アンガーマネジメントVol.47 ~ムダな夫婦喧嘩を減らせる!「聴く」テクニック〜

3つのポイントを押さえて、男女間のトラブルを回避!

夫婦は、互いに近い存在であるがゆえにぶつかりやすい関係でもあります。夫婦のアンガーマネジメントを考える時には、男女脳の違いやホルモンバランスの違いも理解すると良いのですが、今回は手っ取り早く誰にでもできる「相手の言葉を聴く」テクニックをご紹介しましょう。

これは「カップルダイアローグ」と呼ばれ、米国ではカップルセラピーでもよく使われるテクニックです。

ポイントは、「聴き上手になること」です。

まずは、下記You Tubeの映像をご覧下さい。

最初は悪い会話例が繰り広げられています。意訳すると…

:「何であなたはそんなにだらしないのよ!!」

:「皿だって洗ってるし、請求書だってやってるだろ!ここにリュックを置いてるのを文句言うために来た訳!?」

:「いい?キッチン汚いのよ!ゴリラが通ったみたいにとっ散らかってるのよ!」

:「はぁ?家を妖精とかバービーが住んでるようにしたい訳?あのね、汚さないで生活なんてできないんだよ!」

あらら、夫も攻撃的ですが、妻もアウト!事実じゃない誇張表現を使いまくってますね。

では、どのようにすればいいのでしょう。

 カップルダイアローグ3つのポイント 

不満など、何か言いたい事がある人をセンダー(伝える人)、聴く人をレシーバー(受け手)として会話を進めます。

レシーバーとして大切なのは、「聴く事」に徹する事です。

カップルダイアローグは、解決にフォーカスするのではなく、調和がとれた安全なコミュニケーションを使い「きちんと相手の言う事を聴く事」「お互いの気持ちを理解する事」にフォーカスします。こうする事で、自然と解決策が浮かび上がってくるのです。

ポイントは3つあります。

ポイント① Mirrors(鏡)

レシーバーはセンダーが言った台詞をリピートします。お互いに、レシーバーが「これで合ってる!」と思うまで繰り返します。こうする事で、お互いに熱が上がってきた時のすれ違いを防げます。コンセンサスを取れないと、自分の想像する事がどんどん相手の気持ちや事実からズレていってしまうからです。

ポイント② Validate(立証)

今度はレシーバーが、センダーが言っている事は分かるよ、と伝えてあげます。感情的にならずにロジカルに、です。ここではレシーバーがセンダーの気持ちを受け入れている、とよりクリアにします。コミュニケーションの窓を、ずっと開けておくようなイメージです。

ポイント③ Empathizes(同情)

レシーバーは、センダーに対して理解を示します。相手の立場になっている、という態度で優しく返答します。Validateが事実を受け入れるのに対して、こちらは相手の感情を理解している、というようなイメージです。

そうすると、上記のスレ違っていた夫婦の会話はどんな風に変わるでしょう?

:「ちょっと話したい事があるんだけど、今いいかな?」

:「どうしたの?」

:「何か、最近うちが散らかってるじゃない?それでちょっとストレスが溜まってるのよね。私がいつも綺麗にしてるじゃない?で、特にあなたの”後”に片付けてるのよ」

:「そっか。君は家がいつも散らかってる、って事にイライラしてるんだね?これで合ってる?」

:「一部合ってるわ。でもイライラっていうより、不満なのよ。特に、あなたの”後”に片付けしてるっていうのが」

:「分かった。君は家が散らかってる事にイライラしてるし不満があって、特に僕が何かした”後”に片付けるのが嫌なんだね?これで合ってる?」

:「その通り!」

:「確かにあちこちに物を置きっぱなしにして家が散らかったら嫌だよね。ごめんね。色んな物が無造作に転がってたらそりゃイライラするし不満もたまるよね。悪かったよ」

:「そうなの、ありがとう」

いかがでしょう?まぁ、全てがこの通りに行くとは限りませんが、実際やってみると小さないさかいのほとんどは「相手の言い分を丁寧に聴いてあげる」事で、起こらずに済むのではないでしょうか。

ここで大切なのは夫(レシーバー)は「聴く事」が今の役割という点です。

そうする事で、妻(センダー)は「自分を理解してくれている」という安心感や、逆に今度は相手の言い分を聞いてみようという気持ちが生まれます。

簡単なので、ぜひトライしてみて下さい。
ただし、お互いにこのルールを知っている必要がありますのであらかじめカップルダイアローグについてコンセンサスを取ってから始めて下さいね。

参照
http://www.mamanatural.com/transform-your-relationship-part-7-the-couples-dialogue/