海猫屋の「不思議なことなどなにもない!」まずはお友達からお願いします!PART.3+読者プレゼント

誰でも一度は考えたことがある「友達の定義ってなんだろう?」

本当にひどい人たちばかりであれば、むしろ交友のシャッターを降ろす必要などなかったのです。新たな出会いは優しい人ばかりでした。私は慣れない優しさが怖くて、その場を逃げ出したのです。
引きこもりから脱していましたが、離人感、健忘、そして極度の不眠はまだ繰り返していましたし、健忘以外は今も完治はしていません。(でも物忘れはひどくなっているような……それは単に年のせい?)

「友達の定義ってなんだろう?」

いつも一緒にいることが友達なのか?

食事をしたり飲みに行くことが友達なのか?

悩みを相談することが友達なのか?

いや、これは単なる行為でしかなく、その行為の数や種類で友達を定義するのはおかしいのでは?

しかし多くはその行為の数や内容の深さによって「友達」を定義しているように思います。

昨今はSNSの普及によって、誰が何時何処で誰と会っていたか……ということが第三者にも簡単にわかってしまう時代です。別に意識して行動を探ろうとしなくても「AさんとBさんはまた一緒にランチに行ったんだ。この二人は仲良しなんだな。」と思ってしまいます。

見る人によっては「AさんはBさんとランチに行くくせに、私のことは誘ってくれなかった!」と怒り出すかもしれません。

こんなことがありました。

SNSでは常に行動を共にしているAさんとBさん。私は二人は仲が良いものだと思っていました。

しかしあるときAさんと二人だけで話す機会がありました。驚いたのはAさんの口から飛び出してくるのはBさんへの不平不満ばかりだったのです。

「そんなに文句があるのになぜBさんと一緒に行動してるの?」

「それはBさんが誘ってくるから仕方なく……。」

「でもイヤなんでしょ?だったら断ればいいじゃない?」

「そんなことしたら嫌われるかもしれないじゃないですか!」

本人のいない前ではこんなにも不平不満を爆発させているのに、嫌われるのがイヤって……どういうこと???

「マジョリティはそういうもんだよ。」

「そうなの?ラファエル?私だったら影で文句言うくらいなら、とっととシャッター降ろすけどな。」

「オマエさんは一人でいることに耐性が強いから平気なんだよ。でも多くは一人でいることにそうそう耐えられるもんじゃないんだぜ。つるむ行為にすがってる輩なんざ、ワンサカいるもんさ。」

「本心よりも行為が重要ってわけ?」

「そういうこったな。」

「理解できないなぁ……。」

「人間ってのは寂しい生き物なんだよ、そこは理解してやれよ。ところでどうだい?その本心と行為の差ってもんをオマエさんの『友達定義』にしてみるってのは?」

「本心と行為の差が定義???」

つまりこういうことです。

本人の前ではなく第三者にその人のことを伝えるとき、不平不満を愚痴ってしまう相手なのか?それとも優しさを込めて語れる相手なのか?

相手にどう思われているかを考えるのではなく『私』が相手をどう思っているのか?それで充分ではないのでしょうか。

ひょっとすると一方通行の片思いになるかもしれません。それでも私が好きだと感じる人、私が尊敬できる人……その人たちを心のなかで勝手に『友達』と呼ぶのは自由なはずです。

「見返りを求めるからしんどいんだよ。友達だろ?それってさ、エロスじゃなくってアガペーなんだから一方通行でもいいじゃんか!」

ミカエルがケラケラ笑って言いました。

そして軽く片目をつむってこう付け加えます。

「アガペーから始めてみれば、いつかラブになるかもしれないぜ。」

(PART.4へ続く)

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