。緑茶はもちろん、紅茶やウーロン茶にも含まれていますので、これらを飲んだときに、「気分が落ち着いたり、なにかほっと一息ついたように感じる」というのは、テアニンが一役買っているわけです。

お茶には興奮作用がある「カフェイン」も含まれていますが、テアニンは「カフェインを抑制し、脳内のセロトニンやドーパミンなどの神経伝達物質に影響を与える」ことがわかっています。「太陽化学株式会社総合研究所と愛知淑徳大学が行った研究」では、テアニンによって「α波が増加し、リラックス状態を感じる」という結果がでています。

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【テアニンが持つ相反する効果の秘密】

α波とは、Trinity読者の皆様ならばすでにご存じかと思いますが、リラックスしたときや、瞑想をしたり、理想的な集中状態に入ったときに表れる脳波のこと。「リラックスしつつ、覚醒状態にある」といえますが、面白いことにテアニンは、「心地良い睡眠へと誘導する力」も備えているのです。

集中と睡眠というのは、相反するように思えますが、テアニンは「体内時計」を調整するセロトニンに影響を与えます。そのために、身体が「昼間と夜間を正常に判断することが出来る」ようになるのです。ですので、日中にテアニンを摂取した場合は、集中力を増し活動的になり、夜間にテアニンを摂取すると、沈静化し催眠作用をもたらしてくれるのです。ですから、コーヒーのように夜飲むと興奮して眠れなくなったりということはありませんし、逆に日中にテアニンを摂取することで、リラックスしすぎて眠気が襲ってくるということもないわけです。

他にもテアニンは「月経前症候群や更年期障害」といったホルモンバランスの乱れによる症状を改善する力があるといわれています。どちらも精神的に不安定になったりするものですので、テアニンによるリラックス効果が役に立つのです。

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【どれぐらい摂取したらいいの?】

このように、非常に便利な働きをしてくれるテアニンですが、その「必要摂取量」というのは実ははっきりと決まっていません。人体に必要不可欠である「必須アミノ酸」ではないので、簡単に言うと摂取してもしなくても、どちらでもOKなのです。ただし、「200mg」ほど摂取すると効果が体感出来やすいといわれています。しかしながら、これだけの量をお茶で摂取するというのは、かなり難しいものです。